マサイ族の靴

 村に井戸を掘るためにマサイ族の人たちが、ロンドンマラソンに出るという報道がなされた。「衛生的な水が不足する村の子どもは3人に2人が5歳までに命を落とすという。その惨状を42.195キロを給水せずに完走して訴える。」ということで、民族衣装で歌い踊りながら走るというのだが、もう終わっていて、一位の選手はニュースに載っているのだが、この件はまったく触れていない。テレビ東京で本日深夜に放送があるようだ。俄然見てみたくなった。
 それで思い出したのが、マサイ族の歩き方をコンセプトにした靴である。正しい姿勢で身体制御をして歩くということだが、「どこまでも歩きたくなるよう」という同僚の先生のコメントもあり、前から注目していた。マラソンに出るくらいなら、マサイブランドをつくって、マサイ’ず、ブートキャンプみたいなのをやったりして、マサイグッズを売ったら、かなり売れるような気もしたが、下手をすると、ワールドダウンタウンのマサイ族の村観光ネタみたいになってしまうだろうし、むずかしいところなのかもしれない。
 3万円くらいするらしいので、ずいぶん迷っていたのだが、おりしもウォーキングシューズで一番いいやつが穴が空きそうになっていたので、思い切って買うことにした。買ったのは、丸井の裏のドイツ靴職人のいるお店というところ。足の型もとってくれて、適切なものを選び、歩行訓練もしてくれる。アドバイスやレクチャーは随時してもらい放題らしい。スニーカー仕様なのだが、底も貼り替えや補修ができるようで、存外お買い得なのかもしれないと思う。今まで27センチくらいの靴を買っていたが、ジャストサイズは25.8ということで、それを購入。この刻み方もプロっぽいカンジだし、これまではぶかぶかの靴を履いていたので、つま先が深く靴先にもっていかれ、それで10キロ以上歩くことを続けていたので、巻き爪っぽくなったということもわかった。面倒でも紐を毎回カッチリしめて、つま先の空間に余裕を持たせるのがよいと教わった。
 で、昨日、今日とプールに行くのに履き、しばらく歩いて、でもって、夜飯を食ってから、いつものように軽く7キロくらい歩くかと思ったら、かなり疲労している。5000メートルかなりスピードあげて泳いだからかなと思ったが、足もひっつれたところがあるし、ぐったりしたカンジもする。調べたら、それは当然のことのようだ。つまりこれは、散歩のために歩きやすい靴なのではなく、正しい姿勢で歩く=マサイ族歩行を訓練するための靴であり、言ってみれば「履く整体術」みたいなものなのらしい。

たとえば、ピエロが大きな玉の上に乗っている感じ。
不安定なところでは、転ばないように、人間も身体全体でバランスをとりますよね。
大玉にわざわざ乗らなくても、MBTを履くだけで、そんな訓練ができるのです。
それから、砂の上を裸足で歩くという、最も健康的な運動も、このMBTなら
都会のアスファルトの道路の上でも、お部屋のフローリングでも、できてしまうのです。
こんな感じで、わざわざスポーツジムに行かなくても、そんなにがんばらなくても、
毎日の生活の中で普通に履いていただければ、簡単に身体能力を上げていける靴?
いや、健康の為のフットウエアなのです。
http://alkomeister.com/newpage165.htm

 ということであるならば、散歩の時もこれを履いて歩けばいい。距離と時間にばかりこだわるのではなく、身体の疲労感を重視しようかと思う。だいたいにおいて、私の場合かなり身体がゆがんでいる。前屈みだし、左肩が上がり気味だ。靴もヘンな減り方がする。この靴は減り方を見て、再レッスンが受けられるとも聞いている。なんとなく依存的心理というか、信仰的になっているのは、気をつけなくてはいけないが、お店はけっして押し売りはしない。ただし、平気で履き替え用を買っている人や、家族でおそろいみたいな人もいて、じっと財布を見た。というか、かなり高いわけだが、いつもお客さんがいる。職人の仕事が、商業的成果を上げていることはうれしいものがある。しかし、やはりある程度お金がある人が買いに来ているんだよねぇ。