オープンキャンパス(桜)

 ちょっとした計算をするのに、散らかった部屋のどこに電卓が埋まっているかを発掘する時間もなく、まさかね、と思いながら、グーグルに計算式を撃ち込んで、リターンを押したら、計算ができちゃった。電卓機能についての説明も表示されました。今まで知らなかったので、グーグルのガイドブックみたいなのを見たら、他にももっと便利機能がいろいろあるようで、驚きました。電卓よりも、計算式が出ますので、検算もしやすく、非常に便利だ、とひたすら感心。例によって、口の悪い友人たちには、フルボッコにいわれました。
 金曜日はオープンキャンパスでした。天候不順と言われていましたが、お昼ぐらいまでは晴れており、おりしも桜の季節で、新緑、紅葉とならんで、キャンパスが非常に美しい時期であり、お見えになった方々も、学食で食事をしたりしながら、いろいろ楽しんでいただけたのではないかと思います。オープンキャンパス(桜)とか名前をつけるのもいいかもしれませんが、紅葉はいいとして、新緑はなく、真夏の2回はなんともにんともですね。それはともかく、なぜ学食かというと、そこから見える桜はきれいだからです。学食には、巨大ポスターが貼ってあり、一つだけちょっと・・・と思うコピーもあるのですが、その前で記念写真を撮っている親子連れの方がいらっしゃり、やはりわれわれの美学だけでものをいってはいけないのかもしれないと思いました。
 来訪者も多く、資料配付は昨年の倍くらいだったそうです。入学手続き者も他学科ほど多くはないものの、社会学科も目標数を少し上回ったということで、一同よかったというふうに喜んでいます。今年も学科説明と模擬授業なのですが、申請予定の新学科の説明をするということで、三連ちゃんで私の担当ということになり、なかには「またかよ」とがっかりされた方もいるんじゃないかと心配しています。というのは、けっこうリピーターの人も多いのですね。いずれにしても、関係方面のご尽力に感謝申し上げたい気持ちです。
 図書館による学習支援がGPに選ばれ、改築されていたのですが、工事がとりあえず間に合ったようで、なかが自由に見学できるようになっていました。学問のコンシェルジェというような機能を前面に押し出しつつ、日常の学習や、卒論執筆、さらにはキャリア形成に向けた勉学の支援、語り合う場の形成などというアイディアは、今の学生にはかなり重要であると思います。このへんが充実することで、教員の負担もかなり軽減されるでしょうし。
 まあ前々から図書館ガイダンスなどというものもあったわけです。それがいわばソフトの蓄積となり、さらにハードが構築され、このようなかたちで具体化されたわけです。ほんとうは必修科目にして欲しいくらいなのですが、それはむしろゼミや授業の役割なのだとも思います。「勉学まわり」のことは、手を抜かず、労力をかけなければいけませんね。
 他方、所謂昔の言い方で「更正補導」といった面、とりわけプライベートな相談などは、相談室なり、あるいは学生各自が自己責任において医療機関なりによって健康管理をするというかたちにしないと、教員のリスクも大きいでしょう。下手に相談にのって、自殺してしまい、損害賠償を請求されたなどというケースもあるようですから。
 時代が変わってしまったなぁと思います。昔はたとえばちょっと元気のないのがいたりすると、「昼飯でも喰いに行こうか」とか声をかけ、あたたかい食べ物を食わしてやったりして、じゃあな!とか言えば、それだけでいろんな問題が解決できたようなことがありました。てきとーに声をかければ、数人集まって、別にあやしげなこともなくメシを喰いに行くことが可能だったように思います。今となってはなつかしい話です。
 ただし、この件に関しては、あまり昔がよかったとも思いません。ネタ的には興味がなかったこともありませんが、それも個人的な興味というよりは、勉学的な興味であり、だからこそ若者文化研究を標榜したりしたわけで、基本的に勉強のこと以外には他人にはまったく興味がなかったですから。