焼き豚ポップ

 うちの親が、この前焼き豚を買いに行ったら、尾島が3日ぐらい休むっていうから、なんだって聞いたら、通販が忙しすぎるので、突貫作業みたいになっているらしい。エエェェ・・・と検索したら、大騒ぎになっていてぶっ飛んだ。尾島精肉店だと思っていたら、尾島商店に名前が変わっており、「尾島商店には及ばないが」などという表現がブログにあってビックリした。しかし、3日休んでというのは、事業をあまり拡大するよりは、いいんじゃないかと、私のようなものは思うわけだが、商売というのはまた違うのかもしれない。
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 横浜では、中華街の有昌が一番の名店ということになっていたのだが、もうオッパッピー状況なのであった。中華街の普通の精肉店だった江戸清が豚まんの有名店になってしまったりして、たいへんな羽振りになっているわけだが、焼き豚も同じことなのかもしれない。有昌のは引き締まった、非常にマニアックな味である。尾島のものはジューシーで香ばしい。これは好みの問題だろうね。*1
 地元では「むかしと違う」などという人もあるのだが、最近は一寸味が戻ってきていると私は思う。うちの親がこの前買ってきた商品にはなかなかビックリした。端っこの切れっ端ばかりをゴロゴロ集めたやつを買ってきたのだ。むかし焼きたてのを買ってくると、一家でつまみ食いした。争って食べたのは、端っこのタレがしみて、カリッと焦げたところだ。じつに香ばしくて美味い。これはほんと鳥肌が立つくらい美味かった。そこを一通りみんなで喰って、真ん中のいいところは残ってしまったりする。あとは捨てたらたいしたものだが、北京ダックだってなかも喰うからね。北京飯店なんかは、炒め物とかにしてくれるし。それはともかく、こういう切れっ端を売っているようなら、さらなる可能性に期待してみたくもなる。
 焼き豚は野沢菜や京都のお漬け物などといっしょで、そこで食べるのが一番美味いことは否定できないのである。まあたしかに、うちも親戚などに真空パックで送っていたし、岡山時代も送ってもらって、アパートの管理をしていた不動産屋さんなどにおみやげでもっていったりして、なかなか好評だった。
 一度真空パックを開けて食べてみた。これはこれで美味しいとは思うのだが、焼きたてとは違うのが、実に口惜しい感じで、「焼きたてを一度ごちそうしたい」などと言っていたのだが、あるとき意を決して気合いを入れ、一本そのまんまで送ってみた。そうしたら送り先から、興奮状況で電話がかかってきて、「ガチ美味いッスね」と言っていたので、実に満足だったことがある。かなりの裏技だったと思うが、自分で送ったからいいようなものの、お店では逡巡するだろうねぇ。
 クール宅急便ならよさそうなものなんだが、うちは買ってきても、とりあえずは冷蔵庫に入れない。あと、岡山、香川で有名な坂出の焼き豚やさん、というか街の肉屋さんなんだが、ここは先代の言いつけにより、夏期しか焼かないというようなものらしいんだね。夏にそのまんまというのは、いくらなんでもガチすぎるだろう。
 もっともここ何年か真空を食べていないのである。もしかすると技術的にすごいことになっているかもしれないのである。そして、前の段階においても、少なくとも真空パックのきようけんというようなことはなかったということだけはたしかだ。実は私は香ばしければよいので、冷蔵庫で冷やして輸送、保存し、フライパンで焼き直して食ったりしていた。ジューシーな職人芸は、意味がなくなってしまう。
 しかし、野毛の食べ歩きみたいな企画やったら面白いと思うんだがね。尾島でチャーシュー三切れくらい買って食べ歩きながら、新華とかでワンタンを二つくらい、萬里で餃子を二つ、・・・そこら中で立ちのみとかできるというのは、一寸無理かもしれないが、イスとかいろいろおいて、街中テーマパークみたいな。投資ナシで、チャーシューの切れっ端を売るような感覚で・・・。学生とか連れてきて、野毛のB級グルメ、と思っても、行けるのは一つか二つだと逡巡するからね。まあたいして儲からないだろうけどね。 

*1:江戸清の肉まんはけっこうほかほかで、同發とかは引き締まって酵母が歌舞伎まくっている。シュウマイでも明揚はスフレで、国賓菜館などはカッチリしている。