温度と時間:新居昭乃ライブ

 横浜でやらなくてはならない用事を済ませ、大学の急用があったので速攻片付けて、昼メシ喰って、ちょっと重かったので、昼の休憩に速攻プールに行ってカルク3000メートル泳いで、またちょっと仕事して、んでもって、夕方に品川に向かう。今日は新居昭乃のライブだったのでございます。2日目のほうがいいかなぁと思ったものの、重要会議があるし、3月は卒業パーティなどもあると思ったので、この日しかなかったんすよね。
 目的のライブ「新居昭乃 LIVE 2008 Valentine's Day Special Live〜2月の庭〜」は、品川教会のグロリアチャペルで行われる。御殿山ガーデンまでは当然のように徒歩。駅前でベーグルサンドでも喰う予定が、店が見つからず、面倒だったので目についたトンカツ屋に入ってしまったからだ。美味しかったが、少々重かった。あたった指定の席は真ん中よりちょっとうしろで、聴くにはいい席があたったと思う。四方八方女性という鬼な席だが、女子大教師のアテクシとしては、コンパの時なんかと大差はなく、まあぜんぜん違和感はない。しかし、まわりの人は場所はくうし、ピザだし、とか思っていたんだろうなぁ。
 お客さんは、女性が多いですね。もっとカポー@デイツとか多いのかと思ったら、そうでもない。ヲタもそんなにいない。腐女子もそんなにいない。ふつうの人が多かった。と思ったのは、私がなんだかんだ言って、アキバ入っているからなんでしょうか。ともかく、結論的には、非常に楽しかったし、満足いたしました。また行きたいですね。
 時間が来たら、いきなりはじまって、一曲アカペラで歌い、そこにバイオリンがくわわり、さらにギターが加わり、って、Talking Headsのストップメイキングセンスかよ!とか思ったが、楽器を運ぶ黒子のあんちゃんたちをのぞけば、この3人だけで演奏が行われた。アコースティックギターが堀越信泰。調べてみたら、堀越といえば、渡辺真知子、そしてCoccoなどといっしょにしていた人らしい。しかし詳しい人がいるもんだね。
 もう一人のバイオリンが藤堂昌彦。「ふざけた歌謡曲バンドのレインボーセプテットというのをやってます」とMCでゆったらバカウケだった。言いかえて、「楽しいポップバンド」。わははは。新居は、ピアノ、ギター、それからおもちゃのピアノみたいなのを使用。レインボーセプテットって、スターパインズカフェに出てるのな。今度いってみようかなぁと思う。
 やった曲目は、順不同で記憶順で記憶している範囲で言うと、「ガレキの楽園」「花のかたち」「VOICES」「降るプラチナ」「きれいな感情」「太陽の塔」「鉱石ラジオ」「金の波 千の波」。(他の日記より追補。「赤い砂 白い花」「レインフォレスト」「アトムの光」「遥かなロンド」「Melody」)。そのうちみくしで、曲目の違いなどの紹介もあるかと思います。

追記 みくしにはたして掲載された全曲目。すごい人がいます。敬服いたします。

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★が昭乃さんの楽器でした。
1:赤い砂 白い花(アカペラ)
2:雨の言葉(★ピアノ)
3:花のかたち(★ピアノ)
4:遥かなロンド(★ピアノ・ヴァイオリン)
5:at Eden(★ピアノ・ヴァイオリン・ギター)
6:レインフォレスト(★ミニピアノ・ヴァイオリン・ギター)
7:メロディ(★ミニピアノ・ヴァイオリン・ギター)
8:きれいな感情(★ギター・ヴァイオリン・ギター)
9:バニラ(ヴァイオリン・ギター)
10:太陽の塔(ヴァイオリン・ギター)
11:水(★ピアノ・ヴァイオリン・ギター)
12:黄昏は未来で待つ(★ピアノ・ヴァイオリン・ギター)
13:ガレキの楽園(★ギター・ヴァイオリン・ギター)
14:降るプラチナ(★ピアノ・ヴァイオリン・ギター)
15:鉱石ラジオ(★ピアノ・ヴァイオリン・ギター)
16:アトムの光(★ピアノ・ヴァイオリン)
17:VOICES(ヴァイオリン)
アンコール
18:金の波 千の波(★ピアノ・ヴァイオリン・ギター)
19:Flower Crown (★ピアノ・ヴァイオリン・ギター)

 もちろん編成にあわせてアレンジしてあるわけだが、声などのクオリティはCDと買わない気がし、すげぇと思った。そして、ライブ独特の盛りあがりがある。新居昭乃はMCで最初から「寒いですね」「熱いライブにしたい」とくり返していた。ラジオに出たとき、「だいたいが温度感が低いおんがくなんすよね」みたいに言っていたのを思い出す。
 不在に帰ってくるというような詩句が何度も耳に付いた。見田宗介がテレビ番組で言っていた、ジュウル・シュペルヴィエルかなんかの詩の話を思い出した。鳥たちは季節が来ると森に帰ってくる。その森はなくなってしまった。しかし、その不在に向かって鳥たちは帰ってくる。みたいな、ことだったと思う。見田の場合そうなんだが、新居の場合は時間の停止というか、アニソン、ゲーソン的なイメージが上手く作品化されているように思う。温度と時間、あるいは不在が、鮮明にイメージ化されている。これは上野洋子なんかにはないものだと思った。ただ、上野の場合、リズム、メロディ等々のコンストレーションの不安定な変幻、独特の緊張感などが実にここちよい感じがする。
 それにしても、バックの影絵やなんかの映像で、途中、「部屋が熱くなってきたので、フィルターを交換してちょ」みたいに出たのは、やっぱり仕込みというか、演出だろ?じゃなきゃやばすぎるしね。サティにボーカルつけたみたいな曲作りというか、w 透明感や低い温度性みたいなことばかりが先入観としてあったのだが、ライブは低温なりにホットだったと思う。
 私としては、一番好きな「ガレキの楽園」を聴けただけでも大満足だったのだが、この曲は明らかに異質な演出で、ギターはぶっぱたくは、ボーカルはドスがきいてくるわで、私的には鬼ハアトでした。
 MCも「私の曲の中で世界で一番有名なVoices」であるとか、「一番最初にオリコンに入ったのは、10年くらい前でそれが100位くらいで、今度の新曲は26位で過去最高。シングルのランクがだんだん上がってきて、落ちない人は世界で一人だけ」とか、ネタ的にも面白いものがございました。天井が落ちた話や、アンパンマンネタなどは、それなりの寓意でもあるのかと思いましたが、ちょっとわかんなかったっす。それよりも、曲作りの裏話なんかが、けっこうもってけ泥棒的に惜しみなく語られたのはうれしいものがあった。

金の波 千の波

金の波 千の波

 その新曲は、やんないまま終わってしまって、かっこよすぎねぇか?と思ったら、アンコール曲だったのであります。個人的には、「凍る砂」を期待していたのですよ。しかし、編成みて、無理だと思ったんだが、堀越がすげぇので、アレンジして、パーツいじれば、できないことないような気もするんだけどね。鉄琴みたいなのぶっぱたいているところは、バイオリンでもできねぇかな。w
 帰りは五反田まで歩き、夜もジムに行って、1500メートル泳いで、サウナに入って、一汗かいた。深夜のショーパン。バレンタインウィーク。これまで豪華ゲストが出てきたわけだが、なぜか今日のゲストは、番組中ゲロゲロリバースの猿岩石有吉弘行。「誰の代役?」と自分で言っているのは大笑い。昨日までと大違いだからな。