Wii異聞と日本人の好きなことば

 任天堂の人が、売り上げの妨げになっていると思われる「ゲームの敵」であるおかあさんたちを見方にして、一気に売り上げを伸ばす、みたいなことを年頭にゆっているみたいなことをどこかで読んだ。甥がWiiを誕生日に買ってもらい、もう目の色が変わっているときに、父親はあわよくば自分もという顔つきだったのが、母親はちょいと顔をしかめていた。ところがである。お年玉をもらいに来たら、一家そろって「Wii(・∀・)イイ!!」みたいになっているのである。
 なにかと思ったら、あの体重計の親玉みたいなのを買ったところ、こどもはマリオもへったくれもないとぬんちゃくを捨てさり、みんなで健康管理、腕立てから、ヘディング、スキージャンプなどを楽しんでいるようなのだ。母親のほうまでもが、祖父母(私の親)に「Wii(・∀・)イイ!!ですよ、今度見えたら是非是非」と「布教活動」をし始めた。美容と健康をかましたところがミソなのかもしれないが、ともかくすごく楽しいみたいなのだ。祖父母は無理だろう、みたいな話にはなったのだが、座椅子仕様のものができないのかとか、いろんな話になった。ナムコさんなんかは、ちょっとスピードを落としたワニ殴りみたいなのをつくったんじゃなかったかと思うが、高齢者が心筋梗塞にならない程度の、あるいはリハビリに使えるようなものは、当然準備しているんだろうし、出てくるのがすごく楽しみだ。で、昨日の2ちゃんにあったニュース。

1 :鉄火巻φ ★:2008/01/03(木) 22:50:21 ID:???0

好きなことば 「努力」が減少。

 日本人はどんなことばが好きか、60の「ことば」を示して調べたところ「ありがとう」を 選んだ人が最も多かった一方、「努力」をあげた人が20年余り前に比べて大幅に減っていることがNHK放送文化研究所の調査でわかりました。これは、NHK放送文化研究所が去年3月、全国の16歳以上の3600人を対象に調査用紙を配付して調べたもので、67%に当たる2394人から回答を得ました。60の「ことば」を示して好きなことばを幾つでも選んでもらったところ、最も多かったのが「ありがとう」で3分の2の67%の人が選びました。2位は「思いやり」の44%、3位は「健康」の41%で、以下「平和」「優しさ」「正直」の順でした。同じような調査は25年前の昭和58年に40の言葉から選んでもらう方法で行っていますが、このときも1位は「ありがとう」で、以下「健康」「思いやり」と上位の3つは今回と同じ言葉でした。しかし、前回4位だった「努力」は今回15位まで順位を下げたほか、前回11位だった「根性」は今回は28位となっています。好きなことばに「努力」を選んだ人は若い年代ほど少なく、男性、女性とも30代から50代の働き盛りの世代で20ポイント以上落ち込んでいるのが目立っています。その一方で、前回22位だった「やさしさ」は今回は5位と大きく順位を上げたほか、「平和」が9位から4位に、「幸福」が13位から7位とそれぞれ順位を上げてベスト10に入りました。
NHKニュース 1月3日 18時35分
http://www.nhk.or.jp/news/2008/01/03/k20080103000073.html
http://www.nhk.or.jp/news/2008/01/03/d20080103000073.html

 1980年代の前半に、大学院のゼミで飲み会をしたときに、亡くなった佐藤毅先生がこのネタを持ち出して、20代、30代、40代などは、「努力」や「根性」が一位であって、これが10代になると「友情」が一位、じゃあ50代になるとどうなるかというと、「ありがとう」が増える、という三段オチにして話してくれたのが記憶に新しい。大学教師になって、しばらくはこのネタを話すと、「ありがとう」のところで、爆笑となった。つまりは、人生に疲れたペーソスな年代になると、やたら感謝して欲しくなるみたいなことのテヘへが、とても可笑しい時代があったのだ。ところがどっこい、最近はダントツで、「ありがとう」が一位というのだから、びっくりした。
 「思いやり」もそうなんだが、ブラウニーじゃないけど、「愛されたくてたまらない」人々が増えているだとか、私的にも思わず理屈をかましたくなったりもする。私的はインチキ臭い議論ではあるわけだが、ちゃんと実証的に人間関係とか親密性とかやっている人は、気遣い、気配り、他者の評価などの議論を裏付けるデータがまたまた出てきたみたいなことになるんだろう。
 学生にもこうした議論はかなり興味を喚起するところがあって、今年の卒論では数名がリースマンを引用する結果となっている。というか、ベタにこのテーマで書けばとりあえず卒論になるかもしれないから、「決められない」とかゆっている三年の誰かにやってもらっちゃったりしようかと思わないことはない。NHKの調査の経緯を整理してもらって、でもってちょっと自分でアンケートとかとってもらって、文化装置論関連文献を蒐集整理してもらって、そうすれば授業でも使えそうだし・・・。などと、よこしまなことを考えてしまったりする。