喜神@中野

 一時はラーメンの食い歩きをよくしたもんだ。これ自体はさほどのカロリーではない。なぜなら、私は子供の頃から、あまり汁は飲まないからだ。これは親が高血圧だったので、塩分をとらないような食事になれているからだ。野菜もドレッシングなしで食べられるし、お浸しなども醤油はかけない。味噌汁なども具しか食べないこともある。ラーメンの場合、カロリーは汁にあると思う。問題は、大盛りがどうしても食べたくなったのだ。炭水化物は血糖値の敵である。カロリーよりデンプンがまずいのだ。それを知らないで、ずいぶん体調を壊したと思う。ほんとうのラーメン好きは大盛りを嫌うらしい。麺がまずくなるからだそうだ。でも、実は私はのびた麺も好きだったりするのだ。ニンニクやショウガをしこたまぶち込み、唐辛子味噌で真っ赤になったどんぶりに食らいつく姿は、鬼気迫るものがあったにちがいない。
 トンカツ屋はまったく行かなくなったが、最近はあまりラーメン屋にも行かない。ラーメンくらいはイイと思うのだが、栄養のバランスが悪いからだ。まあしかし、ラーメン一杯くらいなら、たぶん二時間歩けばおつりが来るくらいだとは思う。トンカツだと三時間は歩かなくてはならないので、ちょっとキツイ。横浜に帰省していたので、昼間は西スポーツセンターまで清水が丘経由であるいて8キロ。これに3000メートル自由形。東京に戻ってきて、この前高田馬場から阿佐ヶ谷まで歩いたときによった中野の喜神という店に寄ることにする。
 私のこの種のものの味覚感覚は、横浜のタンメンで枠組みが作られているから、平打ちの太麺は実に好きなものがあるのだ。大久保のはやし家もだから好きなんだと言ってもいい。この前はものすごく寒くて、しかも電車が止まっている時間に、震えながら、たまたま入ったわけなのだが、調べてみたらなかなか有名な店らしい。昼間は行列もできているらしいが、夜はそれほどでもない。この前はともかく寒くてあたたかいものが食べたくて、かつ肉がドバッとのっている方が、体温によさそうだったので、ぶっかけのそばを食ったのだが、今日はラーメンを食おうと思っていった。
 この前は馬場から歩いたわけだが、今日は小滝橋通りを歩いて、東中野、落合という経路で早稲田通りを歩いて店に向かった。中野から歩くんじゃないところがポイントである。今日もなかなか寒かった。毛糸の帽子をかぶっていても、禿げに寒風が吹きすさぶがごとくで、もしかして脳血管やばくね?見たいに考えると怖くなってくる。がまあ、最近歩きつけているし、そう簡単には倒れないとは思っている。ラーメンは予想通りの味で、岡山ラーメンをちょっとひねったような風味でなつかしかった。店主は光麺で店長をしていた人だとネットに書いてあった。つけ麺がかなり美味そうだが、それは今度にしようと思う。あまり量が多くないので、今現在としてはありがたい。ともかく太麺は、味わい深いし、風味もイイ。高菜飯だとか餃子だとかもおいしそうだが、さすがに今の私には荷が重い。
 腹ごなしに中野からさらに歩くことにした。早稲田通りを、野方、高円寺北、阿佐ヶ谷北と歩いた。このまま日大二高通りを環八までいき、裏通りから西荻、五日市街道、吉祥寺というふうに歩こうかと思ったが、あまりに寒かったので、予定変更で荻窪最短距離をとることに。そうしたら、また道に迷ってしまい、気づいたら、阿佐ヶ谷駅だった。そこから電車に乗って帰った。
 最近方向感覚がおかしい。地図は頭にたたき込んであるつもりなのだが、南北の感覚が狂う。特に荻窪阿佐ヶ谷方面と、牟礼付近は鬼門である。それにしても世田谷杉並中野あたりばかりを歩くのもアホな話だ。深川とか、墨田とか、森下だとか、歩いて面白いところは、東京にいくらでもあるのに。まあ正月はプールも休みだし、そういうあたりでも歩いてみようかと思っている。さて、授業もあと一週間で、最後の準備に入らなくてはならない。