残ったレジュメ

 日本社会学会に行ってきました。ちょっと前なら駅からタクったでしょうが、今では当然のように徒歩。いつも歩いているのに比べれば、ぜんぜんたいしたことなかったです。久々に早起きしたのですが、まあさほど体調は崩れませんでした。午前中は、心と社会の部会へ。非常によく勉強した成果が、小気味よく繰り出され、すごいもんだなぁとひたすら感心。議論も上手くいっていて、一概に人数が多いからダメと言うこともないなぁと実感。最新動向を知ることができたのはいいですが、レビューに関しては完全にセコハンになっている自分に愕然としました。
 電車の中で席をゆずる話があって、相手を年寄り扱いしない優しさを標榜する若い人の話を書いた大平健さんの本が引用してあって、何日か前に書いた吉野弘の夕焼けを思い出し、それも優しさなのかなぁなどと思いました。引用はそれ一つという非常に現代的なレジュメ様式で、オールドファッションな人々(三人組を自称)は若干当惑した感じで質問すると、わかってて敢えてこう書いたみたいな感じの応答があり、時代は変わったなぁと、席をゆずられた私も感じたのでした。で、午後は予定していた部会へ。一線級の論客が勢揃いという感じですね。

◆午前 心と社会(文化・社会意識(1))
◆午後 文化・社会意識(2)
1. 所得の不平等に関する日米比較――子どものいる世帯に注目して――
東京大学 白波瀬 佐和子
2. 新制度主義理論と「社会期待」で再考する均等法後の社会意識変化
ミネソタ大学 篠原 千佳
3. 20世紀初頭における〈聖なる子ども〉――文化と資本のグローバリゼーション――
学習院大学 遠藤 薫
4. 現代における文化・地域コミュニティの両義性――グローバリゼーションと開発主義の視点から――日本学術振興会学習院大学) 高原 基彰
5. バイク便ライダーのコミュニティ
学習院大学 阿部 真大
6. 被差別部落の酒屋がコンビニに変わるまで――消費を通じた地域性と共同性の軋轢――東京大学 新 雅史

 司会者は途中まではりきっている様子がみられたのですが、急に元気がなくなりました。最前列に置かれているレジュメがどんどん売り切れ状態なのに、一つだけ猫またぎ状態であまりまくっているプリントがあり、司会者の近著のチラシなのでした。ミッション・インポッシブルかよ!つぅかんじなわけですが、中にはめくって返すような人もいて、チラチラチラチラそっちばかりみて、もう上の空状態。時々蚊の鳴くような声で、ギャグをいうのですが、すべりまくりでもう爆(´・ω・`)ショボーンでした。あと終わった後、Aさんがいたので声をかけたら、ポカーンとしているので、??と思い、ひつこく声をかけたら、関係者が「似ているけど違うんですよ」と教えてくれて、かなりびっくりしました。教えてくれた一人は、冬彦さんに似ているような気がしました。これ以外は、2chなネタ的はないですねぇ。
 対して遠藤本チームは、一切営業活動をせず、何年か前のチラシ配りまくりのチンドン部会とはえらいちがいでした。ドゥルーズを意識しているか?という質問を、三択{1Yes、2No、3バカ野郎!}で聞こうかと思いましたが、ベタに3だと思ったので自粛。ただグローバリゼーションについて、いくつか質問が出ていたし、いろいろ考えさせられるところは大きかったです。これはご報告の示されたデータや事例の力だと思います。議論自体は、何年か前に地方のサブカルチャーを礼賛するような論考を発表した際、『ソシオロジ』で長谷正人さんからいただいた批判と似ているなぁなどと思いました。ただもちろんだいぶちがいはあります。司会者は黙ってればいいのに最後にまとめをしようとし、再び爆(´・ω・`)ショボーンでした。チラシを片付ける後ろ姿は哀しい物がございました。
 この司会者は、二年前には30分も延長するという暴挙に出たわけですが、今回はタイムキーパーががっちりいて、管理されていて笑えました。やはり補助の人がついた方が、部会は円滑なのではないでしょうか。
 明日は、公務で欠席。会長講演が聞けませんが、評論に載るでしょうね。