17歳の風景

 小島よしおではないが、下手こいたのであった。なにかというと、今日は大学祭で成城大学は休講であることは手帳に書いてあったのだが、立教はあると思っていたのだ。非常勤は、ちょっと気分を変えて都心に行くということで、ちょっとハレな気分になって、めし喰ってでかけたら、妙に人がいない。と思ったら、大学祭でした。爆(´・ω・`)ショボーンで、ジュンク堂で本をみたりしてみたものの、あーあという感じ。実は、毎年大学祭だとか、スポーツ大会とかで休講の時行ってしまうのです。まあ、池袋や世田谷ならいいけどさ、大東大東松山まで行ってなかったときは泣きそうでしたよ。馬路。
 久々にプロ野球中継というものをちゃんとみた。なくなった恩師が、中日ファンだったことも思い出したりした。中日が50年以上優勝していなかったとは知らなくて驚いた。そして、落合監督とあまり年齢が違わないことも驚いた。投手戦というと、高校野球だと、ハンカチ王子が孤軍奮闘、最終近くになって渾身のスピードボールが鬼気迫るのびをみせたのを思い出すが、今日の投手戦はプロ野球では久々に力が入るものがあった。
 一仕事終えて、ビデオを借りてきて、頭をクールダウン。そうしないと、テンパってしまうのである。一本は、鬼系のロッキーのファイナル。もう一つは、ちょっと凝ったものと思ったら、若松孝二の『17歳の風景』があったので借りた。岡山の金属バット殺人を題材にした映画だ。この事件については、岡山に調査に行ったりしながら、論考をまとめたこともあり、また、「よい子という牢獄」のなかで真っ白でいることで自分をかろうじてつなぎ止めていた少年へのそれなりの感情移入もあり、なにより執筆の過程で粘り強い体力で努力家だった少年が真正面を凝視し、ひたすらに自転車をこぎ続けるイメージが繰り返し想起されたことなどを思い出し、早速借りることにしたのであった。

富士山を仰ぎ見ながら少年はそう呟き、北へ向かって自転車をこぎ出す。若者達が群れる東京・渋谷の繁華街、朝の通勤ラッシュの人の群れに逆らうように独り歩く少年。彼や彼と同世代が起こした事件についての新聞記事、ラーメンを食べながら母親を殺した少年について語り合う高校生達。母親や勉強部屋、自分が犯したことから身を引き剥がすようにして、ひたすら自転車をこぐ少年。三国峠から六日町、柏崎から象潟、男鹿半島へと北上していく、その目に映るのは北の峻烈な風景だけである。招き入れられた雪洞で大人達が交わす会話、海辺の青海川駅の待合室で出会った老人が語るその青春と戦争体験、漁業の行末を憂える漁師達……ただじっと彼等の話に耳をそば立てるばかりで何もしない少年。
 そんな少年が、通りかかった里山の雪道に倒れ、救いを求める老婆を背負って家まで連れていく。その家で味噌汁をかけただけの飯をほお張りながら、朝鮮から連行されてきた老婆が唄う祖国の歌を聞き、チマチョゴリに身を包む自分と同じ年頃の少女を重ね見る。なおも続く少年の旅。竜飛岬へ、さらに北へ、もっと遠くへと旅は続いていく
http://17sainohukei.jp/

 まあなんというか、異様なまでの迫力の映像です。神軍平等兵の映画ともまた違う、どことなくCRエヴァンゲリオン暴走モード突入前的でもあり、でももさっと無口なんだよな。ともかく、ガキが自転車こぎまくる映画。それだけ見ていても、私の場合は研究が行き届いている(そりゃあ原稿書いたからさ)から、こぎまくる少年と北の風景がしみて、じーんと来て、っていう感じなんだけど、知らないで見ると、なにこれ!とかゆう人はいないかななどと思いつつ、友川カズキの異様な歌声が奏でられると、うぉおおおおお、という感じで、何か自分はやっぱり、ユーミンというよりはこっち側なんだろうなぁと思う。福田和子の映画の「カモメ」という曲もよかったなぁなどと思ったし。なかなかこういうのって、ゲトできないんだよね。
 昔は自分を探す人は北に向かった。死ぬ人も北に向かった。ある後輩は、新潟の海岸まで行き中島みゆきを聞いて、北海道までたどり着き。雪の原野で倒れて、地元の人に助けられた。ある教え子は、ろくに金も持たず、冬眠前のクマがうようよする北海道の原野を歩き回った。そんなイメージが、というか、彼らが見たであろう風景がイメージされた。