まずはメイル

 三年生とコンパをして、しこたまメシを喰ったはずが、ここ2日体重がちょっと減った。たぶん1日の摂取量が減ったためとは思う。学生さんたちの話で一番ビックリしたのは、「交際はまずメイル交換から」という話。「会おうかどうか」みたいな話をしていたので、「会ってないの?」と聞いたら、ないらしい。「シャメは?」と聞いたら、「そんなキモイことしない」といわれて恐れ入りましただった。「サイトかよ、まさか?」と聞いたら、「バカぢゃね」みたいに言われた。まあともかく勉強になる。
 「今日日、友達の紹介なんかだと、まずメイルからが基本」ということで、私には斬新なことだった。メイルだけで終わらせるなら、ちょっとメイルとかしてみたいみたいに言おうと思ったが、冗談であったとしても、たぶん袋だたきにあっただろうから、言わなくてよかったと思う。もう一つ面白かったのは、いじめのはなしで、クラスで一人ずつタゲられて、いじめられ、順番にいじめられていき、最期はみんな仲良くなった、という話。
 しかし、この学年は授業よりもコンパの出席率がいいんじゃないかというくらい出席率がいい。「風邪ですが、コンパは行きます」みたいな勢いもないことはない。昔はコンパとか言っても半分くらいしか来なかったんだけどね。しかし、コンパが始まる前に集金が終わっていて、非常にサクッとした折り目正しい金銭感覚で、気持ちがいい。たぶんきっとみんなイイ就職先が見つかると思う。
 後藤ユウキがまた騒動を起こしてしまったわけで、こうなるとVシネマなんだろうなとか思うけど、なんともにんともながら、この存在感は惜しいものがあると思うよ。もちろんいけないことだけど、15歳でちゃんねぇはべらせて酒呑んで豪遊みたいなニュースの時は、正直笑ってしまったし。窃盗団にはちょっとがっかりだが、もっとビックリしたのは、子供と妻がいて、子供は二人だということ。そうなんだぁ。というかんじ。
 明日は非常勤の日だが、成城大学の新校舎にはぶっ飛び続けている。まず柱がコンクリートのうちっぱなしみたいになっていて、「壁紙ぢゃね?でも、成蹊はものほんだったしな」などと言ったら、授業のあと学生がかもん!みたいにしたので、行ったら、ほんものだった。すごいもんだ。視聴覚教材機器完備シマクリの教室で、まさかパソコンなんか付いてないよなと思ったら、ついていて、でもって、まさかネットにつながってなんかいないよな、とか思ったら、つながるらしい。
 夕方から卒論の相談に来たのが「〆切りまであと51日」とか言っていたので、虚を突かれて爆笑した。あと○○字というのなら聞いたことあったが、オリンピックじゃあるまいし、というか、ちょっとマイナス思考なんじゃないかな。まだ十月は一週間あるとか、考えればいいのに。新渡戸稲造の修養論から、教養論、それから現代の修養志向を睨むという理論構成はなかなか見事である。いくつかの教育社会学や歴史社会学の本を読んでのことではあるが、難解な本のポイントを抽出して、理論構成したのはなかなかのものだと思う。前回説明を聞いたあと講義のネタとして紹介させてもらったりした。今年はこのように理論構成がきちんとした人が多いことは、以前にも触れた。
 これを演繹的とすれば、帰納的な人たちもいて、せっせと聞き取り結果をテープ起こしをして、メモを積み重ねている。全体像はまだ茫漠としているが、観察眼は良く、無理にこじつけの理論構成をするよりは、重箱の隅をつつくような事実を丁寧に書き留めるように指示する。今年は去年以上に生真面目なので進行は遅い。しかし、丁寧でオーソドックスな作品が眼につく。何年か前の茫然自失の11月と比べると天国のようなやりやすさだ。少し老化現象が進んでいるわけで、相談時間は15分ワンセットで、最長2セットとか制限する必要を感じている。