華:月影兵庫

 素浪人月影兵庫をみていて思い出したのが、うちの親が「暴れん坊将軍」をみていたときのこと。「よの顔を見忘れたか」「わぉ!上様、もはやこれまで、であえであえ」で、ちゃんちゃ〜かちゃちゃんかちゃ〜〜ん♪と音楽が始まり、上様がチャンバラ始めて、忍者がドヒュドビュ斬りまくりになったときに、「はじめ聴いたときにはなんかヘンだと思ったけど」「すっかりこれとか、肛門とかが定番になっちゃったわねぇ」「むかしは効果音とかなんか入らなくて、殺陣はもっと華麗で」「音楽と言えば三味線リフりまくりの、ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃかちゃんちゃん」みたいな、とかゆいながら、あとは二人で口三味線で「ちゃんちゃんちゃんちゃかちゃんちゃんちゃんの、すちゃらかちゃん♪」と上様の殺陣にBGMをつけて、最後は腰を浮かせて「成敗!」とシャウトし、でもって、ふぅ〜とため息をそろってついた。わはははは。すげえよ。あんたたち。と思ったものだ。(一部脚色あり)。w
 ついでに言えば、チャンバラのあとで、上様に峰打ちされる椰子と、忍者にぶったぎられる椰子とでは不公平だというアホな会話になり、いやそんなことはない、上様にみねうちにされた椰子も上様に刃を向けたわけだし、水戸黄門みたく「忍びじゃ」とかゆうのでなければ、反逆の大罪人だし、本人はもちろんのこと、一族郎党まるっとまとめて、ぬっころされるわけだから、公平なんじゃね?とか、わけわかんない会話をしていたりする。鬼平池上だったと思うが、最近の効果音の殺陣はへたくそでどうしようもねぇ、それを補うための効果音とかゆっていたわけだが、うちの親の昔の時代劇は、音無でもひらりひらりと華麗に舞うように斬っていたということと、もう一つはスチャラカチャンなわけでありますよ。まあ、武蔵とか、大菩薩峠とか、円月殺法大映だろうがね)とかさ、暗いものもあるわけだけど、それはそえなりにスチャラカだったわけですよ。
 うちの親はバカ親であり、また学問とかまったくないわけだけど、ともかく時代劇はがちでみている。終戦後の野毛界隈は、一番館が目白押しで、洋画も邦画も美空ひばりもまっさきにみれたのだ。だいたい物心ついてから死ぬ間際まで職人一筋だったぢいさままでが、「風と共に去りぬ」を見に行き、(・∀・)イイ!!、アメちゃんにはかなわんなぁとかゆっていたとかゆうくらいなわけだ。私のガキの頃などは、近くの千代田劇場とかゆうところに、よく大川橋蔵とかみにいった。真吾何番勝負とかゆうので、橋蔵が刀を逆さに構えて、左手を添えるような剣法に萌えまくり、野球の時に近藤和彦の真似みたいな打法で大川橋蔵とかシャウトして打ったりしたこともあるわけだよ。そんなわけで、理屈はないけどさ、うちの親は生活の中で時代劇をみているわけで、その影響の一端は私もがきの頃ちらみながら、みているわけです。新国劇がだめぽになりはじめたときには、「女性が見に行かないとだめちゃねぇの」とかゆっていたのも印象的だったりする。
 まあともかく、東映黄金時代というのは、あまりにすごいことになっていたことだけはたしかだろう。それは、大岡越前の昔の頃の再放送とかで、片岡千恵蔵とかでていると、ともかくすごすぎるわけだよね。あのすごさは、どうにもならないだろうと思うよ。今では。当時はちんぴら役がせいぜいだった華麗なるキンヤちゃんが、歌舞伎まくっていると、おお!とか思うわけじゃない。でもさ、隼奉行とかみちゃうと、なんとなく野見隆明のパロディーみたいにみえてこないこともねぇわけだよ。
 まあただし、昔々ではしょうがないこともたしかで、しっとりと中高年にみてもらおうというのは、悪くないと思うし、うちの親なんかは八丁堀の、何人だっけ?、それはともかく鶴太郎のとかなんかは、毎週みていたわけです。昔の月影は、スチャラカにドヒャひゃひゃなゲバゲバ感覚を注入したみたいなかんじだったわけで、なんか今風にしねぇとだめなんだろうけど、そんなことやったらぢぢいばばあはみないだろうし、というかこの年齢が人数は多いわけだろうし。ともかく、私は見続けるし、実際結構面白いと思っている。フォークローレ調としっとりした映像も悪くないし。まあ、Vシネよくみているわけだから、893の小沢も応援したいし。
 しかし、鬼武者ドラマにしたら大笑いとか思ったりもした。なんかさ、地デジになったら、Wiiであちょちょちょちょとチャンバラに参加できたりしたら、大笑いだよな。