のだめカンタービレ

 麻婆豆腐は飲み物と発言した元祖バカドル若槻千夏の発言をうけて、なんか麻婆ドリンクみたいなのができたらしい。どういう意味で言ったのかわからんが、飲むように食っていたら、太るぞ。いずれ。ワシは、カレーは飲み物と言っていたからな。メシはのどごしが重要、でもって、そのメシののどごしを一番なめらかにスパイシーに味わえるのがカレーだみたいな。よく噛んで食べただけで、とりあえず体重は二桁になった。これ自体15年ぶり以上くらい。第二の目標は、20歳くらいの時の体重だ。ここまではあとだいぶある。それでもけっこうでぶなわけだけど、まあそこまでもどせばそこそこの健康状態になるはずだ。
 ネットをみていたら、各大学のシケプリみたいなのをアップしてあるサイトがあって、著名な社会学者のものなどをみせていただいたのだが、けっこうな大学でも選択肢の付いた穴埋め問題などが出されていて興味深かった。また○×問題なども散見される。岡山時代は、理系の単科大学に非常勤にいっていた際に、授業のあと黒板に穴埋め問題を書いて、これを解答することを出席代わりにしていた。今でもたまにやる。そのノウハウを組み合わせると、小テスト方式になり、ゼミにも導入できるような気がしてきた。知識や考え方を鍛え上げる方式の授業だと、このやり方はけっこう有効だろうとは思う。問題をつくる方の力量も試されるだろう。定期試験ではもちろん持ち込み不可でやるということになるわけだ。ちょっと面白いのは、論述の試験ができない人もけっこう○×式はできたりするのだ。ゲタというわけではないが、一定の救済的な意味を込めて○×式を出題すると言う先生も知っている。
 私の理想は、カンニングのできない、する必要のない試験で、これは岡山時代の同僚の先生から、教わったことだ。「カンニングなんていうものはね、出題者のほうの責任もあるんだよ」と酒飲み話に教えてくれた。その先生は、魔術のような教育術を誇っていた。あらかじめ出題して、徹底して準備させる。その準備に「カンペ」もそれなりに視野に入れている。その上で、見透かしたように練り上げた問題を出題をして、学生の度肝をぬいたりすることもあった。ちょっと思うところあって、『のだめカンタービレ』のドラマを見た。
 「本当はマンガで見たかった」というわけでもなく、「ドラマを見たかった」わけだが、別にサエコをみたかったわけでもない。ドラマでマンガするということなら、あれぢゃね、みたいなことを、友達から聞いたからだ。で、たしかに、モロマンガだった。それも、ドラマ24みたいな予算節約やけくそエッジたちまくりシュールみたいなことではなく、予算潤沢局一押し系のものだから、すごいよな。
 カメラマンになった同級生で、高校時代からアサヒカメラとかに写真乗っけてた変人がいたのだが、そいつが中学の時に描いた絵を思い出した。ルソーが描いたみたいな才気あふれる森の絵のなかに、どでかい蝉が描いてあって、ロゴがミ〜ンミ〜ンとへたくそな字で書いてある。先生は個展を開くような人だったので、怒ることはなかったが、考え込んでいたのを思い出す。いわゆる土井シンドロームというか、世界に一つだけの花系のストーリーで自分の中の宝石探しをあてどなくする人垂涎の設定、守ってくれるからキラッ☆というような状況、遠路はるばる向かいに逝く系などなど、今時チック、マンガチックな設定盛りだくさんで、荒唐無稽もへったくれもあるかいという力強い物語展開、んでもってヲタ系垂涎のうんちくのツボりまくりなどなど、古井由吉みたいな境地が好きがみたら血しぶき噴き上げそうにゲロゲロなのかもしれないけどさ、いろんなものがつなぎ合わされたドラマは、毎回腹の底からマグマのようにパトスがほとばしるような仕掛けがしてあり、んでもってそこに重ね合わせてある音楽もなかなかであったと思います。ラーメン屋のブラボーなオヤジやひっちゃかめっちゃかのヒロインの田舎の家族(なんと時効警察の熊本がいたりするわけだが)という設定が、実に趣味のいいリアルをつくっていたように思います。