『毎日かあさん4』

 アジアカップイラクが勝った。なんかできすぎているような気がしないでもない。イラクではどうなってるんだろう。サッカーどころじゃないのか、それともやっぱり休戦して大騒ぎなのか、ちょっと興味がある。一時は、イランとイラクがやったらどうなるかなどとも思ったりもしたわけだが。日韓戦もすごい熱戦だったけど、なんかヘロヘロになっていて、ミスも多く、ちょっと残念だった。
 日曜日は仕事の編集会議をした。共著書の他に分担執筆する共著原稿が二つあり、そのひとつの〆切りが8月末なのだが、せっかちな私が急いてやっつけちゃったこともあり、できあがった最終草稿を検討した。共著者は古武士のような文体で、こっちはいささか小指がたっているわけだけど、あまり文句が出ない。前はガシガシ直されたわけだけど、なんでだとたずねたら「慣れたのかもしれない」というのは、笑ってしまった。帰って選挙の番組をつけたら、自民党が大敗という。投票率が低いし、どーせかわらねぇよとか思っていたが、かなり驚いた。岡山では「姫のトラ退治」などということが話題になっていたらしいが、自民大物候補が負けたというのは、選挙の強さみたいなものをそれなりに実感していた一人としては驚きだった。今度はこっちに勝たせてみようとか、そういう傾向が出てきたとすれば、それはそれで興味深いけれども、政治イシューがどこまで提示、議論されていたかということからすると、なんかなぁと思う傾向があるのは、大衆社会論に毒されているからかもしれない。

毎日かあさん4 出戻り編

毎日かあさん4 出戻り編

 まあそんなことよりは、本日の大注目は、『毎日かあさん』の第四巻が書店にならんでいたことだ。表紙に「家族がまた四人になった」と書いてあり、飲んだくれてバカモンと離婚された鴨志田穣が復縁してもらったみたいな絵があった。それはたぶん氏ぬってことなのかなぁと思いつつ、真っ先に見たのは、最後のところで、はたして鴨志田が逝くことが描いてある。それがどういうものかは、ネタバレになるし、やっぱり自分で手にとって見るのが一番だと思う。涙腺のゆるい人というか、すぐ人前でも感情の失禁をするような人は、立ち読みはしない方がいいだろう。昔映画を見せられてみんな号泣しているところで、「ばかぢゃねぇの、がはははは」と笑って、先生に胸ぐら掴まれ、「てめぇみたいなのがいるからなぁ・・・」「なんだって言うんだよ」と言って、タコ殴りにされたような私でも、けっこうやばかった。西原理恵子はやっぱりすげぇと思うよ。基本トーンはギャグで通しているからね。はじめから最後まで。その間に魔性な画力で、すごいものが描かれている。人間が存在すると言うことの暴力性みたいなものを、理屈ではなく現実として見続けて、テンパってしまった鴨志田というのは、夭折したとは思うのだが、幸福な椰子だったと言えるだろう。たぶん、鴨志田穣によって、サイバラの作風も相当変化しているように思うし。しかし、なんなんだろうか。これは。
 私は学級会みたいなノリは照れざるを得ない恥ずかしいものであると思うし、選挙がらみの政治談義も正直嘘くせえと思うし、だから「選挙に行くことの恥ずかしさ」と言った某評論家の発言もよくわかる気がするわけだけだけど、サイバラの「お涙頂戴」の描写はシュタッと入ってくる。で、西原理恵子が平生焼きを入れている倉田真由美は最近政治談義などにも登場してがやがややっている。そのへんにヤキを入れながら、ドスのきいた公共性みたいなもの――アホがそういう風にしか表現できないもの――をどう表現するかをみてみたい気はする。