リチャードホールDVD/菊次郎とさき

 昨日体重を量ったら500グラム増えていました。わけわかんないけど、アバウトにやろうと思っております。寝る前に、リチャードホールのDVDを見るのが日課になってきました。笑って寝るのは、なかなかよいことでありますよ。最初のシリーズをあらかた出してから、対談付きのが出ていますけど、後者が圧倒的に面白いですね。栗井ムネ夫じゃないけど、有田さん二度美味しいってカンジでしょうか。アンタッチャブルくりぃむしちゅーの巻においては、有田がメタクソ売り込んでアンタッチャブルがメンツに入ったという話だとか、あと打ち切りになった話だとか、いろいろ話されていて興味深いものがありました。要するに、シモネタが主な原因だが、一番問題だったのは、下衆ヤバ夫と汗のマークの引っ越しセンターだったらしいです。最初は、パンツオフはハプニングだったらしいのですが、そのうちまずオレとか、しまいにはスティンクフェイスだとかまで登場して、わけわかめになっていたことは記憶に新しいものがあります。
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 パンダPは誰かのパロディになった、鬼内輪ウケかと思っていましたところ、実は動物好きの柴田+1人で騒いで自分ウケしている柴田という、素であったということがわかり、かつ柴田が対談の場所でも、馬の視野は350度とか、アリクイのしっぽは頭と区別できないようにできているが横からおそってきたらどうなるとか、恐るべき動物観察眼を披露していて、爆笑でした。馬が10度だけ見えないというのは、トリビアの泉深夜時代のカメの恐るべきカメと、そして陶然とした表情と哀調帯びた声の呼吸に優とも劣らないものがあったように思われます。つーか、あの頃、動物ネタ募集していたのは、もしかすると柴田の単なる趣味だったのかもしれまへんね。
 シャレ山紀信は、最初シャレ山がだシャレやるだけだったのが、やっているうちに調子あわせているうちに、柴田→矢作というターンができて、二段オチ三段オチになり、しまいに矢作がもってったけど、その頃ネタ抱えまくっていた山崎は大助かりというようなことがあったようです。なぜ助かったかという話は、かなり驚嘆すべきもので、ネタはシャレ山なら山崎とか、メインの椰子が主に考えていて、あとの連中は、「ファーストリアクションが面白い」みたいになっていたらしいのですよ。この辺については、カメラワークなどについても若干語って欲しかった気もします。つまり、劇団ひとりの積み木カシャ@レインボーブリッジにおける、リアクション編集の卓抜さはすごいものがあったと思うし。まあともかく、これだけ芸人がネタについて語っているのも珍しく、すごいことになっているように思います。実はDVD途中までしか買っていませんでしたが、全部買わなくてはいけないと思い始めました。
 おぎやはぎで言えば、小木が天才肌で、気難しく、ネタなんかも仕込んでいるのかと思っていたら、実は小木ちゃんは暴走系の空っぽ君で、すべてのネタは矢作が考え、小木は上の空と言うことだったというネタは、びっくりしました。まあ、そういう小木のふらがあって、ギャグができるのだとは思うけど。この番組で、柴田や矢作のものすごいうまさが光ったのも特筆すべきことだと思います。矢作の「間」は、シャレ山などでは、何度も滑ったんだかどうだかわからないのもあるけど、それで笑わせて、かつ天然じゃなくて、技術っぽく思わせるところが、すごいと思う。梅奴の時の「ニュースを読めないアナなぁ〜にぃ」からの「間」は、武知鉄二もぶっ飛ぶ魔性のものだったと言っても大げさじゃないと思うよ。オレは。板尾創路みたいなわけのわかんないフラがあるのとは違うんだよね。アレも余人をもって代え難くあるわけだけど、それがM1史上最低得点みたいだったのは、大笑いするしかないと思う。
 しかし、対談のシーンの有田のカメラ目線は、ねらってやっているのか、素なのか、判別しがたかった。素だったら、うぜぇw。
 でもって、録画で『菊次郎とさき』を見ました。たけしくん、ハイのほうでは、千石規子がパンクな新内などやったりして、怪気炎だったわけで、キャスティングに注目が集まりましたが、がばいばあちゃん吉行和子でして、「たけしを育てた家族」「こんな家族があった」というキャッチコピーとともに、どうするつもりなんだろうと思いつつも、『どこまで演れば気がすむの』なども書いた吉行和子なりのオトシマエがあるだろうと思ったら、初回からあったので笑った。酔って暴れるバカ亭主について、ばあちゃん「さきさんすんまそん、あんなばかたれあたしが紹介しなければこんなことには・・・」さき「もうしょがないっすよ」ばあちゃん「そのうち殺してやるからね」一同「あらま〜」。たけしの語りが、パンダPの柴田と同じくらい素だったのかもしれないわけだし、断じてブラックユーモアとかじゃないということを改めて確信したし、また、同じような境遇に育った私は、非常に懐かしいべしゃりに、思わず落涙しそうになったと言っても、嘘にはならないと思う。こういう「バカ野郎」な世界があるから、菊次郎の無念やさきの執念がリアルに躍動するンぢゃねぇかなと思う。「稼いでいるなら小遣いよこしな」と、カツアゲなみに何十万もボッタくったさきの話とか、原作のツボがふんだんなく拾い上げてあるわけだけど、個人的には意外性な拾いがみてみたい気はする。ただしそんなことしているよりは、ワンパターンにいったほうがテレビ的にはいいんだろうけどね。