ノック伝説にぶっ飛ぶ時効警察

 横山ノック逝く。ナニワのお笑い王、転じてナニワのセクハラ大王と言われちまった逝ってよしな人生は、なんとなく民衆の共感を得る部分があることは間違いようで、他にニュースがあまりなかったことも手伝ってか、シンジラレナーイ巨大な活字でスポーツ新聞で紹介されていた。風呂屋でシャンプーで頭を洗うときに多めにシャンプーをつけて泡で固め、前髪をパンパカパーンにするのが流行ったなぁなどと思った。コメントを寄せそうな人は、いろいろ寄せていたが、上岡龍太郎というのは易々とはコメントしないだろうと思うんだが、どうなんだろうか。この人のダンディズムというか、意気地というか、そういうものはどうなるかは、ちょっと注目している。で、判で押したようなコメントには飽き飽きしていたので、東京スポーツを買ったら、さすがだよね。期待に応えてくれるから。見出し。「横山ノック伝説の○○30センチ」(伏せ字inainaba)。スゲエ大きな活字なんだよ。電車の中で広げられないような。ハゲのオットセイが前が見つけたようなノックさんを思い出して、笑ってしまったのでした。で、時効警察ですが、本日はお待ちかねケラリーノ・サンドロヴィッチの巻。「時効警察です」っていうアナウンス時代ちょけまくりなわけだけど、今日の題目もまあすね者ですよね。

催眠術は、推理小説にはタブーと言っても過言ではないのに・・・

 引っ越してからというもの不眠に悩まされている三日月(麻生久美子)は、タクシーにあったパンフレットで見付けた催眠療法師・スリープ玲子(ともさかりえ)のクリニックへ。なんとスリープ玲子は、三日月と中学で同級生だった卯月玲子だった! まさかの再会に喜ぶ2人。するとそこへ、霧山(オダギリジョー)が突然訪ねてきた。霧山が趣味で捜査し始めた時効事件は、玲子の父で小説家だった卯月善(矢崎滋)の不倫相手・七海奈美(村岡希美)が完全密室で殺された事件だったからだ。善にはアリバイがあったこと、また当時玲子の彼氏だった星野トオル(島田曜蔵)の証言から、霧山は玲子が犯人の可能性もあるとにらんでいた。ところが、三日月は頑として玲子の無実を主張。さらに、いきなり自分が歌手だと言い始めるなど、三日月の様子がおかしくなり…。一方、霧山は真加出(小出早織)に頼まれ、恋人のフリをして彼女の母親に会うことに。ところが霧山が待ち合わせ場所に到着すると、そこには以前から顔見知りの人物がいて…。【脚本・監督 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
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 いきなりさ、ねむれない三日月の爆発ヘアで、ショッカーばりのアクションかと思いきや、ゴミ箱の寓話的シーンに鼻血、一睡もしないで跳ねられて羊という意味わかめな台詞回しリフレインでサネイエの遠景ときたもんだ。わっはははは。サネイエ「かばはヒポポタマスですよ」。走りまくりだな。最初から。サネイエとふせえりのすれ違い会話のあとは、三日月がざるそばひっかぶって、霧山金あるけどぉ、熊本「バカの霧山君、そのお金でこの事件捜査してみたらどうよ」で、はじまりはじまり。で、いきなりバディ。目がクワッと見開いて、血みどろ。ものすげぇ説明的なっつぅか、霧山が説明を読み上げるという鬼べたなやり口は、もはやお約束になっている。最初の証言者、ワンカットごとにヅラ変えてるんだからすごすぎるよな。しかも、すげぇ早くヅラ変わるの。わはははは。
 みかづきともさかりえが旧友だった。ともさか「関取?まぢ?」、三日月「痩せたのよ」。霧山「関取くぅ〜ん」とまあ、爆裂関取呼ばわり。三日月「カレシです」。わけわかんねぇままに、尋問。つーか、「ななみなみ」という被害者の名前自体ふざけているが、「うづきぜん」はわからず、娘のほうも「たえこ」ではなかったりする。関取「結婚はなくはない」。催眠術開始、と思ったら、二人の帰路。ここで霧山は、「昔のアルバムはない??」。そうですか、そういう展開でしたか。もろ関取。萌え〜。「シャクナゲの花をください。五本の束でください」。「大丈夫三日月君」。「新曲よ」。昔、関取とともさかが取り合ったカレシが、イケメンだった、でそこに調査に行くと、イケメンが関取にめたもるふぉ〜ぜ!、イケメン「関取ラブレくれたよな」。
 メシ屋の「多め亭」によるはずが「早め亭」に。スタミナ定食、光速のできあがり。霧山ドン亀状態で、あっとゆう間に追い出されたと思ったら、次に来たときになっていた。「尻山さんでしたっけ?」。すげぇな。ものすげぇえ展開。「あんたも警察」「はい歌手やりながら」つーか、おばはんは、新人のオカンなのかね?つーか、いきなり十文字で、パン買ってきたら亀で、買いに言ったのが十文字で、いきなり三日月がベランダで歌を歌っていて「シャクナゲの花をください。五本の束でください。一昨日きやがれそうですか♪」。「次のアルバムに入れようと思っている」。一同「エエェェ」。サネイエ「ふざけてるんですか?」。三日月「また来てくださいね。ライブ。来月から全国ツアー」。十文字「アレライブだったの」。「そうっす」「いつから歌手になったの?」。「・・・」でまた歌い出す三日月「頭はジャガイモ茹でて食べろお尻は・・・」。と思ったら、三日月は取り調べをしている机の上であり不。「もうおなかいっぱい」。悪い人禿しく拍手。つーか、なんで歌詞が出るの?録画でじっくり見てみないと意味はわからんがね。
 またともさかのオフィス。関取「このまえ星野とおるくんにあったよ。偶然ばったりレコーディングの帰りに」。ともさか「あたしのことなんかゆっていた?」。ともかく父親が殺害されたとき、ともさかは関取とおやつを喰っていたわけだ。これがどう崩されるのか。鑑識で、模型をつくって検証、・・・のはずが、リカちゃん人形みたいなので、ままごとごっこをしている具合になる。しかも、リカちゃん家族までつかってやがんの。霧山が、壊したら、キレまくる鑑識は、もけいをぐしゃぐしゃに。で、ここで、おばちゃんの正体ばれる。「いつからつきあってるの?霧山君は歌手の人とつきあっているのかと思った」。ともさか催眠。「とおるくんと会ったのはウソですね」「ぶくぶく太っていて」「疑っているの」「霧山君が・・・」「なんでも霧山君ね」「そうっす☆」。ここで、もこみTのCFが入ったので、くりびつ。はじめてドラマとシームレスなCFを見た感じがする。まあどうでもいいけどさ。そして、強引に歌手疑惑の説明をしやがった。
 オバハンに仕掛けられ、新人と手をつなぐ霧山と、鬼ばばあ化した三日月。占い師にみてもらう。めちゃくちゃな展開。新人のカレシが人外で、それが殴りに来て、脱兎のごとく逃げる新人で、もうわけわかんねぇよ。でも、何となくつじつまが強引にあっているという、このどーでもいい感がたまらないね。普遍性はあると思うよ。うちのバカ親が今笑いころげているから。まあともかく、どたばたも、すらっぷすちっくも、ぱんくも、なにもかにも、げらげら無意味だぜ、であるのは、速度感と、間合いと、無意味なことばたちの乱舞だけだぜ。それでも十分面白いだろ。そんな謎でしょうか。めちゃくちゃだけど、理屈わかってるんだぜ、思想わかってるんだぜ、がないところが(・∀・)イイ!!といえば、いいよな。
 クマのプーちゃん@大木ちゃんみたいなのと話し合う三日月。と、クビがもげて、日記が出てくる。大きさがちげーぢゃんとか、複雑なことは聞くなっつぅことだな。でもっていきなり時効警察のオチ。密室サウナで氷柱で自殺して、でもって、一緒にいた椰子に濡れ衣をきせようとしたという一方のオチを説明。推理小説の古典的トリックと、伏線などの形式的公式などなどを、完璧小馬鹿にしたネタが駆けめぐる。で、霧山に催眠かけようとするともさか。いろいろな映像がゲラゲラと幻覚のようにあらわれまくる、しまいには暗黒舞踏まで、って、正面にいた人は上野洋子のライブに出ていた人ににているな。「思い出したんでしょ、関取」。しかし、種明かしがすごすぎ。図らずもぬっころしそうになった女の人に催眠をかけ、ゾンビみたいにして、家まで連れて行き、「あなたはここで発見されるの」。ゾンビ「指紋拭き取らないと、ばれるわよ。で、徹底的に証拠隠滅よ」。つーか、ゾンビは気づいていて、愛のために徹底指導。で、絶命。
 関取に催眠術かけて記憶を封印。催眠をとくと催眠が復活し、記憶が封印というのが、洒落ているのかもしれない。しかし、ここで、関取がなんと屁をこくという周到な美学に感激しますた。霧山「これで完全殺人が成立。本格小説も面目躍如」。最後は、霧山が催眠をといて、関取の記憶はまた封印。言いませんよカードでチャンチャン。かと思ったら、そうだ、歌手の催眠を解いていない。そうしたら、ともさか「これ私じゃないのよ」。霧山「え!」。と思ったら、助手がかけていたもの。で、催眠は続き、三日月は歌手を続ける。路上でシャウト「お尻はこんにゃくぶりぶりして食べろ、だばだだばだだばだだばだ♪」。熊本「聞いているとだんだん(・∀・)イイ!!歌に聞こえてくるね」。そしたら、ランク入り、鬼売れまくり。というのは、三日月君の妄想で・・・・。最後は、「マタゾロケムタリー」異常に無意味に、三日月が「昨日のジョン」ってなんだよ。
 トリックがトリックを、催眠が催眠を、思想が思想を、理屈が理屈を、意味が意味を、無意味が無意味を飲み込んで、爆走するドラマは、すごいものがあったと思う。でももしかすると、途中でチャンネル変えた人もいるかもしれない。うちの親は最後までみていたけどね。