声のあやとり@Marshmallow

 今日はセンター試験監督でした。二日目監督は一日に比べるとかなり楽で、申し訳ないような気分です。1日目は、英語や国語があって私の部屋でも50人以上の受験者が会ったようですが、2日目は理科と数学で、多いのでも13人、少ないときは5人でした。おまけに1日目は噂のヒアリングもありますし。運動のため監督中はずっと歩いていましたが、鼻づまりで息があらくなり受験生に不安を与えたのではないか心配です。ちなみにキムタコ、ぢゃなかった木村拓哉さんの特別講義があった部屋です。受験生に教えてやりたくても、教えてあげられなかったのが残念です。監督ノウハウは年々整備されていっていて、むかしとは大違いになってきています。「ポケベル」というナンセンスな語彙も削除されました。また監督者が全体把握とタイムキーパーなどに役割分担されたのもよかったです。ただ、時刻を告げたり、開始や終了を告げたりするときに、監督者全員が壇上に「並び立ち」という語彙には、苦笑してしまいました。「仁王立ち」に見えてしまったからです。で、まにあわないかと思ったMarsh-mallowのライブですが、間に合い入場。2列目があいていたのですが、モッシュ?はさすがに厳しいので、真ん中あたりに座りました。

マーシュ・マロウlive!!「猪突猛進」

2007年1月21日(日)open18:00/start19:00
吉祥寺スターパインズカフェ
猪野陽子、上野洋子、落合さとこ、高田みち子、丸尾めぐみ

 昨年9月のMarshmallowライブでは、「よいお年を!」と高田みち子さんの捨て台詞で爆笑のうちに閉幕だったのですが、今回は紅白の衣装を身にまとい出てきて、「あけおめ!」「衣装は紅白をモチーフに☆」って、いつからお笑いバンドになったんだというかんじでした。おちあいさとこだけは、ガンバ☆とベッキーもぶっ飛ぶようなヴァルネラヴィリティ全開で、ざっくり傷口見えて、元気いっぱいというもうサティスト垂涎なキャラに対して、やる気レスなねーさんたちがねちねちいてまうという構図はなかなかに興趣あふるるものがあり、「だんだんバンドになってきたよね」「まとまってきたよねあたしたち」とおちあいさんが必死にMCするすがたもななかなかにむなしをかしきものがありました。w
 しかし、他の人たちは、まあなんかゆるい生き方だよね。高田みち子さんは、会計兼販売促進部長などと自称し、「マーシュマローの運営はブツ販が支えている」「ブツ買ってくれよ。フォルダ。なんでも使えるよ。便利だよ」とうそぶきながら、「これまでは、めんどうだから自分のCDもってきたことない」っていうし、猪野陽子は「あんたもってきた」ときかれ、ちょっとくちごもりつつも「CDもってきてない」と言い、さらには金曜日のソロライブのチラシが「パンフに入っていたかもしれません」などと言い、しっかり入っていないなど、楽しく生きている感じですね。
 で、猪突猛進というから、猪野陽子さんがパワー全開で、「のらないと帰っちゃうよ」みたいになるのかと思いきや、シャワーキャップみたいなメルヘンな帽子をかぶっていて、首をかしげて歌うさまは、座敷童か、はたまたルーミックワールド@高橋留美子のマンガの大黒様のようというか、なんだろう、だれか・・・と思ったら、たまのちくくん(知久寿焼)みたいで、ほめことばになるかどうかわからんが、なかなかかーいらしいものがありました。好きな食い物を紹介するといういみわかめなメンバー紹介のなかで、落合さとこさんについて「横浜出身だからウニが好き」というだだすべりな親ぢぎゃぐを飛ばし、修復不可能と思われた状況を落合さんがけなげにフォローしようとするのを、「おのれ毎日ウニ喰ったことあるんかい?」「ンナもの、ゲロ吐くだろ」とボコボコにして強引に受けたのには笑いました。上野洋子さんを「酔っぱらい」と紹介したまではいいものの、「あんたんところのメンバーの・・・」とやったら、お客さん数名ウケまくりで、「知ってるのがいるよ。怖いねぇ」とかゆってやがって、「なんだ身内も来ているかよ」と笑ってしまいました。とまあ、スコアもろくにわからないもので、ついついトークばかりおぼえているのですが、曲はいうまでもなくよかったです。
 ヒュルヒュルと舞い狂うメロディーとリズム、凶暴な拍子、不安定で繊細な音の重なり合い、かわった楽器の競演など、このユニットを魂の体言止めで語るときにいろいろなことがあるのでしょうが、オノマトペやことば遊びを駆使した創意工夫に支えられつつも、五人のとても個性的な声質にのって意味を喪失したことばたちが時に響きあい、時に乱れ交わり、時に不協和音を興し、楽器のつくり出すメロディーもリズムも切り裂いて、楽しく、気持ちよくきくものを包んでくれるということを、強く感じるライブでした。なんかあやとりのイメージが浮かびましたが、適切かどうかはあまり自信がありません。つーか、バカな比喩馬路でバカにしないでね。wケイト・ブッシュ「AERIAL(エアリアル)」が一瞬頭をよぎりましたが、それともまただいぶ違うし。
 「おとなしめの曲が多いけど」「ノリノリの方がいいか?」「視聴者参加型とか?」「踊れる曲とか」「アンケートに書いておいてよ」って、どーせまた意地悪な上野洋子さんがイケズするネタみつけぢゃねぇのみたいに思ったのか、まわりのお客さんたちは無反応でした。最後の曲は、アフリカなのか、ネイティブアメリカなのか、何が何だかわからないけど、ぶっ飛びのなかにみんなが「ヒョロヒョロヒョロ〜〜ォ」「ひょひょ!」「ひゅぅひゅぅ」とか、叫び声を上げてゆく曲で、発声法などが、Buffy Sainte-Marieの「Starwalker」を彷彿とさせるものがある。ミュージシャンとおぼしき人びとは、もうノリノリで、暴走スタンバイ状態。しかし、「さあ!いってみよう」とジル・ベッソンのように言われても、一般客は「え?!オレたち叫んでいいの?」「怒られないの?」みたいな感じで、のりきれなかったけど、これノリノリになっちゃったら、馬路抑えきかないんじゃないの?このような狂騒のなかにおいても、独特の微笑を浮かべ、知久君のように顔を傾けていた猪野陽子がとても印象的でした。
 丸尾めぐみさんがアコーディオンを弾く姿は、けっこうツボなんですが、今日は目立たないなぁと思っていたら、最後に上野洋子さんが「丸尾はさぁ、もうじき還暦だしぃ〜」。場内一瞬真空。馬路?もっと若いかと思った、ッツーカンジでしょうか。丸尾さんはいじめまくる上野さんの台詞をひらりとかわし「先に祝ってくれたんだよね☆」って、よく見ると丸尾さんだけ、赤のちゃんちゃんこ仕様。なんだよそういうことだったのか?なんかアドリブのような気もするけど。恒例の?高田みち子さんの捨て台詞は「みなさんお気をつけて」。最後までつれなく肩すかしというところに、むしろ凄みを感じました。ッツーか、ライブだったのに、ついついトークばかり書いてしまうのが、私の哀しさでございますね。