12月10日。ピノチェト逝く。享年91。チリで軍事クーデターを起こし、選挙で選ばれた社会主義政権を倒して、政権についた。圧政と虐殺の代名詞のように語られた。久しぶりにキラパジュンのレコードを出して聞いてみる。フォークローレに関心をもちはじめたのは、ウニャ・ラモスでも、S&Gでもなく、このレコードからだったのを思い出す。大学に入ってすぐの頃、『サンチャゴに雨が降る』をみて、大きなショックを受けて、このレコードを買った。その後も文民府や市民に戦車が迫るの図は何度かみた。
こういうのってどう考えてもやだけど、何度もくり返されていて、フセインもそのうちお陀仏らしいし、でもわけわかめな殺しあいは続くだろうし、他にも・・・、かっこいい理屈は知らないことはないけど、それを携えてカミカゼとして散った人も多数いるわけだし、まったくもって正直わけわかんねぇよとずっと思っていたわけだが、ヴァナキュラーということばにこだわり続けてきた私は、唯一ガルシア・マルケスの『戒厳令下チリ潜入記-ある映画監督の冒険』をつうじて、考えるための足場を保ってきた。
マルケスを一冊も読んでないならば、松岡正剛さんの次の一文を。『サブカルチャーの社会学』を書くときに、「編集」の思想家として知られる松岡さんと親交のあった能勢伊勢雄さんの思想を理解するために集中的に読み、『フラジャイル』といい、書くもの書くもの読むたびに、なんかずっとあとからこの人の後を追かけているカンジがいつもする論者である。ネットサイトの千夜千冊は言うまでもない有名読書サイトと言えるだろう。
「この一族の最初の者は樹につながれ、最後の者は蟻の貪るところとなる」。これは炸裂である。けれども、ここに至るまでが、さらに目が眩む。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0765.html
しかし、調べてみたら、まだマルケス生きているんだな。90歳くらいだよな。ちょっと前に新作出して、その翻訳が今年出たばかりである。つーか、90歳って。w 小説の出だし。「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた」。相手14歳ですからね。犯罪です。しかしこれは小説です。どんなものかは、アマゾンにたくさんレビューがあります。論調はいろいろですが、みんな短すぎると言っていることは同じ。読書家は、実に健啖なのですね。私なんかは、レビュー読んだだけでおなかいっぱいですもの。
わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))
- 作者: ガブリエル・ガルシア=マルケス,木村榮一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 単行本
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最近アクセスがものすごく増えているのだが、ほとんどが働く「おっさん劇場+野見隆明」である。このおっさん絵画販売が本職というのだがホンマカイナ。運動神経だけは抜群だと思っていたが、実は絵画の知識もすごいものがあったりして。だから、著名な監督とも話せたりするんだったりして。というか、これがジミー大西かピカデリー梅田の特殊メイクだったら大笑いだけどな。