平和への祈り:功名が辻最終回と上野洋子

 上野洋子コンサートのことでトラックバックをいただいた。ありがとうございました。あんな書き方になりましたけど、私はほとんどCDもってますし、今回もいち早く予約し、整理番号もHの付いたやつの若い方です(入ったときはまだ最前列もあいておりましたが、後ろに陣取りました)。というわけで、ライブ版やDVDが発売されたら絶対買います。みくしの情報だと、一人の人が帰りしなにカメラマンの人に「出るの?」と聞いたら、「いちお撮っているだけ」と答えたそうです。やっぱいぢわるぢゃん。wこの辺の酷薄さとなげやりっぽさが、ずっと聴き続けてきている理由かと思われますです。今回は、最後の曲を聴いて、人間のこだわり、執着のようなものに疲れた心象風景をみたような気がしましたし、平和への祈りを感じました。そして、ライブ全体の仕掛けをみたような気になりました。閑話休題
 『功名が辻』最終回を録画でみる。前説は前回の復習。三宅アナが丁寧に説明。もう最後だもんね。視聴率20%こえそうだし、おれもやったよな。誉めてやりたいよな。と思っていたかどうかはわからないけど、ノンジャニでもさ、オバハンや、ばあさまがみれば、視聴率あがるっつーことかいな??新国劇はそのへんにそっぽむかれてでダメになったという話だし、前回の20%ごえは利家とまつだっつーからな。子どもが自立して、独立し、鍋でもつつきながら、みている熟年の人たちは、昔はあしたのジョーとかみていた人も、そんな時代もあったねと、みていたのでありましょうか。高知城実写の夫婦の絶景かなには再度ぶっ飛び、そして旦那様ばたり。「左手が動かん」。ここをピックアップした意味をずっと考えたけど、わかんねぇよ。

 城で倒れた一豊(上川隆也)は半身不随となるが、千代(仲間由紀恵)の助けもあって症状は次第に回復する。征夷大将軍となった家康(西田敏行)の孫・千姫と秀頼(石黒英雄)との婚儀が成立。豊臣と徳川があい結び、これで世が治まると安堵する千代に寧々(浅野ゆう子)は、これは戦の始まりと言う。千姫を通じて大坂の情勢を筒抜けとさせる家康の計略だというのだ。やがて家康は将軍の座を嫡子・秀忠(中村梅雀)に譲り、天下が徳川の世襲である事を世に示すとともに、自らの養女を、山内家の跡取りで康豊(玉木宏)の嫡男・忠義に嫁がせる事を約束、「まだやり残した事がある。力を貸してくれ」と言う家康に、一豊は豊臣の滅亡を直感する。
 土佐へ戻り、家臣一同を集め「徳川と豊臣の最後の乱が起きよう。その時は徳川様に従うのじゃ」、そう宣言したなり再び倒れる一豊。その脳裡を駆けめぐるのは、千代との思い出の数々。千代の腕のなかで、一豊は静かに息を引き取る。信長・秀吉・家康と、三英傑に仕え、功名を求めた男の最期だった。髪を下ろし、見性院と名乗った千代は土佐を離れ京に隠居所を持つ。寧々の命により淀(永作博美)を訪ね、秀頼が家康へ臣従するよう説得を試みる千代だったが、終に大坂夏の陣にて淀は戦死。豊臣家の滅亡、さらに一年後、家康逝去。戦国の終わりを見とった千代は、戦死者たちの魂を慰める旅に出る。その足は尾張、一豊と初めて会った懐かしい河原へと向かって行く。
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/komyo/story/index.html

 と思ったらさ、先を見ればよかったんだよな。一豊「オレ槍一本でやってきたのに、手が使えないんじゃ爆(´・ω・`)ショボーンだよな」、千代「殿のはたらきで平和になったから、いらねぇんぢゃね?」。一豊「つまりは用なしっつーこと」。千代「すねるなよ。すねて似合うつらぢゃねえよ。な、だんなさま」。そうだったんだな。しかし、左というのは意味があるのか?とまた小一時間・・・。千代が「旦那様の左手になる」というわけだから、そうなんだろうとは思うが、どうしても思い出してしまうのが、「神の左手悪魔の右手」。まさかね。一豊がグァシとかやったら、笑うけどな。ワシこれできるのけっこう自慢です。グァシ。それはともかく、考えてみるとイメージ豊富な作品だったと思う。左手といい、最後の河原といい、あるいは相撲虐殺といい、そしてもちろん六平太の鉄砲玉といい。
 とそこへ前田吟の息子登場。前田吟オーボケで、同じ言葉をくり返す。そのカオが、働くおっさん劇場野見隆明のようで、大笑いだった。しかし、この息子の医者の大仰な力みかえった演技はなんなんだよ。わけわかんないよ。つーか、このころ脳梗塞のことがわかっていたのか?でもって、千姫ネタ。このネタとしては、遠藤周作先生がよほど好きだったのか、そこらじゅうに書いているうそこねたしかしらねぇんだけどね。w 寧々「まだ戦だから、トサノカミどの死んではなりませぬ」。っつーか、なりませぬ多いよな。確信犯かな。w堀尾家、中村家の事情を語る三宅の押し殺した名調子。ワハハハハ。やり過ぎだ三宅っつーかんじ。
 で、猪八戒は秀忠に天下を譲るわけだが、これがあれねよよよいよよよいよよよいめでてぇなの伝七親分梅の助の息子。いっしょの飲み屋になったことあるよ。吉祥寺で。しかしなんだよ、この緊張しまくった絶句は。なんか意味があるのか?この演出は??一本槍が、「徳川に従う」と目に涙で宣言。そのあと逝く。赤い夕日。え、まだ生きている。なかなかしなねぇぢゃんか。w走馬燈桶狭間槍もってジャンプの図。矢をうけて猪八戒に助けられたときのこと。そして関ヶ原。もう映像的体言止めの嵐。そして、そして、河原の映像は、最初っから最後まで計算ずくだったんだぜというわけだろうけどさ、アドリブもあっただろ?え?どうなのよって感じながら、続く体言止めの嵐。で、氏んで、そして猪八戒のたそがれ。
 最後のひと盛りに、眼狐淀君との戦い。永作博美も、思ったより歌舞伎まくらなかったけど、秀吉の口臭ネタは一生忘れないと思う。で、上洛した秀頼の若さに猪八戒嫉妬という理屈付け。いびり倒して、大阪冬の陣、夏の陣。ここでもイメージがツツツと通ってくる仕掛け、そこら中でイメージがツツツと通っているんだぜ、体言止めとかバカにするなら、ツツツと通してみろよ。っつーか、通ってるもの全部いえねぇだろ。でもさ、楽しんでもらえば、満足だよってかんじでしょうか。大石静さんは。最後の最後、天下はわたさん、ならぬならぬと大騒ぎするのを、もはやこれまでという家来がドスで刺す。マジかよ?これって。寧々と千代、二人尼さんのばあさんが語る。「これで戦はなくなる。女が男と手を携え、世を拓いていくのはこれで終わるのかもしれない」。これがキメなんだろうな。これを言わせたかったんだな。わかったよ。みとどけたよ。おれは。と思った。
 しかし、これに終わりにしないで、大サービス。猪八戒の氏。前田吟ばかりでなく、猪八戒まで野見隆明状態。wそして幕府は続く。そして、最後は千代一人。しかし、やはり青春はまぶしいよな。河原のシーンは、50歳にもなるとさすがにじーんとする。と思ったら、最後の最後に大サービス。河原のシーン。ガキがさ、仲間にかわってやがんの。わはははははは。ここで力業の桂浜、キメぜりふの「旦那様」という寓話的映像。〆は三宅アナ。平和への祈りがこめられていた。