避けて通れぬホロコースト

 まあやる前からわかっていた桂浜の悲劇。日曜の八時に国営放送でどうやるんだろうと思ってみていたわけだが、やっぱべたに予想通りなカンジもしますけど、いよいよそこに話は回ってきまして。
 猪八戒「えいえいお〜!」。でもさ、淀君の家来なんだよ。まだ。まだまだ敵がいるし。一豊の入った土佐も昔の領主の家来がいて馬路やばい。ここで登場六平太@香川照之。渾身の演技がみられるものと期待するのでございますよ。つーかさ、やっぱ逝ってよしのパターンぢゃんか。儚く、せつなく、しかしクールに散る六平太っつーことだろうな。千代の父を殺した弾丸というのは、あざといまでに露骨な表現力を持った、単純でわかりやすいオブジェだけどさ、岸辺一徳を尊敬するというこの役者がまあともかくどう演じてみせるのか。

 「早う土佐を平定してくれんと江戸へ戻れん」、家康(西田敏行)に言われた一豊(上川隆也)は、相撲の大試合に集まった一領具足の長を残らず討ち取るという六平太(香川照之)の策を受け入れる。轟く銃声に試合場の浜へ急ぐ千代(仲間由紀恵)。「これで土佐と千代は安泰だ」、六平太は千代の腕のなかで息絶えた。「大勢の者が死なねばならぬのは何故ですか?」涙を流す千代は、一豊に暇をいただきたいと申し出た。
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/komyo/story/index.html

 千代撃たれる。撃った椰子は、あれじゃん。IWGPの窪塚のおやぢ。「ちそこあらってはいらねぇとぶっ飛ばすぞ」「吉岡ぁ〜〜893とやばくなったとき、あいだに入ったの誰だ」のおやぢ。ツーか、この親ぢが連れている意味ありげな娘は誰なのよ??「おとうがつかまったきぃ」「なんぜよ」。六平太「打ち首はぬるい。貼り付けにしろよ」。成長して政治を理解するようになった、っつーか腹括った一豊「そうしろ」。千代「打ち首まぬがれたの?」。朴念仁「貼り付けだよ。見せしめだよ」。千代「かわいそうぢゃん。年貢とったら、逆らうぜ。どうにかならねぇの?分け与えてやれよ」。朴念仁「だ〜め」。開墾など懐柔的な経済政策を出す千代。
 ここで青白く萌え、強攻策をすすめる六平太。クピドの悪戯もぶっ飛ぶようなすげぇメイク。「メイクはアレだけど、今日のオレは芸が細かいぜ、しかも歌舞伎まくるぜ」とばかりに、毅然としのぶ気持を峻立させる。かっちょいい。なんか筒井道隆の好演を思い出した。六平太粛清しまくり。「やらないと、徳川にやられちゃうよ??黒田もやべぇんだよ。ここに福島とかついたら、やばいよ。ともかく築城の許しをもらいに行って、真意確かめてきなよ」。お茶の間で、理屈をこねるおやぢたちの姿が目に浮かぶよう。
 猪八戒「土佐が収まったら江戸に戻る。でも、なかなかだめだな。(だめなら切っちゃうよ)。それに急がないと黒田が来るよ」。寸刻を争うことを知る朴念仁。六平太「ご決断を」。朴念仁「根絶やしにしろ。策は」。六平太「あるけど、千代には内緒だよ」。バカ兄弟「うんうん」。六平太「あいつ等みんなすもう好きだから、桂浜ですもうとかゆったら馬鹿面さげてくるよ。そうして集めておいて、鉄砲で一斉射撃☆」。「やばすぎるよ」。「今やらないとダメだよ。まかせろよ」。朴念仁「そんなガキみたいな策にのってくるか?」。六平太「けものにも知恵はある、しかし人にはけものにはないものがある。勇気でござる。あいつ等勇気はあるけど、知恵はねぇよ」。一豊「罠にはめたら、あとあとまでやばくね?」。六平太「子々孫々よりさ、今は目先だよ」。決断し、ボロ雑巾のように泥酔してかえる一豊「どーせオレは悪なんだ、くだらないヤツなんだ。人情モナにもなく、ぬっころして、功名をとるようなやつなんだ」。要するに、あんまり偉くなるもんぢゃねぇよってことなのかね??それはそうだよな。ここで、貸しはがしをした日々を思い出した銀行員のおとうさんたちもいるでしょう。w
 ここでも、シバ&おおいしの歴史観がゆらめいていて、石田三成明智光秀の姿が浮かび上がるって仕掛けなんでしょうかね。と思ったら、朴念仁が、弱い弱い自分を鼓舞して、おれもさ、決断した漢さ、なめんなよごるぁああ、比叡山再現してやるよ、みてろよ、今さ、信長になってやるからさと言わんばかりに、謡い舞い狂う。べろんべろんに泥酔して、ゲロゲロに吐き気のするような鬼くだらないトラップは始まり始まり。でもって、アホな椰子らがみんな来ちゃったわけね。すもう好きが集まってぬっころされるという、笑えるくらい馬鹿馬鹿しいホロコーストに、スタッフの激しい気持が伝わってきた。w
 (・∀・)イイ!!と誉めようと思ったら、いきなり一斉射撃に、そこへ・・・なぁ〜〜んと、ドンドドンドと太鼓の乱れ打ち。わははははは。ありえるかぁああ???こりゃあまるで、いきいきて神軍か、はたまたA女E女か、っつーか、さすがにワロタ。ここまでくだらなく描く必要もない気もしたけど、意図はわかるよ。幾重にも知恵をめぐらして、お茶の間の反感を防ぐ大石静と、熱演する香川照之。屍ころがる浜に来る千代。六平太「安泰だ」。そして、弾丸キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!。露骨なまでにわかりやすく「千代を守る」リフレイン。六平太歌舞伎まくって「忍は、カゲに行きカゲに死ぬ。さらばぢゃ」。なんと弾丸には毒が仕込んであって、ガリッと噛む。でもって、最後に千代に「好きだ」とコクってしぬ。イイシーンだけどさ、正直ここまでやるとむちゃくちゃでござりまするがな。でも悪くはないよ。うん。けっこうじーんと来たぞ。
 で、クビの塩漬けは、ギリギリ暗示してカットなんでしょうね。と思ったら、朴念仁登場。浄化する前田吟。しかし、怒り狂う千代。「狸が怖いのかよ。ばかやろう。くだらねぇよ」。ひつこく六平太の回想。ここで、「出会いのころ」の顛末が暗示されているんだろうな。千代「暇クレ」。波の音で、ちゃんちゃん。来週は「功名の果て」って、いったいどうオチつけるんだろう。ばっくれてちゃんちゃんはわかるけどさ。最後に桂浜の闘犬場の案内して、お犬様のきゃんたまおお写しにして、世の中このきゃん玉よりくだらないっつーことで、特別に井手らっきょ他の闘犬やったら大笑いだったけどな。