もう朴念仁とは言わせない

 関白vs太閤の構図をわかりやすく提示。気づかぬうちに千代が銅像みたいな髪型になっていて笑いますた。前田吟養子にあと次がせたらやばいよ。豊臣みたいにになったらやばいよ。どっちの味方するかきめとかないとやばいよ」と進言。秀次は、うつけというより、お人好しっぽく描かれる。一転して、淀君と寧々の火花スパーク。テンぱった秀吉は、子煩悩に暴走するが、生かさぬよう殺さぬようみたいな統治論のうんちくをかます。が、それも子煩悩が背後にあるという、なんともにんとも。しかし、まあこれは政治一般のわかりやすいパロディで、お茶の間でのうんちくかましどころっつぅことでしょうか。
 場面かわって、淀君の密談。淀君「年寄りいやぢゃ。身体も息も、氏のにほひがする。いやぢゃいやぢゃ」。なりませぬ仕様尼「なりませぬ。気合い入れて関白滅ぼせよ」。淀君と光成「関白逝ってよし。側室つくりまくってどうしようもねぇんだよ」。太閤「大丈夫だよ。あいつにろくなことできないよ。わしが一番よく知っているよ」。ここで登場したのは、喧嘩最強石倉三郎。こいつなんの役だったっけ??わすれちったよ。石倉「若返るから、虎を喰うなどとぬかした、猿も老いた。あいつは、もうだめぽ。わしは引退する」。家督を譲られる前野景定。こいつがまあ関白への忠義ごりごり。石倉三郎が「関白譲って、一武将に戻るとゆうようにゆえ」というのに、キレてやがんの。これやべえぢゃん。太閤「若君とおまえの娘とけっこんさせたらどう?」と秀次に言うが、秀次「元服したらな」と無神経なことば。太閤「さがれ」。関白家臣vs近江派という構図。政策論争ならぬ政略論争のし。ロンブー、生瀬勝久、朴念仁で密談。
 こいつ等はまあフレクシブルなんだが、前野たち側近はキレまくっていてもうどうしようもねぇってことだわな。家来「あのガキ太閤の子どもだと思ってんの??ちげーんだよ。おかしいとおもわねぇの?」。関白「馬路??それやべーぢゃん」。秀次が秀吉のところに行ったとき、ガキを抱いたら、泣き出した。淀君ニヤッとする。って、こいつが泣くように訓練したのか??秀次ベタに淀君と光成の悪口。オワタな。あ〜あ。でもって帰って朝からやけ酒の大馬鹿野郎は、むなしい権勢自慢。典型的な小物。こりゃあもう自業自得だな。「わしに武勇がないからか?」。朴念仁と千代が忠告しているのに、関白とか後継にぎゃあぎゃあゆう線の細い文人派まがい。一豊もさすがに暗に引退をすすめるがあきまへんということで、千代と二人で太閤に会いに行くが、「関白かばっているとやばいよ」光成に追い返される。千代「関白ほめてやれと太閤に伝えてくれよ」。
 若手バカ家来が、生瀬、ロンブー、朴念仁をつるし上げる。で、しょうがねぇっつぅことで、謀反の準備、皇室への根回しとか、歌いまくる。もう末期的。で、謀反の噂が広まって、まぢやべーと千代が寧々に根回しに行くけど、「朝廷に献金したんだから、もうだめだよ。もう関わらない方がいいよ」。光成も一豊に「関白を返上しろ」と。この椰子もまあ悪いやつではないんだろうな。淀君のなりませぬに「えーかげんにせえや」と喝入れているしさ。ただ、合理的すぎて、若干きめ細かさにかけるんだろうけどな。理屈は超一流ってことだね。利害を普遍化しているし。新しい解釈。ここもうんちくかましどころだわな。一豊も、昔みたいにアホじゃないし、よくわかっている。しかし、暴走する関白バカ家来。おおおお六平太こと香川照之が天井から降臨。槍でだれぢゃとぶっとさす一豊。六平太「血判状もったバカ家来つかまった」。一豊「まぢ?!あちゃぁ〜〜〜、やばすぎ。もうダメポ。オワタ」。関白しょっ引く役は一豊。苦悩する一豊。もう朴念仁ではない。このあたりは上川隆也好演というべきでしょうね。成宮寛貴も、線の細さを好演していたんだろうな。そーいや、ごくせんでも仲間といっしょなわけだが。
 いちおうガキを出家させ、家督は弟にして、千代が京都に行くという伏線になっているんだろうね。この辺は。誰が書いても同じようなことになるところで、大石静さんはどう描くのだろうと、思っていた。一応石倉三郎でもって、味を出すってことになっているわけですけど、またぞろ誰かの恋愛ごとかと思ったんだよね。さすがにコマがたりなかったかね。一豊と千代の描き方が、先日のロマンス騒動を意識した筆致になって行くかはちょっと楽しみかもしれない。