近江者と日本の近代化w

 草稿第3次まで完了。ここで一区切りであとは共著者と編集者にぼこぼこに言われてなおし、さらに校正者からものすごいツッコミが入りまくり、最終的に仕上げてゆくことになる。その前にもう少し描き込むか、実はちょっと迷っている。各章の論述にばらつきがあるのだ。最初に視点と枠組みをきっちりと書いて、もう少し加除筆すると、ピシッと気持ちのいい文章になってくるように思うのではあるが、先へ先へ進行しないとさ。だって、9月に出る予定だったんだからさ。わははは。ともかく、アバウトな私には、格好の本屋さんだと思っている。日曜日は元町プール今年度最終日。がんばって、3000メートル泳いだ。不幸があったので、夜は中華街で喰う。海鮮料理と饅頭やお菓子で有名な店で、蟹子入りフカヒレスープと海鮮焼きそば。前者は美味かった。フカヒレもそれなりの質のところだったし。
 で、本日の功名が辻。旭逝く。女太閤記のときは、泉ピン子は徳川でけっこう大事にされたみたいな感じで、他方川谷拓三はレロレロだったんだが、今回はのっけから猪八戒が「肌を合わせるのはわしゾ」と老獪なところをみせていて、大事にされたもへったくれもない展開のなか、甚兵衛がオトシマエつけるみたいな展開で、たぶんこっちのほうが庶民感情的には腑に落ちるものがあるかなぁと思ったりもする。みてみないと、大石静さんの感情オペレーションはわかんねぇけど。ッツーか、北条責めなのに旭と野口五郎の話になっちゃうところが、すでに大石ってかんじもしますけどね。wっつーことでまずあらすじ。

第35回「北条攻め」(9月3日放送分)
京の町で千代(仲間由紀恵)は甚兵衛(野口五郎)に出会う。千代の働きにより旭(松本明子)と面会した甚兵衛は死の床にある旭に最後の言葉をかける。旭はほどなく没し甚兵衛も自ら命を絶つこととなる。一豊(上川隆也)は秀次(成宮寛貴)軍に属し、小田原の北条攻めへ出陣。秀吉(柄本明)得意の籠城戦に北条も開城、一豊は遠州掛川五万石を賜る。関東を与えられた家康(西田敏行)への押さえとしての配置だった。
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/komyo/story/index.html

 千代がとりあえず甚兵衛ハケーン。道ばたで針を売っている甚兵衛に声かける千代。旭の手紙を渡す。甚兵衛オラシラネ。でも千代手紙を渡す。旭は大阪に戻って、城でふせっている。一豊「声をかけぬのが武士の情けだろ。旭だって、病気でやつれた姿をみられたくねぇだろ」と、一本気のわりにはきれい事ですませるチキンな朴念仁。やっぱ、千代のほうがビシッと股ぐら一本スジ通っているオトシマエつきまくりの図。手紙読む甚兵衛。旭「生きてくれよ。がんばれよ」。甚兵衛嗚呼。音楽歌舞伎まくる。なりふり構わぬ扇情。まあこれも最近はパンクに思えてくる。w
 千代は北の政所に「甚兵衛を知る商人がいるから、会わせてやってくれ」と願う。菅井きんとかいるし、みんなわかってて会わせる。甚兵衛を知る商人手紙を読む。わはははは。すげぇ。やりたい放題。古館伊知朗の一枚の手紙みてーぢゃんかよ。野口五郎「いつまでも待っておるぞ」と魂のシャウト。ロマンティックな交響楽。旭「じんべえさん☆」、でいきなりお経。いきなりなんまいだ。わははははは。死んだのを知った甚兵衛「針はいらんかねぇ。あさひいいいい」と絶叫。よっしゃあ「逝ってよし!」という呼吸。すげえテンポにぶっ飛ぶ。ウディ・アレンが冷酷なハッピーエンドなら、これはぬるい悲劇だろうか。
 場面は変わって、朴念仁「戦じゃ」とじょーきげん。そこへ、千代が戦略の図を解説。一豊「詳しいのお」。で、「肌を合わせるのはわしゾ」の猪八戒登場「急いては事をし損じる」。うーん。べただけど、お茶の間の会話はすすむよな。かたや大阪城。密室談合政治から近代的なパワーポリティックス論を説く光成。わかりやすい再評価で、またまたうんちくがはずみますな。さらに、茶々。っつーかもうおなかいっぱい。w
 突然秀吉が一豊のところに「酒のもうや」とくる。食えない猪八戒と織田のガキが密談しているところに乗り込む。食えない猿と猪八戒のガチンコ勝負はおあずけ。虚々実々のかけひきで、「関八州やるよ」というさる。さるたちション。つきあう猪八戒。さる「東海もらうよ」。とまあ、とりあえずきゃいーんとゆったかどうかわからんが、猪八戒「さるめ。情において、にくいのぉ」。酒一緒に飲んだとき勝負が決まっていたらしい。意趣返しの連れションだが、ひっかけちゃいますた。そんなかんじか。ッツーか、わりに難しいけど、見せ所だったんだな。
 茶々と千代が会話するなかで、光成の経済政策についても、しゃらっと賞賛。自慢げに語る茶々。戦争に対する嫌悪感と経済政策と思慕のようなものが、混じり合った感情の化学を達者にこなしている茶々は、千代に「おめーも近江もんだろ」と。ここで、市から続く一つの糸がピシッと通ってぞくぞくってことだろうね。「近江者」のはたらきなどについて、うんちくかましどころだろうね。社会学者なんかは、内藤かんじ先生などを引用しながら、語るところかもしれねぇな。
 掛川もらった一豊は、千代にまた戦略講義を受ける。猪八戒は江戸という座敷牢に入れられた。殿は、牢番。「いじわるくしちゃだめだぜ」と、例の掛川の一件の伏線をもうかましているのでありました。しかし、来週は久々に香川照之降臨のもよう。