諦めの毅然

 盆休みで横浜。弟一家とかも来ていて、結局中華街へ。楽園に行きまして、アサリやニガウリなど夏に美味いものをいろいろ喰いマスタ。弟はカエルが喰いたそうだったけど、食べられる人が少ないので断念。まあやっぱ美味いッスヨね。帰宅後、久々の功名が辻リアル鑑賞。功名が辻の脚本家からして、家康に旭が嫁ぐ件についてはガッツリ描くだろうと思っておりましたが、ようやくその回を迎えた次第でございまして、どういう切り口を見せてくれるか、楽しみなものがございます。

家康(西田敏行)を上洛させる為、秀吉(柄本明)は妹・旭(松本明子)を甚兵衛(野口五郎)から離縁させ家康へ嫁がせんと企む。千代(仲間由紀恵)は寧々(浅野ゆう子)に助力を要請されるが、旭を長浜にかくまおうとする。家康への婚儀申し入れの任を受ける一豊(上川隆也)。千代にこれ以上の騒ぎだては許さぬという秀吉の無言の命だ。家康は一豊に「関白の妹はいらぬ。千代殿をもらいたい」とふっかける。
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/komyo/story/index.html

 いきなり寧々登場。見舞いかと思ったら、秘策の相談。「賢いソナタならよい知恵があるじゃないかと」。まぢかよ。そんな相談するもんかふつう。一豊「うえさまも、ねねさまもかわっちまったな」。千代「どうにかなんねぇもんかな。侍にしたオトシマエつけねぇとさ」。一豊「もうだめぽ」。
 で、千代は菅井きんにちくるわけだが、菅井きんも人質になっちゃうんだよなたしか。でもおっかあは「とーきちろうぶんなぐってやる」「さるかとおもったら、さるのかおをしたおにぢゃ」。大騒ぎ。菅井きん「わしがいっちゃる」。さる「もらってくれねぇよ」。その頃千代は旭に「ばっくれろよ。長浜にかくまってやるよ」。旭「それじゃあさるにやられちゃうよ」。そりゃそうだな。ッツーか、スゲェドラマにするよな。一応リアルだからいいけどさ。
 秀吉「大名にしてやるから旭離縁しろ」。野口五郎「五万石でうれっつーの、しどい」。つーか、ねねも肝っ玉すわりまくりだよな。野口五郎の捨て台詞「五万石いらねーよ。ただでやるよ」。もう一人の一本気が、命令されたっつーこと。で、もう一人の狸おやぢ「千代くれっつったらどーするよ」。顔色変わる一豊。「正直な男よのぉ。ざれごとぢゃ。ほほほほほ」。一豊ぽかーん。なんかはじめてスナックでカラオケやったときに、ベテランのお客さんやママさんたちに「ボクちゃん」とかゆわれて、からかわれたというか、親切にしてもらったというか、そういうことを思い出す。
 家康狸御殿会話。家康「もらっておこう。このくらいではあらそわないほうがいい」。家来「このくらいとはなつーこというのよ。ごるぁああ」。家康「肌を合わせるのはこのわしぞ」。家来ぽかーん。
 旭のあきらめのなかの毅然とオトシマエを描いたってことかな。人情と計算。弱みと強さ。へろへろと毅然。などなど、わかりやすくドラマのへそが浮かび上がる。でもって、いろんなところでキーマンとして、相談されたり、頼まれたりするのが、千代だったりするってことでしょう。いずれにしても、松本明子は好演だよね。赤城春恵と泉ピン子の人質コンビともちがう味わいがある。まあさ、あきらめとかゆうと、敗北主義とか言う人もいるんだろうし、中島みゆき「ファイト」も「男に生まれりゃよかったわ」などと歌っているわけだけど、あきらめの毅然は別に男も女もないんじゃないかと思う。いろんな理由で「上京」しなかった学生たちの毅然を私は知っている。それは、「洋行」できなかった私には、甘美な言い訳の口実を与えてくれるような気もする。
 と思ったら、いきなり白装束「このわしぞ」猪八戒。なかなかの手練れ。でも上洛しねーの。わはははは。「狸めぇ」。困り果てた秀吉はねねをいかそうと思ったところで、菅井きん「わしがいっちゃる」。蜂須賀小六激怒。で、おっかあが蜂須賀小六に大感謝。小六逝った。まぢ?? おっかあがいって、めでたしめでたし、猪八戒は来ることになった。頭下げに来た家康に土下座して根回しさる。しかし、エバリまくってけじめとろうとする。が、狸はただもんじゃない。「陣羽織くれよ。兵馬の労は折れがとってやるからさ。まかせてくれよ」。家康も土下座しながら、きっちりけじめとった。「潮目をみることができるっつーのが政治家というものだ」と仕事師の親たちは、お茶の間でうんちくかましたりしているんだろうね。