怨み屋本舗のドラマトゥルギー

 カメが相手の前に首を差し出すと、相手がポカポカポカと殴ることがくりかえされるなかで、ときおりカミソリのようなコンビネーションブローが練習したんやみたいな少年の叫びのようにして炸裂し、しかし殺し屋1のようにぶったおすわけじゃなく、すぐまた頭だしてうってちょうだいというような試合の残像がいまだに残っていて、「ふがいないや」の残響と交響して、なんかペーソスすら感じるんだけど、平均40%、瞬間50%ごえという猛烈な視聴率もさることながら、あの2chにおいて多くの人が「こんなもの」と批判する論拠として、馬路つええやつに注目しだしたのは、亀田興毅の功績だろう。ボクシング協会はまたとないチャンスを得たとも言える。けじめつける仕切り人が欲しいよね。
 ともかく論拠としての映像が多数みることができたのは、棚ぼただった。ちゃねらーが驚異的な調査力で映像を探してきた。某サイトはじめビデオサイトにみたくてもみられなかったような試合の映像なんかが多数アップされている。なかでもグーグルにアップされたPrinceことハメドの映像は、テクノに編集されていてかっこよかった。こんにゃくみたいなスウェイなど上体や首の動きだけでパンチをかわすという眼の良さ、フェザークラスとは思えないものスゲーパンチ、そしてえげつないパフォーマンスとファイトスタイルなど、萌え萌えなものがございます。じゃあ、ヘクター・カマチョはあるかと思って調べたけどそれはなかった。
 今更ドラマトゥルギーってなんだよとか言われそうだけど、ぼくらの世代にとっちゃけっこう自由なことばだったんだよね。怨み屋本舗のドラマ性は、勧善懲悪とか、あるいはピカレスクロマンとか、そんなところに安直に落とし込むんじゃなく、それなりの陰影をつけて、そのアンバランスに現代社会の問題をえぐるという、そんな意味で「社会派」を主張するッテことなんだと思う。片桐はいりの回も、小市民的な幸福に起因する憎悪をたぎらせて、暴走し、犬のンコでいやがらせをしたというのを一方で描きつつ、他方でそれに怨み屋頼んで、値切って、はんちくな怨みはらしをして、最後に怨み屋に「ふつうあのくらいでは怨み屋に頼んだりしないわ」などとけじめとられるということでありまして、仕掛け人などにあったカタルシスはないんだよね。
 そのかわりに木下あゆ美のスタイリッシュなパフォーマンスががっつりうちだされるという仕掛けになっている。その辺の方向性のあり方が、ちょっと入り乱れていて、あてずっぽっぽいところがあって、理解できない面もあるのだが、もう少しみてみないと制作意図みたいなものが見えてこないのかもしれない。原作では怨み屋の両面もあるみたいだし。ただまあ、「殺し屋1」のように隠花植物のようなくずな野郎の深層の殺意が突然スタンビートするというような仕掛けでもなく、また「めだか」の「ですよね!」というミムラの弱々しい笑顔がそれなりにキラキラ輝いてゆくだとか、今日的な「ふがいないね」系のドラマがここに図式的に描かれているワケじゃなく、そういう意味で独創的だとは思う。今日のドラマもそうですね。HPより。本日のあらすじ。

 人気ゲームソフトの主役キャラクター「電脳探偵K」を演じる漆原正太郎(黒田勇樹)は、売出し中の若手俳優。ある日、帰宅途中にブスでデブな女・下北リカコにスタンガンで襲われ、気がつくと部屋で全裸にされていた。しかも横には同じく全裸のリカコの姿が!「電脳探偵Kと私は結ばれる運命」と思い込んでいるリカコは、漆原の引越し先まで突き止め、追いかけて来る。執拗なストーカー行為に苦しんだ漆原は、飛び込んだ公衆電話に貼られた黒い名刺を見つけ、怨み屋に助けを求める。

 あいかわらずわけわかめな強引な進行で、「電脳探偵」「下北リカコ」なんて文言がパンクにげらげらしているというのは、さすがテレ東という感じだよね。下北なんて、下北GLORY DAYSにあやかっているんだろうが、だったら村上知子森三中山瀬まみしたみたいなのを出すんじゃなく、安達ゆみかあたりをもってきて、じっとり暗くやってくれたら、その筋のマニア垂涎だったんじゃないだろうかと、ボクは思うのだが。ブスっちゃこの前昼間にブスカワイイ人集めて、スマップの番組みしていて、ワンオブブスとのからみをもとめられた稲垣吾郎ちゃんが、折れはブスコイだぜみたいに歌舞伎まくり、暴走して、ブチュっとやっちまって、「ついつい」とか独特の笑みを浮かべたときに、中居君やキムタコがどんびきで、あちゃちゃ稲垣メンバーやっちまったよみたいなかんじで笑えたけど、ボク的にはあの番組は萌え萌えでしたね。それはともかく、怨み屋本舗ッテ視聴率高かったのか?おちょけた野田刑事ブログ@公式サイトにあった。笑ったぜこれは。

渋谷南警察署の羊の皮をかぶったヤギ、野田修一です。

祝!高視聴率!
オメデトウ!ワーイワーイ、パチパチ!
やはりこの超攻撃的テーマが、腐敗しきった東京砂漠に一喝入れている表れなのだろうか?

しかしそんな皆の頑張りとは裏腹に、実のところ我々刑事は全然活躍していない。
走り回ったり聞き込みをしたりと肉体的には頑張っているのだけど、ここまでなんの事件も解決できていないダメっぶり。
ロングの黒髪の女とは結構遭遇してるんだけどなぁ・・・
警部の“悪の匂いセンサー”もそろそろオーバーホールが必要だ。

視聴率がもう少し上がると、ロケ弁が某高級焼き肉店の豪華弁当へアップグレードになるという噂があるとかないとか。

 書き出しといい、チンパンニュースチャンネルぱくった締めくくりといい、なんつーか、大学の文化祭的というか、大学サークル的なノリで、しかも内輪ウケありありでアフターバーナー全開で、チープっぽくおちょけているのが、なかなかえもいわれぬ味わいになっているように思う。前回のやばいシーン撮影で通報されますたというのもワロタけどね。しかし「某高級焼き肉店の豪華弁当」なんてあるの?ふーん。喰ってみたいじゃんとかおもったけどね。あとは夜。というか、みなくてもブログなんていくらでもかけるよな。w
 学会ニュースが来ていた。さっそく新入会員を確認したら、こんとらくちおさんが無事入会し、かつ希望どおりの掲載のされ方で何よりだった。お名前は筆名で、山本七平ことイザヤベンダサンが「いざや便出さん」をもじったのと同様に、「suck it tight」をもじったのかといままでずっと思っていたが、どうも違うようだ。だいたいいままで口に出さなかった理由として、もじり方がどう考えてもご本人の美学に反するような気もしていたことがある。また英語もちょっとおかしい気もするし。まあしかし、学会登録が本名と決まったわけでもないかもしれない。