高木小ブー誕生?@次長課長

 タンメンだけかと思っていたが、ヘタレの井上に熱血貧乏の河本、そしてなんてったってもっこりもこみちと人気を二分とまで言われるオダギリジョーの同級生ということでさらに注目を集め、そして昨今はおちょけで新境地を開拓しつつある次長課長ではあるものの、実はコントはシュールすぎて一度も理解できませんでした。というよりは笑ったことなかったんすけど、今日のエンタの神様には鬼笑ってしまいました。ネタは自殺志願者。釣りをしている学生=井上。自殺したいという貧乏くさいおやぢがあらわれて、わけわかめなことやるんだろうどーせとか思ってみていたら、これがぶっ飛び。
 釣り糸がぴくぴく。ンでもって大物が釣れた。え?そしたら、ザバッとでかいの。なにかと思ったら、ずぶ濡れの背広着衣のオサーン=河本。地獄少年うしみつ君が水木しげる仕様のとっつぁんになったみたいなのというか、なんつーか、高木ブーの若い頃というか、高木小ブーというか。w 井上「おっさんなにやってんだよ」河本「自殺しようと思ったんだよ。なんでこの世に戻すんだよ」井上「おっさんが食いついたんだろ」河本「あー死ぬかと思った。おまえなんだ?」。井上「学生」河本「学生やったらコンパとかすルンやろな。懐かしいな。コンパ。飲んで飲んで飲んで飲んで海水飲んで」。わはははは。
 このおっさんがなにかと思ったら、ネズミ講の人。「人がよかったらむかない職業」。死にかかっていたおさーんが、井上の弱みにつけ込んでマルチ商売はじめる。喰いすぎると胃に悪い。クスリ呑んだ方がいい。友だちにも売って欲しい。買わない買えと押し問答の末、ふたたび自殺するオサーン。井上「もう一度釣ったる。オサーン。買ってやるから釣れてくれ」。ザバッと釣れるオッサン。買ってくれるな。じゃあ友だち連れて明日ハチ公前で。ちゃんちゃん。いつものような日常のなかのシュールみたいな本だとは思うんだけど、今日のは妙にわかりやすかった。これはまあ好みの問題かも知れないね。
 実はヒライケンジからあとしかみていない。画用紙に描いたネタ文字をめくりながら、パワポ高橋メソッドみたいにしてプレゼンして、歌ををうたううたバカのヒライケンジ。似てるっちゃにてる。世界のどこからきたのかわからないような、トラウマな怯えた表情のあんちゃん。なんとなく、平井犬というよりも、江口寿史のNANTOKA NARU DE SHOWの視力を失った少女につくし、手術で視力回復したときに眼前にあらわれてぎゃああああな青年のようにも見えるような気もするが、前回自分の時だけ視聴率落ちたみたいなネタをかませて、けっこう面白い。目が死んでいるのが実にトラウマでよいと思う。
 犬井ヒロシは、「参加するのがエンタ」と結んだ。スタンディングで、結ぼうとしている。私はひそかにすごく期待している。イイ味なんだよねぇ。けっこう。日常の笑いがブルースだとすれば、それはすごいことなんじゃないか。見下す笑いじゃなく、ふんぞり返るゲージツやシュールでもなく、新しいものが生まれて欲しいなぁと思うんである。しかし、このままだと三上寛の「オートバイの失恋」の模倣チックに聞こえないこともないわけで、今後に注目なのである。桜塚やっくんは、みごとに会場をコントロールして魅せている。オリラジ、バカテンポ、ちくしょーなど、参加するエンタの神様はもしかすると総合エンターテインメント番組に脱皮するのでございましょうか。