生井亜実の横目でメンチ

 交通博物館が5月14日で閉館というニュースを見て、残念な気持ちに。私はテッチャンじゃないけどさ、やっぱガキの頃は電車が好きで、ここによく言った。ゲージ模型などは買えなかった時代に、電車模型を運転できる施設は想像力を描きたてられた。うちは、職人の子供は自分でつくれということで、材料は買ってくれるが、模型は買ってくれるような家ではなく、かろうじて買ってもらったトミーのプラレールや積み木を(要するに金がなかっただけかもしれない)つかって、立体交差をつくったりいろいろした。買ってもらえず猛烈に憧れて、毎日毎日そのことを考えて、かぎられたものでいろいろつくったことは、けっして無駄ではなかったと想う。おけらのときに飯抜きで買った本は、脳髄にしみわたる。ハンディキャップはけっして短所ばかりではないと思っている。
 で、虎の門を見たのですが、なんじゃこりゃあ、ずっと指人形でやってるの。鬼ウゼー。映画上位はコナン、しんちゃん、ガメラなどで、井筒和幸監督「子供向けや」。GWというのは、映画用語らしい。51年に言われたのが最初だっていうこと。「勉強になります」といちびりかます生井亜実劇団演技者。今週の映画は
「ロンゲストヤード」。どこかできいたと思ったら、やっぱリメイクだった。74年作品。主演バート・レイノルズ。なんかテレビ作品とかでよく見た記憶がある。萌え萌えマシンガンみたいなセクシー男優。千葉真一影の軍団にちょっと似ていたよなぁみたいな。もともとのものは、井筒プー太郎時代の映画みたいで、「名画」「お手本のような映画」と絶賛。監督のアルドリッチというのもまぢやべーひとらしい。
 アメフト選手が投獄され、囚人チームと看守チームの対戦・・・たぶん見たと思う。テレビでも見た記憶がある。監督が「きゃんたまのどまんなかにぼーるぶち込む。しかも二回や。あそこで死にそうに笑ったもんや」というので、思い出した。そんなネタで、たしかに脳血管が切れるくらいに笑った映画があった。監督はリメイクがどうなっているかを厳しくチェックするということで、はたしてというか、反応はいまいち。でも寝なかった。星も一つだけついた。曰く「原作がしっかりできているから、最後は萌える」。しかし、ボールぶち込むシーンほか、死にそうに笑うって程ではなく、「ヒップホップノリでつくっておけばというねらいがみえみえ」と手厳しい。生井亜実は、最初からノリノリで、萌えーと叫ぶようなカンジ、ニターと笑って、最後は感動、すっきり!「友情☆」監督「お前に言われたくない」。まあこのへんはるんるんに受け流していたが、「昔のはよかった」発言が続き、生井亜実はなんと横目でメンチきりやがった。わはははははは。じつにイイ。「電通ゲロッパとってんぢゃねぇよ」くらいのことは言うかと思ったら、さすがにそこまで暴走はせず。まあ、原作の筋立てがよかったということで。
 監督はアメリカ映画の退廃を嘆くってかんじで、「作家がいない。日本もいない。市川昆監督が犬神家はねぇだろ。他につくるものはないのか」。なるほど。まあ私の年齢だと同感だけど、若い人たちはちょっと違う気はするんだろうね。しかし、ずっと指人形でやっている。最後にオチがつくの??わけわかめだ。