「イヤでございます好色漢なんて」w

 録画してあった功名が辻をみる。冒頭の一口豆知識のようなところで、いきなり「スマヌ!」と土下座するだんな様。そして怒る大魔神状態の千代。でもって、古来より英雄色を好むと申します・・・とおとぼけな出だし。ちょっと前のNHKなら考えられなかったような気もする。でもって、戦国武将好色?の解析。信長は癒し系ごのみ。秀吉はブランド志向。家康は健康第一。言われみるとそんなカンジもする。で、一豊は「一途」。そーいやむかし、教え子がカレシ連れで大学に来て、いっしょにカラオケ行ったとき、やしきたかじんの「一途」を熱唱していたのを思い出す。音程も減ったクレもないけど、まさに絞り出す=スクイズするような魂のシャウトだった。さてあらすじ。

 「誓いを破った。すまぬ!」。一豊(上川隆也)の話を聞き、千代(仲間由紀恵)は号泣。寧々(浅野ゆう子)に相談するが、命があっただけでも有り難い、と反応は素っ気ない。加増の喜びを語り合うどころか、夫婦の会話は消え、気まずさだけが募る。思い余って美濃の不破家に戻った千代を叔父の市之丞(津川雅彦)は一喝。その時、陣ぶれの法螺貝が鳴り、叔母のきぬ(多岐川裕美)は、すぐに戻れと千代を諭す。後に憂いを残させてはならないと。馬を飛ばす千代。


しかし出陣には間に合わず、いつも夫の手に結ぶお守りの布を巻くことも出来ない。悪い予感が起こり、それは的中した。姉川で、浅井・朝倉軍との戦いに挑んだ一豊が、味方は勝利したものの、戦場で姿を消したというのだ。川辺に落ちていたと差し出された布を見て千代は蒼白になる。出陣の時、結べなかった布だ。家を出たことを悔い、涙が涸れるまで泣いた千代は、夫を弔い、出家することを覚悟する。激しい雨の夜、奇跡は起こった。自分を呼ぶ遠い声がする。雨の中に飛び出した千代は、槍を杖に足を引きずって歩く武者の姿を見つける。「千代!」。間違いなかった。千代は一豊の胸に飛び込み、過ちは二度と繰り返さないことを心に誓うのだった。
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/komyo/story/index.html?b=10

ドラマの出だしは、またしても「スマヌ」→怒る大魔神。「京でございますか、遊び女でございますか、とめてやったのでございますか」などと問いつめる千代。朴念仁は、さえずりまくり、歌いまくり。「家来たちがゆうから」千代「四人で寝たのですか?それなのになぜ。」。朴念仁「ついたてをしてくれてのぉ」。千代「聞きたくございせぬ」。朴念仁は、家来は大いびきだったとか、神経を逆撫でしまくり。しかし、「イヤでございます好色漢なんて(T_T)」「悔いておる(T_T)!」にはわろた。そして、千代は朴念仁のほっぺたをダヨーンみたいにひっぱってやがんの。で、「小りんなんておかしな名前」。場面は変わり、朴念仁と無責任な家来の会話。家来「しゃべったの、あほちゃうの?」。朴念仁力みかえって「千代にはウソを受けない」とまあまるで巨人の星の一場面のよう。朴念仁「でも間者のことはいってないおー」って、あほちゃうかっていうかんじだけど、ともかく千代は寧々のところに相談に行く。「生きていただけでもめっけもの」。ぎーーーーと歯がみする千代。「私にからまないで」などと言いつつ、シビアな台詞をはく寧々「子供をなぜたくさんつくるのか?人質にするため。戦国の女というのは人質を生み出すツールにすぎない。男たちの欲望の道具にすぎない」などと喝破する。
 シラーっとした空気のなかの上川の演技は、なかなか妙味だったけど、なんか藤山かんびみたいな気もした。でもって、家でして実家にかえる千代。いさめる義父。千代「バカ正直は罪」。義父「ええおとこや」。とまあこんなことがありつつも、戦国の歴史が一歩進む。戦国ものが主旋律としてあるというよりは、夫婦日記の一コマとして、毎回史実がひとつずつ紹介されるカンジ。微細な描写は省略され、太く骨太に一史実重点提示。こまかい解説は番組後の古戦場あとの紹介などでガッツリ説明する。それなりの復習がなされている。もう少し詳しくやって欲しいと思うけど、知識欲よりドラマに必要十分というとこの程度なのかなぁとも思う。そこで馬から落ちた一豊。葬式までする。しかし帰ってくる。叫び声。お!出る。びしょぬれのだんな様。走り寄って抱擁。炸裂する映像の体言止め。わははははは。めっちゃわかりやすい。わかりやすい俗悪を、いぶし銀のような演技が魔術のように妙味に変えて行く手技はすごいもんだと思う。秀吉夫妻のクールが、よく考えてちょとささやきかける。今回は、香川照之の出番はなし。みずに落っこちたのを助けたのが六平太というふうにはできたの思うのだがしていない。それにしても展開早い。もう比叡山になる。歴史物知らない人が見てどうかという疑問は残るが、いろいろ考えながらつくっているのはわかる。