久世光彦逝く

 薬局で順番待ちしていたら、テレビのニュースで久世光彦がうつっていて、なんかやったんすか?賞でもとったっすか?と思ったら、逝っていた。さっそくネット検索した。ほとんどの見出しが、「時間ですよ」であった。「寺内貫太郎一家」とか、向田邦子シリーズとかあげていたものもあるんだけど、小説やエッセイへの言及は少ない。それは変だという友人もいるのだが、それでいいではないかと思わないこともない。こうしてみると「時間ですよ」の存在は大きかったんだなぁと再認識した。寺内もなにもかも、水曜九時からの「水曜劇場」の続編なんだろう。
 浅田美代子がプロとは思えないシンジラレナイ歌唱力でデビューしたのもこの番組だった。マドンナ役というか、風呂屋のねえさん役、最初は川口晶だったのは覚えているが、三人目は忘れた。2ちゃんをみてみると、脱衣場の裸体が出てきて、あのころ2ちゃんがあったら、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!! だったろうなどと書いてある。そう言えばそうだったなぁというカンジ。「おかみさん時間ですよ」という堺正章の一声で番組が始まり、パーパパパーパパというなんかセンスのいいジャズっぽいような女性ボーカルがオープニングテーマで、なんか江戸仕立ての絵が出てきたような気がするんだが、それがはじまるとワクワクしたのを思い出す。屋根の若いカップルの初々しさ、居酒屋の熟年の会話など、細工満載だったけど、股ぐら筋一本ガッチリ通していたのはあのオープニングだったんじゃないだろうかなどと思う。それがどこまで久世光彦なのかどうかわからないけど、すごく「らしい」と思うのである。」しかし、森光子は当時とほとんど変わっていないんじゃないの?かしまし娘と比べるといんくれでぃぼーだ。
 話はそれるが、作品世界をぶち壊すくらいすごかったのは、樹木希林であることは、誰も否定しないだろう。「時間ですよ」ではないけど、ジュリーのポスターを前に「ジュリ〜〜」と叫んで身もだえするシーンは同じくらいの年代の人なら誰しも知っているはずだ。「時間ですよ」では「はまさん」。そっくりのおばちゃんが私のいっていた風呂屋にいて、みんな「はまさん」とよんでいて、本人もまんざらでもなさそうだった。閉店間際になるとわれわれが風呂に入っていても、桶や椅子をぼんぼん湯船にぶっこんで来て、「遅くまで入っていて文句言ってンヂャねぇよ」とかドスをきかせる凶暴さも「はまさん」そっくしだった。あの時間帯の風呂屋は、まさに浮き世風呂というか、周辺の粋な商売の人とか、飲食店の人なんかが来ていて、あることないことガキに教えていたし、そこで知り合ったメンツで三浦海岸にナンパに行ったこともある。有名なちぐさのマスターも来ていたことは、何度もここで述べたとおりだ。やがてうちにも自宅風呂ができて、誰も銭湯に行かなくなり、今は駐車場になっている。「時間ですよ」は、やりくりの苦しさなどを描き、親子役の船越英二松山英太郎が深刻な議論をしていたことなども覚えている。元祖?ちゃぶ台返しの寺内貫太郎も同じような作品だということは、実は気づくのにずいぶん時間がかかった。
 2ちゃんのレスは、久世が昔スキャンダルしていたことに触れたものやなんかに触れて2ちゃんっぽくしようとしたものの他に、向田作品との関連、小説やエッセイについてのコメントなどいろいろあったけど、次のレスが一番2ちゃんらしいかもしれない。わずか11レス目に出ているのもスゴイ。ニュー速板。しかし、レス少ない。

12 :名無しさん@6周年:2006/03/02(木) 22:24:07 id:pxr2VHDM0
つーか思い出話の聞き役やってる森繁より先に逝っちゃいかんだろ <<