麻生千晶五輪を斬る

 欧米のスポーツ紙が事前予想で「日本メダルゼロも」と予想したのは記憶に新しい。まさか、スピードスケートの加藤くらいは勝つだろうと思ったら、萎え萎えで、見所といえば、そうですねスノボのドキュソ兄妹のいってるところとか、失敗も魅せるジャンプ原田の失格とか、モーグル上村のガッツポーズとか、ネタ系ばっかじゃんみたいなところがないことはない。ふと思い当たったのが、麻生千晶さん。松村邦洋から裕木奈江功名が辻から歌舞伎役者、能狂言まで、斬りまくりの悪食な口舌評論家で、こあなヲチャーが注目している存在であることはつとに知られておるわけでして、健啖家の麻生さんが五輪を斬っていないわけがないと思い、検索してみますたら、はたしてキターというカンジで、夕刊フジでボコボコにボコってました。

 評論家の麻生千晶氏は「“お付き”がゾロゾロついた大選手団を送っておいて、ふざけるなと言いたい」と怒り心頭のご様子だが、「メディア、特にテレビが選手を持ち上げすぎ」と、苦言を呈する。


 「特にスノーボードの不思議な名前の兄弟。転んで泣いていたが、泣くのは甘えがあるからで、競技以前の問題。国を背負っているのだから、申し訳ないという気持ちになるべき。(スピードスケート女子の)岡崎(朋美)には同情するが、スキーの原田(雅彦)の失格など、もってのほか。世の中をナメている」


 ルックスに関しては“メダル”級の選手が多いが、「先日も安藤が公開練習の後に喋らされていたが、メディアは練習を妨げるような取材をして負担をかけ、ヨイショして負けても拍手する。かわいい選手は『ちゃん』付けで呼んで甘やかす。協会はスポンサーのこともあるのだろうが」と辛辣(しんらつ)だ。


 結論は「少数精鋭で、勝つ人が行けばいい」。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_02/t2006022146.html

いやあ、麻生節と申しますか、じつに(・∀・)イイ!!でござるね。誰でも言えるようなこととかいっちゃダメ。「不思議な名前の兄弟」。「ルックスに関しては“メダル”級」。「かわいい選手は『ちゃん』付けで呼んで甘やかす」。ここまでたたみかけられては脱帽。ある意味村上ショージ的なツボをもっていると思う。ツボがわかるともうやみつきだ。なんつーか、毒舌が寸止めみたいなところがあるんだよね。たとえば豊崎由美みたいなアイロニーは皆無。っつーか、べただよなぁ。べただけど、味があるよなぁ。「勝つ人が行けばいい」。なかなか言えない一言だ。しかし、麻生さんに一目置かれた岡崎はすごいと思った。あの四位は半端じゃないと思った。スケートなんかたいしてわからないうちの親たちもあれはすごかったといっていたよ。
 閑話休題。今回の五輪中継で、堀井学さんの解説が実によかったと思っている。まなざしがとても暖かい。分析は怜悧である。知識も豊富。増田明美さんの解説から、ちょっとかまびすしい「取材どうだ!」をとったかんじ。現役時代は、タコ坊主とかちゃねらーの餌食になっていたのだけど。w 解説もさることながら、このようなまなざしの人が一時は世界でブイブイいわしていたというのが、すごいと思う。ものすごい実力の人でなければ、このようなまなざしの人は勝負に勝てないんじゃないかと思うのだ。