Peckの蒸しパン

 なくなったばあさんも一定年齢からパンに牛乳を好んで食べていた。親も退職した頃からなにかというとパンを食うようになっている。そしてパン嫌いだった私も最近は忙しいと三越までちゃりで行きジョアン(横浜にいるのでフォションと勘違い)でパンを買って喰う。物を食うのがおっくうになってくると、なぜかパンというカンジになってくるような気がする。メンタイフランス、メープルフランス、くるみアンパン、ベーグルなど、好んで食べるパンはかわってきて、今は20品目の野菜サンドというのに凝っている。栄養のバランスはいいし、パンも美味いのだが、500円近くするのはなんともにんともだ。あともう一つバーガーバンズもはまっている。最初は何でこんなもの売ってるのかと思った。家でハンバーグ作って喰えということなのか、はたまたデパ地下でバーグ買って喰えというのかと思っていた。じきになくなるだろうと思ったら、いつまでも売っている。なんだよと思ってコロッケをはさんだのを売っていたときに買ってみたら、これが実に美味い。こおばしく、もちもちして、適度に味があり、ゴマがついている。パンだけでも美味いし、けっこう安いのでこれだけ買って食べるようになった。
 横浜に帰ると、徒歩圏にポンパドール、ウチキパン、コテイベーカリー、それから800円くらいのめっちゃ高い食パンを売っている横浜松坂屋1階のパン屋などいろいろあるわけだが、うちはフランスパンはポンパドール、食パンは松坂屋と決めている。この松坂屋のパン屋さんは、食パンをたくさん売っている。買っている人も食パンが多い店である。ところが最近帰るといつも親が食っているパンがあって聞いてみたら、横浜高島屋の地下にあるペックというバール(イタリアの軽食喫茶みたいなものをこういうらしい)で買うのだという。一個もらって食べたら、美味しかった。で、正月には買いだめしてあって、冷蔵庫に入れて何日かに分けて食べた。日持ちもなかなかよいかんじ。普通の蒸しパンよりも密度が高いというかねっちり固めである。そして、胡桃とレーズンを大量に練りこんである。価格も百円ちょいとまあまあ安い。味は黒糖風味。醗酵の度合いと、歯ごたえと、そしてのどごしと、美味しいポイントがたくさんあり、楽しめる。ただ気をつけないといけないのは、蒸しパンはそれだけでもカロリーが高い中に胡桃が練りこんであるわけだから、喰いすぎるとからだに悪いということである。この店は他にもイタリアパンをいろいろ売っているらしい。それらはかなり高いようだ。また、軽食もなかなかのもんだという話である。