厳寒の冬はお鍋

 寒い日が続くとやはり鍋ということになるであろう。昔岡山に赴任したばかりの頃、ガス台には一口のコンロをおいていたのだが、そこで鍋をやってかなり萎え萎えだったことは記憶に新しい。まあしかしだからと言って鍋は大勢でやるもんだなどとは思わない。ガス台に向かって椅子を置いて食ったからわびしかったに過ぎない。ちゃんとコンロを用意するなり、あるいは固形燃料を使ってもいいとは思うんだけど、下ごしらえをして食べれば、たとえば湯豆腐一つでも美味しいものだと思う。もちろん大人数のもののほうが美味いとは思う。だっていろいろなものを入れれられるから。キムチ鍋があいかわらず人気があるようだ。味噌とも異なる発酵食品が鍋になる。適度にピリリと辛くコクがある。実に美味いよね。今頃はまっている。
 最近は韓国即席ラーメンを利用したレシピも雑誌などに掲載されている。あれは実に美味い。レシピなんていうむずかしいものではなく、一緒に煮ればいいだけのことである。そんななかで懐かしいと思うのは、韓国石鍋を使った鍋料理である。ビビンバを石焼にするようなものとは違う平らな鍋にたまねぎと肉または魚介、そして濃厚な甘辛いタレを入れて煮る。煮詰まってくるとたまねぎが実に香ばしくとろけるように美味い。そこで最後にオジヤというかチャーハンみたいに炒りつけたライスもとても美味い。これは昨年度末岡山蒜山の木の実を訪ねたときの日記に書いたのではないかと思う。問題はあれは家庭ではできないのかということだ。石鍋は高いから、食いたいときに店に行けばいいということはあるだろう。上野でも池袋でも大久保でもそれなりのものは喰えるだろう。逆に家で買えたとしても、ほかに何に使えるのかという問題もある。いろいろ楽しめることがわかり、手軽にできるもので、かついろいろな調味料がタレ系のメーカーでそろえたら、相当数売れて、鍋も安くならないのかね。そうじゃないと、石焼鍋を買ったら、石焼ビビンバが好きすぎて、あれを買って、ラーメンでも何でもあれでやって、うめーぞごるぁああとゆっている椰子を笑えなくなっちゃう。