萩本欽一の仮装大賞を見た。この番組だけは可能な限り欠かさず見てきた。番組の主旨を勘違いした人外がハロウィンの仮装ちょっといじりますたみたいなので出てきて、でもそれはそれでもりあがったみたいな頃からみている。一人で蒸気機関車した人なんかが優勝した頃。回を重ね、一人で文字を作る=ゴルゴ松本仕様、ファンタジー系、大人数コラボ系から、外国から買い付けに来てCFにもなって大騒ぎだった卓球=空間表現系などいろんなものが出てきていて、出演者の多くには「傾向と対策」を読み込んで一ひねりしたようなものが多い。そのなかで新しい表現をサクッと示したような場合一席になることが多いような気がする。今年の結果=足跡による表現には、審査者側の自己模倣のようなものを感じないでもなかったが、やはり新しい表現みたいなものを要求するという方向性を出しておきたかったということかもしれないなぁとは思う。
前にも言ったかと思うけど、私はオオ馬鹿な一発芸風のものが好きで、跳び箱という中学生くらいの女子が一人でやった人形を一本背負いみたいにホッポリ投げるやつが一番印象に残っているということもあり、ドーデもいいようなものが非常に面白く笑い転げたのであった。今年の場合は、脱ぐとすごいんですみたいなのともう一つ、贅肉利用したもの=バカボンのパパの顔とかしたのと、あとオッサンが腹筋ムキムキにしたやつがとりわけ笑った。もう一つは、中学生の女子がフォーを手の親指の関節でやったのが笑った。HGのコスプレが出てきたので、さすがに厨房の女の子がフォーはまずくねぇかと思った。最初はフィギュアかよ。タモリのフィギュアみたいにヅラだったら笑うぞごるぁああと思っていたら、指人形でカクカク。それもけっこう執拗にカクカクしていて、ばかばかしいけどさみたいなスタンスと、欽ちゃん独特のほのぼのとした雰囲気を溶けあわせていたみたいなパフォーマンスはかなりすごかったんじゃないかなぁ。まあいずれにしても一位になりそうもないことだけはたしかだと思った。
明確にファンタジック系をなぞったものにしても、坂本九で、八代亜紀が泣きだしたのは、びっくりした。枠組みというか、表現の意匠が模倣チックでもなかみで作品性を出すことはできるわけで、ああゆうのもありなんだろうね。
萩本欽一は、一時より冴えてきているように思う。関根が一人だけ一つしかつけていないのに対し、独特のイントネーションと間合いで「ばかもの」と言った時には、思わずキターと言いそうになった。往年の呼吸そのまま。ビートたけしの「バカ野郎」とは違う「ばかもの」。二郎さんあいてに縦に飛んだり、伸び上がったりしながら、暴れまわっていた頃の芸を思わず思い出した。