何の意味があるかわかんないけど、振り替え休日である。なんだかよくわからないけど、一同雁首そろえてぞろぞろ弟の子供のランドセルを買いに行った。今は、リュック形式などが中心になっているのかと思い、かつなかにはヴィトンとかのランドセルもあるのかと思っていたら、そんなことはなく、ほとんど昔ながらのスタイルのものばかりが並んでいた。「天子の羽根」というアイディアが生かされていて、ランドセルを背負うとだらしなくうしろのダルダルするんじゃなく、天使のようにスッっと背が伸びるみたいになるらしい。考えた人は、特に登録するでもなく、どこもそうしているなどと話しているのが聞こえた。
色は、黒、紺色、赤などがあった。水色だとかの色もあり、ジェンダーフリーに対応しているのかなぁとも思ったが、圧倒的多数は赤と黒っぽいのの二つだった。クラリーノが上手に生かされ防水にしてあるようだ。いろんな機能がついているかどうかと、材質とかで値段も違ってくるようだが、その店では高級品と低価格品が売れているというよりは、三万円前後のものが売れているようだ。私がガキの頃は、5000円〜10000円くらいだったのではないかと記憶している。物価を考えるとたいへんな投資だったことになるだろう。ぴかぴかの一年生になるわけだが、そのうちランドセルは傷だらけになり、なかにはカビの生えた給食のパンなどが底にたまったりするようになるのだろう(ってこともないかなw)。私は、何でもかんでも入れっぱなしで、ノートは一冊だけ。何でもかんでもそれに書いたわけだが、いたずら書きの方が多かった。
選んでいる間に新入生用品を見て歩いた。机は、スチール製品はその店にはなく木製ばかりだった。昔のように鉛筆削りとか、子供だましのいろいろぞろぞろはついていない。上にベッドがつき、洋服かけなど、まるでカプセルホテルみたいなものがけっこう目についた。最高級品とおぼしきは、横幅二メートルくらいある。まあしかし、こんなもので勉強できるというのは羨ましい話だ。うちは親の机が一つあったが、それを一家全員が使う。だから、他の者はちゃぶ台とかを使い、私は一人になれる唯一の場所としての便所にちいさな卓を作っておいて、そこで朝飯食ったり、勉強したりしたことはすでに述べたとおりだ。勉強するときもパンツを脱いでいたという話は前にした。パンツを脱がないと個室に入れなかったという話しも前にした。さらに知り合いに全裸にならないとンコできないという椰子がいて負けたと思ったという話しも前にしたと思う。そんなこともあり、あまり高級品には感情移入できない。そこで一番安いものを探した。確かに安いものはある。一万円台とかだ。しかし、それでも高いだろう。高度成長期に、安定した収入を得て、しかし学歴がない親たちのルサンチマンと切ない夢が子供達に託され、無理をしてでも私立学校にやり、収入不相応の机などを買った。ランドセルや机を買いに来ている風景は、さほどかわっているとも思えない。