黒百合姉妹@STAR PINE'S CAFE

 昼間は山積しているお仕事(主に書類書き、書類整理)の一部をすませて黒百合姉妹ライブ(22日STAR PINE'S CAFE)へ。開演30分以上前だったが、最前列のほうだとか、上から見下ろせる二階席(地下一階)はもう満員になっていた。聴きに来ている人は1人で来ている人が多かった。女性と男性では、やや女性が多いかというカンジ。けっしてゴスっぽくはなく、30前後を中心にいろいろなタイプの人々がいた。噂の「おっぱい占い」を期待してきたような人はいなかったし、現実にそういうものは行われることはなかった。私は学会や授業といっしょでやはり一番後ろのほうにすわった。テーブルがあり、その周りに椅子がならんでいる。テーブルに飲み物をおいて、わりとゆったりしたカンジで聴くことができた。偶然知人が二人できていて、びっくりした。
 2500円で、安いよ☆、ステッカーもついているよ☆、先行発売だよ☆みたいなかんじであったので、CDを三枚ほど買いますた。ちょっとヘタウマっぽいボーカルかと思っていたけど、そうでななく歌い始めてしばらく立つと、つむじ風のようにひゅるひゅるとボーカルがきれ味をまして、エンヤでもメイブでももってこいばっけやろうと言わんばかりに気持ちよく声がのびるのびるのびる。そして心地よさのなかにパトスが充溢している。ピアノももうノリノリで胸一杯お腹いっぱい。このへんがライブならではなんだろうね。実に(・∀・)イイ!!。実はもっと、クラシック調と申しますか、西欧の古典音楽のようなイメージがあったのだが、民族音楽調から、シャンソン調から、なにからかにから変幻自在で、しかも歌いながら、シンバルやドラムなどをポッカンポッカン叩くの。なんかこの間合いとちょっとしたズレがあり、しかし妙なリズム感で、なんともトラウマなんですね。
 べしゃりはないのかと思ったら、あった。今日は冬至で・・・と星の動きやなにやらカニやらのことを話し、そんでもって「それを意味するフランス語の題名をつけたコンサートにした。語義は詳細にはわからないけど」などとサラッとゆって、んでもって「そんなこともあり初期の作品中心にやってます。ちょっとビックリされた人もいるかも知れないけど、いつもはこんなうるさいやつ(楽器)は使わないでやってるしぃ・・」。上野洋子とか、そんなあたりが好きな私には、むしろこんな曲調のほうが聴きやすかった。コアなファンだと噴飯だということになるのかも知れないけど、「Le Chant De L'etoile」という曲の戯れ言めかしたシャンソンのボーカル技法が萌えであった。合間にCDのことなんかも語る。リマスタリングなんて同じじゃんかと思ったら、違うっていうのね。装丁とか作りかえたところもあるし、「黒百合姉妹にはめずらしく写真も使った」みたいにゆっていた。たまたま買ったのに写真が載っていた。
 終わってアンコールも、「用意してあった」とシャラッと歌い、そこから三曲ばかりやったかな。最後は「あれをやらないと」みたいなかんじで、そして「お約束」らしいベストドレッサー賞だかの授与があって、ちゃんちゃん。近作は凄みが出ているカンジもある。でもやっぱ今回みたようなちょっと素朴っぽいものだってかなりいいんじゃないかと思われる。黒百合姉妹は売れようと思えばどこまででも売れる要素を持ったユニットだと思う。占い師だし、パフォーマンスもヴィジュアルもそこそこ逝けるだろう。そして、ちょっと売れるかもっていう曲作りをしているような気もしないこともない。でも、ペースを崩すとも思えない。などと詮索するのは愚の骨頂、あまりに野暮なのだろうけどね。
 今日のライブ会場は徒歩二分くらい。その前の曼陀羅でもたぶん五分くらい。また行きたいと思った。1人でいっても、おやぢがいっても、なんでもかんでもそんなに問題にはならず、それなりの年配でも楽しめる場があるのはよいことではないのか。今月は、陣内大蔵などをやる。懐かしいよなぁ。「いとちいさききみのために」というのは、なかなか名曲だと思うのだが。ライブ一つ行っただけで、なんか上等な気持ちになれる。でもその一つがなかなか行けないんだよねぇ。