フロイトな土曜日

 先日書評を書いた本でもフロイトベルグソンが再評価されていてほんなものかいなと思ったが、今日も精神分析な本の合評会を聞きに行く。午前中転学科の試験があり、それをすませて、そそくさと出かける。余裕で間に合うと思って、大久保ではやし家のつけ麺を喰うことにした。大久保→はやし家→池袋→大正大学というのは、条件反射のようになっていた時期もある。久々のはやし家は激混んでいた。昔はいなせな兄さんが、けばい姐さん連れていたり、人外のねえちゃん二人とか、地元のサラリーマンとか、味のある労働者風とか、そんな感じだったのが、なんかあったかなあと思って、店を見回したら、たぶん偶然だろうと思った。ちょっと遅刻したので満員で前しか空いてなかったらいやだなぁと思ったが、うしろがまだ空いていた。

社会科学基礎論研究会 合評会──著者を招いて(第13回)
対象書:竹中均著『精神分析社会学ーー二項対立と無限の理論』明石書店 2004
司会:張江洋直(稚内北星学園大学)/尾形泰伸(武蔵大学・非)
報告:片上平二郎(立教大学大学院)/浅野智彦東京学芸大学)/水野節夫(法政大学)

精神分析と社会学 (明石ライブラリー)

精神分析と社会学 (明石ライブラリー)

 まず著者が、ザックリ著書の基本方向を示した後、それぞれ個性的な報告が三本。第一報告者が、テキストの論理的なぬるさと思しき箇所をずけずけ指摘した後、第二報告者がニートに論点を示し、そして第三報告者が、フロイトのテキストとつき合わせながら、「実質的検討」−−トーマスとズナニエツキのテキスト分析を行った論文のタイトルにあったことばだけど−−をするという重厚な構成であった。BBさんの友情溢れる毒づきなども炸裂して、なごやかななかに緊張があって、5時間があっとゆう間に過ぎた。研究会のサイトにレジュメがアップされているようなので、なかみには触れないでおく。というか、フロイトというと川原泉のマンガを思い出すような私には触れる力量は私にはない。私は『記憶の不確定性』と比べながら、ずっときいていた。あさのさんがとつぜんみくしねたをふったのには笑った。