激高老人のブログ

 日曜日に研究会でごいっしょしたなかのさんとあさのさんの日記より、おそらく日本最高齢ブログと思われるものが開設されたとの情報を得る。激高老人といえば、知る人ぞ知るサイトの主。『価値の社会学』『恥の文化再考』ほかの著作で知られる日本社会学を代表する一人S田K一先生であります。私を岡山大学に呼んで下さった藤森俊輔先生もブログ「文赤千兵衛の日記」(マイアンテナ登録済み)をやっていて、スペインから快調に更新をしていらっしゃいますが、その藤森先生よりもさらに10歳以上年齢が上ですから、驚くかぎりです。口上も面白いです。「年をとっても夜更かしは深まるばかり 悟りからは遠のくばかり 分からないこと増すばかり 「老人とは」の通念はまちがいばかり 通念なるものはみんな変と思う、老人の独語録」。「老人」と諧謔しつつ、「通年はまちがい」と斬りすてる呼吸は、えもいわれないものがございます。しかし、私としては冷や汗たらりでございますです。と申しますのは、次のようなやりとりがあったからです。前にも言及したかもしれませんが再掲します。

67 名前: い 投稿日: 2003/10/20(月) 01:27
作田啓一『生の欲動』(みすず書房)買いマスタ。ジンメルを実践した先駆者にして、なんとも粘度の高い文書を公刊され続け、多くの萌え系をうみだしたことは、説明を要しないでしょう。学会の会長講演前後くらいから、エランビタールな人間学を探究されて参りましたが、ここに至りジジェクラカンを参照しながら、少年犯罪や倒錯について、考察されております。本のカバーには、「論理の緻密さと強靱さには圧倒される」と書いてありますが、まったくそのとおりで、粘着的で執拗な分厚い論理構成を見ますと、名店の濃厚なラーメンスープみたいっす。私が『子供論を読む』に寄稿した少年犯罪論などは、コクがないし、なんかいいかげんなカツオだしにラードぶっこんだラーメンスープでございますわ。しかも、私の論考は、動機論を逃げていて、ジャーナリズムのドラマトゥルギーに終始しているのでありますが、この論考は執拗に動機を考え抜いております。見田宗介が『現代社会の理論』の最後の部分でバタイユニーチェなんかを念頭に考えていることを別様の仕方で考え抜き、「享楽の法」について堂々と論じていることは、まったくすごいもんだとしか言いようがありません。『Becoming』というミニコミに連載された作品を集めたもので、このミニコミは萌え系の人たちとやっている勉強会の成果みたいなもののようです。亡くなられた桐田克利@『苦悩の社会学』が寄稿された号だけは、ご遺族からいただいてみていたのですが、それがケイゾクし、このような成果を生み出したことは、非常に刺激的です。しかし、このぢいさま、もう八十歳こえてらっしゃるわけで、その年齢でこれだけの本を読み、討議をし、論理構成をしていることは、なんつーか、ありえねぇ〜〜としか言いようがないっすね。化けるほど生きながら、なお身体からわき上がる情動の躍動を描こうとしている。しかも、オオボラが赦されるお立場なのにもかかわらず、動機論という焦点をもって、かつ最新動向にも目配りをしている。ぢぢいは逝ってよしと、気合いでいうべきなのはわかっているけど、やっぱり読んでいて面白い。最近のいろんな本よりも。それは、私が逝ってよし状態だからかもしれません。哲学、文学、社会学に通じた評者が、辛口の書評を書くとどうなるか、しばらくは読書新聞をみのがせませんね。


68 名前: 激高老人 投稿日: 2003/11/08(土) 01:22
『生の欲動』をお読みいただきありがとう。お化けの著者です。『Becoming』のホームページに激高老人のコーナーを開設しています(http://member.nifty.ne.jp/BC/)。「欲望を諦めるな」というラカンの教えに従い、まだまだやるぞ!


69 名前: と 投稿日: 2003/11/08(土) 13:14
どっひゃー。
ままままま馬路ご当人でつか?
(((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


70 名前: はなの 投稿日: 2003/11/08(土) 14:26
ままままままままじご本人ですか?
と さまと同様に、
(((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


2 名前: 激高中年 投稿日: 2003/11/16(日) 10:13
またの名をカレーライスと申します。当HPでははじめまして。あれ本当に作田先生ですかね。すごいね。私も「生の欲動」は読みましたが、これまでの最高傑作ではないですか。まさに化け物!伊奈さんもご謙遜ですが、授業で岡山の少年犯罪の話を取り上げたところ非常に評判がよかったですよ。一つのリアリティをを東京と地方では全然違う語りがあるということにみんな驚いていました。しかし80過ぎた人に負けていてはどうしようもない。伊奈先生。われわれもがんばりませう!!

 実はこのようなことがありつつも、誰かが茶目っ気でやったんじゃないかなどとたかをくくっていたのです。しかし、ブログまで開設したとなると、かなりのヲチャーであったこともまんざらありえなくもなく、日本社会学会の会長までされたかたについて、「化けるほど生きている」などと言ってしまったことは、まぢガクガクブルブルですね。ははははは。
http://gekko.air-nifty.com/bc/