チキショー考

 犬畜生というと非常に悪い意味だが、それがりえぞんっつーか、変形したのがチキショーなわけで、そっちはふつーにつかわれることも多いと思う。小梅太夫はかなりツボだったということもあり、チャンチャカチャン♪チキショー!などとくちずさみながら、学校にチャリできたら、通行人にみられますた。「なんちゃっておじさん」というのが昔いて、突然駅で線路に鞄を投げ、みんながぎょっとしたところで鞄に紐が付いていて引き上げて、「なんちゃって」などという罪のないばかおやぢなわけだけど、今だったら問題になるかもしれないよね。で、なにが言いたいのかというと、「チキショーおぢさん」とか出てきたらとか、ストレス解消にチキショークラブとかできて、街にチキショーがこだまするというのは、なかなか時宜にあっているようなきがしないこともない。
 うちのバカ親は元まっぽのくせに、病気となるとからっきし意気地がなくて、へなちょこなんだけど、というか、だからこそ闇市の暗黒街の治安維持にあたり、ちんぴらにつけねらわれたりしながらも、刺されることもなくつとめをまっとうしたともいえるわけだが、病気になるとおたおたビビリまくりで、家族じゅうにからかわれる。手術のあとなど、家族や近所の人とかが毎日かわりばんこで行って、チキンだ、へなちょこだ、根性なしだ、まだ起きあがれないのかとか、罵倒するわけ。むこうはもう病院では優等生で、直立不動ってわけじゃないけど、ベッドできおつけするみたいに、カチンコチンになって動けない。病院から抜け出して、天ぷらそばとか、中華とか喰いに逝って、先生に怒られたような馬鹿者=わしのこと、とは大違いなのである。で、あんまりみんなでバカにしていたら、よほど悔しかったのか、「ちきしょー、ちきしょー」と連呼したのね。その言い方が、あまりにエレジーだったので、病室の人も、見舞いの人も、みんなで大笑いしたの。そうしたら、また「ちきしょー」。あのなさけない「ちきしょー」は、非常に興味深いものがあったし、そのチキショーが芸になっていること自体がスゲー面白い。
 しかも、小梅太夫の相貌は、ありえないくらいどう猛なんだね。チャブ山崎をやばくしたカンジで、目が据わっていて、それがへなちょこねたやって、ちきしょー!ですもの。これをみるためだけに、毎週エンタがみたくなった。荻窪に住んでいるらしいけど、駅前でゲリラライブとかしてくんねぇかな。しかし、ネタが鮮やかなまでに思い出せないのは、ヒロシとか、波田陽句との違いだな。HGっぽくあるかもしれない。もちろん、メディアミックスで、CDとかだすんだろうけど、どんなものが出るか楽しみである。しかし、初エンタから2ヶ月近くたって知ったので、「あいかわらず遅いですね」と岡山の口の悪い教え子にからかわれマスタ。卒論で忙しかったんだよ。どあほめ。