「萌え〜」@TRICK・SP

 本日も用事の続きがあり結局横浜泊。昨日に引き続き早い時間からテレビを見てしまった。さんまちゃん→大河→日曜洋画または行列がバカ親の基本的な視聴コース。ご長寿早押しは久々に見たが、パワフルご長寿揃い踏みというカンジでなかなか面白かった。大河は関心がないので本を読んだり、書き物を少ししたり。で、日曜洋画劇場特別企画・TRICK新作スペシャル 「死ぬ日を当てる女占い師〜逃れられない“暗黒厄年”の裏に潜む驚愕トリックとは…!?」を見る。どんなのか?ときかれたので、「サスペンスみたいなもんだね」と答え見ることになった。これを見て親がなんちうか非常に関心があったからだ。
 つまらなければすぐチャンネルを変える人たちだ。しかも、ふたりとも昨日たけしを遅くまで見ていて、眠そうであり、大河中もうとうとしていた。おまけに父親は風邪薬を飲んで爆睡準備オッケーと言うカンジ。ツマラなければ、寝るか、まわすかだ。念を入れて、TRICKが始まって、「ちょっと変っているし、つまらなかったら行列・・・にしよう」などと言っておいた。どんな人たちかをちょっと紹介しておく。父親は小卒。戦前からの映画ファン。東映を中心に1965年までの映画はほぼ封切でみている。今も映画番組はほとんど見ている。テレビの時代劇、ドラマ、アニメまで見ている人。母親は高卒。徒歩一分弱の今の場外馬券売り場のところにあった封切館でアメリカ映画を見て成長した。テレビはお笑いとサスペンスをよく見ている。そして二人ともサスペンスだけはいつも見ているという人たちである。父親は79歳、母親は71歳である。
 で、どうだったか。始まってすぐは眠そうだったのが、「最近は手品ブームだからね」などと言いながら、だんだんからだが起きてきて、最後は前のめりで見ていた。非常に面白かったんだろうと言うしかない。途中、生瀬刑事の部下=空耳アワータモリ相方を若くしたカンジみたいなヲタ仕様の椰子が、山田手品師をみて「萌え〜」と絶叫した。私は思わず飲み物を噴出しそうになり、痙攣しそうなカンジで笑い転げた。しかも、ひつこく。「萌え〜」と言い、さらには「萌え萌え萌え」と小刻みに言ったかと思うと、せりふの合間に「萌え」「萌え」とかぶせ、さらにはそのシーンが終るところも、萌え萌え萌え・・・と声が小さくなりちゃんちゃんみたいなカンジで、あまりのおかしさにしばらく笑っていた。馬鹿おやぢは「チッ!」と舌打ちし「わけわかんねぇところで知ったかぶりして笑いやがって」などと悔しそうだった。まぢガチで見ていやがる。
 最後のオチがついて、速攻母親はトイレにすっとんでいった。帰ってきて、「普通のサスペンスとは作り方が違うわね」と母親。父親は「この監督は、たけしみたいな作り方する人だな」。ぶっ飛んだ映像はあいかわらずだし、小うるさいくらいに小さなケレンがつみあげてあるし、でもこんなぢぢいばばあにもなにかが伝わったということだろう。まあ時間帯も考えて、それなりの作り方がしてあったことだけはまちがいなんだろうけど。
 などと思っていたら、映画とDVDの宣伝が入る。鬼ワロスのは、DVDのほう。「いつものオチ☆」などと諧謔韜晦しつつ、実はカットされた41分があったんだけど、そこには何があったでしょう??見たい人はDVD買うしかないよ、みたいにたたみかけていた。癒しと狂気を両極とした分かりやすい図式をかかげつつも、小気味よく繰り出されるリアリティは、不安定なバランスというような図式をもケラケラ笑ってしまって、シャカシャカシュパンシュパンで、実にいいものがありました。