ファントム再来

 お台場明石城が番組企画の番組化をはかってから、TBSとか日テレでもじっくり魅せるとか、逆にネタっぽくするとかいろんな工夫をして番組が登場していて、なかなか面白い。が、比較してみるとやっぱしさんまちゃんのトークが光っちゃって、やっぱタレントディペンデントなんすかねぇと、鬱な気持にならないこともない。「力のない若手芸人を見るとまだまだメシが食えるとホッとする」というさんまちゃんの挑発は、もちろんガチンコ勝負宣言であるわけだけど、それ以上に後進を育てる立場みたいなものも出てきているのかなぁと思う。芸人批評、番組批評みたいなものを見てみたい気もしているけど、やっぱ企業秘密ってこともあるだろうし、歌いすぎるのもアレなのかもしれない。話はそれたが、問題はぞろぞろ番組のマルティプライズである。ある友人が「この世界は柳の下にドジョウ3匹どころではないですから」などと言っていたのを思い出す。三浦展の『下流社会』のぞろぞろ本はどんなのが出るか、楽しみだったりする。とまあ話それまくりは、いつものこと。ここでようやく本題である。
 最近ザ・チーターが始まって、ポストヘキサゴンを模索するような、駆け引きもののクイズが登場する予感がある。しかし、なにが出てきてもSPY2/7のほうがずっと面白いとしか思えなかったし、ましてあのファントムには及ばないのではないかと思ってきた。SPY2/7が打ち切り(?)ということになり、イタチの最後っぺみたいにして、そのスタッフがパンドラの箱を開けてしまったという、文字通り一回限りのひと盛り。ショウアップはもちろんあるものの、鬼気迫るという形容はけっして大げさではなかったと思う。私的には、あの番組こそは一回で終わった、一回しかできない、ものすごいもので、まぢやべぇッツーか、もはや伝説であると考えている。
 それがなんと本日の深夜に再放送されるというのだ。まったく番組宣伝しなくてあんなものやっていいのかと思っていた。私は偶然に伝説に立ちあうことができた。スイッチつけたらやってたんだね。あのときスイッチをつけなければ、そして私がSPY2/7のファンでなかったら、アレをみることができなかったと思う。今日の番組表には、「ニューカマーズ傑作選・恐怖の脱出ゲーム!!ファントム」とある。少なくともザ・チーターが面白いと思う人や、ヘキサゴンにおいてシンスケのトークはもちろん面白いけど、実はそれより駆け引きこそが面白い、深夜のほうが面白かったという人は絶対にみた方がイイと思う。 ネタばれするわけにはいかない。それでもイイなら、今年の4月7日のエントリーをご覧あれ。そのときに引用した番宣の文章を引用し、その後書いたエントリーからネタばれしない範囲でを再掲しておく。

 舞台はとある密室。7人がこの密室に監禁されているところから、番組は突然スタートします。脱出の手段はただ1つ、「メンバー全員で、主催者から出されるミッションのうち3つクリアーすること」。そして、与えられた「制限時間は3時間」。ただし…7人の中には「ファントム」が紛れています。(ファントム=この監禁ゲームの主宰者が送り込んだ見えざる妨害者のこと)すべてのミッションは、それぞれ全員一致で出来たとき、クリアーとなるルール。メンバーは、その作業を通じて「ファントム」が誰なのか推測し、その人物を室内の檻に閉じこめ、強制排除することが出来る。こうして始まる3時間の脱出ゲーム。一体、ファントムは誰なのか!? 何人いるのか!?7人の中に何人いるか分からないファントムに、彼らは翻弄されていく。そして最終的に脱出できるのか!?見えない幻影=ファントムを警戒しつつ、疑心暗鬼の夜が更けていく。…そして、視聴者にだけ、恐るべき主宰者のある仕掛けが明かされるのだ。「スパイ2/7」チームが贈る、疑心暗鬼バラエティ第2弾!お楽しみに。

 キャストは、ふかわりょう光浦靖子おぎやはぎ森下千里ウェンツ瑛士和希沙也。ミッションは、スパイ大作戦仕立てで出る。ミッションは、漢字を読んだり、早口ことばを言ったり、小さい台の上にみんなでのっかって1分我慢したりといったもの。失敗すると、一人ずつファントムによってアポーンされてゆく。ふかわが森下を犯人扱いし、森下は泣き出す。というのは、ファントムじゃない椰子らのほうは、ファントムとおぼしきをアポーンできるわけ。その仕方がまたトラウマで、各人にみたてた人形をハンマーで打ち壊すの。ふかわが、森下の人形を壊そうとしたら、泣き出した。ふかわ「女の涙にはだまされないぞ!」。疑心暗鬼のテンションは、まぢがちで、アレがリアクションだったらすごすぎるよ。あれを思い出すと、この前の特番SPY2/7柴田理恵の表情の一つ一つすら、演技臭くみえてくる。ためるにためて人形をこわしたり、こわさなかったり。あるいは、間髪入れず人形をハンマーでぶちこわしたり、全員が疑心暗鬼にとりつかれる。
 オチがすごい。二度とできないものだと思う。SPY2/7という番組を封印してしまうということだったんだろうか。SPY2/7のオチのつけかたを何種類かつくって、今日はどのバージョンみたいにしたらぬるくなるんだろうな。トークで楽しませる大物一人と、ゆうこりんとか次長課長井上みたいなアホキャラとか、いろいろキャラ決めして、毎度おなじみにするとそれはそれで面白いのかなぁ。
 これはニューカマーズだったの?たぶん曜日がちがってるし。わけわかんない。しかし、これをまんまで八時台とかでやったら、きっと問題になるんだろうね。特に女王の教室仕様だとか、バトルロワイヤル仕様とか、ガキバージョンとかさ。癒しとか風刺とかおとぼけキャラとかつかって、懐の深いあたたかみのあるものにするのもむずかしいだろうしね。ザ・チーターはこうしてみるとなかなか考え抜かれたものなんだろうなあと思った。NHKで、昔の宮田輝さんや高橋圭三さんみたいなのを司会で「うそつきはどなたでございましょうか」とか私の秘密とかとんち教室みたいな仕様でやったりしたら、それはそれで笑えるだろうけど。