将棋ゲーム

 筆が進まないと、ついついゲームソフトを立ち上げてしまう。ぷよぷよとか、アルカノイドとか、昔からあるゲームなどを漠然とする。キーボードもマウスもいかれていて上手くできないので、適当なところでやめるからよいのである。囲碁もソフトはずいぶん前に買ったさほど強くないので、すぐ飽きる。困るのは将棋である。持っているのは東大将棋4という古いバージョンなのだが、それでもかなり強いのだ。
 最新最強ソフトは、アマ竜王戦でベスト16かなんかに入ったくらい強いわけだ。先日も森内名人とソフトが角落ちで対局するというイベントがあった。名人と角落ちということは、アマ名人クラスということだ。アマ名人がプロの名人と角落ちで対局するのは、恒例になっている。トップアマはプロ並みに強い。たまにはトッププロに勝っちゃったりもする。今日もトップアマの瀬川晶司がプロ入りをかけて対局中のはずだ。いままでに二勝二敗。六戦して分ければいいので、今日勝てば、プロになれる。そんなくらいのソフトを買って、素人は何をすればいいの?とか思うけど、たぶん中終盤の手筋を勉強するにはけっこういいんじゃないかと思う。時間のある対局ならまだしも、早ざしだとさらに鬼強い。だから昨日ついに将棋連盟はプロ棋士とソフトの対局を許可制にしてしまった。
 このニュースは多くの将棋ファンを落胆させたかも知れないが、私は心安らぐものがあった。私の持っているソフトは、今のものにくらべればぜんぜん強くないんだけど、それでもなかなか勝てないんである。時間制のものだと、待ったができるし、けっこう勝つこともある。しかし、負けると悔しい。なかなか小憎らしいコメントをしてくれたりするからだ。早ざしのほうは、駒落ちがやっと。スペックのいいマシンだと、飛車落ちくらいで、3級クラスということになっている。負けが混み出すと、秒読みとか、時間切れ負けなどもあるので、焦るし、性格にさしてくるコンピューターに非常にむかついたりする。
 しかも弱点を執拗にねらってくるし、頭に来るほど下品な手筋をくり返しつかってくる。私の持っているソフトは「両とり」と「入玉」が大好きなのだ。桂で両とりをかけるのをふんどしというが、道場などでのリアル対局ではなかなか喰らうことはないのに、しつこくやってくるのでかけられてしまったりする。ほんとうにひつこく、場合によっては大ゴマを斬ってまで両とりをかけてくるのだ。「なんて下品な将棋だ」などと思いつつも、熱くなっているとなかなか太刀打ちできないで、コロコロ喰らう。そういうのをかいくぐり追いつめたと思うと王様はトンズラをはかる。というか、かなり最初の頃から、入玉を視野に入れてさしていることが、あとでならべ返すとわかる。
 そんなこともあり、たまに必勝型になると、一気に詰みにもっていかないで、と金をたくさんつくり、相手のコマを全部とり、王を追いつめて行く。最後は、王様が同じところを往復するしかないようになる。そうしておいて、行く場所をなくすとコンピューターは投了する。アヒャヒャヒャヒャと笑っている自分に気づき、まぢやべーと思う。勝つまでやるので最近あまり筆が進まない。実はそれが一番ヤベーかも。囲碁は将棋ほど話題にならない。強くなったのだろうか。買ってみたいが、そんなことしていたらどーしようもなくなるよね。むかし三國志とか、ロマンシアとか、やっていたときみたいに。