村上ショージ:「原生林でのバカ騒ぎ」

 今回の村上ショージの一件については、横山やすしがタクシーのうんちゃんにあやつけたとか、ぼこったとかそういうものとはまったく違うことだとは思うけど、やはり責任はあるわけだし、本人が芸人として、ないしは社会人としてオトシマエをつければいいことである。もちろんとり囲んで−−とりようによっては−−拘束・罵倒したわけだし、被害者の人の精神的苦痛や怒りは想像してあまりあるものがある。今日日のキマリから言うならば、警察に逮捕拘留されなかっただけでもよしとすべきことなんだろう。そのことを大前提にした上で、正直昨日やふうでこの記事をみて、笑ってしまった人は多いと思う。この人らしいというか、しゃーないなぁみたいな。
 それにしても、「寛平のアヘアヘ世界遺産の旅」という番組タイトルのなんとコテコテなことだろう。そして、村上ショージは、もしかするといまだにネタやったままで、悪いとか悪くないとかそんな次元でものを言っていないのかもしれない。記事の書きようもかなり確信犯的に面白がっている部分がないとは言えないだろう。

 5、6人の動物の着ぐるみがバカ騒ぎしながら遊歩道に入ってきた。クマよけの鈴が貸し出されるほど自然が豊かで静かな場所。バカ騒ぎするのはおかしいと感じた」といい、「静かにしなさい」と注意したという。すると複数いた“動物”のうち“鳥”が怒り出し、「貴様、何いってんだ」「バカ、アホ」と悪態をついた。“鳥”は顔の部分に穴があり、ショージさんと分かった。

 「着ぐるみが入ってきた」「“鳥”が怒り出し」というので、私は正直腹を抱えて笑った。ただ、「この人頭がおかしいんじゃないか」などと言ったのは、さすがにまずいだろうと私は思う。が、しかし、あんまり「アホ、バカ」といわれたので、「男性は携帯電話で警察に通報した」という記事の書きぶりには、やっぱりしゃーなぃなぁというカンジはありありとうかがえる。そしてさらにこれに続く部分、

 通報で到着した斜里署員が男性に話を聞いていると、タレントたちが再び登場。ショージさんは警察官の横でも「アホ、バカ」を繰り返したため警官も怒り出し、ショージさんはロケバスに連れ戻されたが、そこでも「アホ、バカ」と叫んでいたという。

 なんか「アホ、バカ」が流行語になりそうな勢いである。「結局、署員の仲裁で、ショージさんが男性に謝罪することになった」というのも、なんかしゃーないなぁというか、滑稽な書きようだと思う。もしかすると、「『すんませんでした』とニヤっと笑って握手を求めてきたので『受け入れられない』といった。すると、ショージさんは『お前、訴えたら営業妨害で訴えてやる』といってきた」(男性)というのも、ショージの平生のパフォーマンスが目に浮かぶようで、この人はこういう言い方しかできないんだろうと思う。さらに、張本人のショージさんは「『上場企業なのでタレントよりも社員が謝罪した方がいい』『弁護士が指導した』と吉本側が主張した」(男性)ため、謝罪はナシというのも、本人は分かってないというか、いつもと同じカンジに思えたりもする。弁護士もへったくれもない人だし。つまり、ネタやって、それがまあ例の村上ショージ風であって、んでもってさんまちゃんとかが「もうええわ」みたいなことを言うと、不敵に笑ったり、訳わかんないこと言ったり。
 誰か大物がガツンと怒鳴りつけるのを被害者の人の前と、視聴者の前でやって、まだいちびっていたら、げんこつの一つも喰らわせ、さらに応分の慰謝をすれば解決する問題だとは思う。もちろん、人によっては、まあええやんけみたいに言いたいことはわかるし、もしかすると文化の違いによって起こった問題かもしれないとすら思う。つーか、なにが言いたくてわざわざ書いたかというと、こいつは言語道断みたいに筋を通すにしても、シャレやんけみたいにするにしても、あるいは「ワシも男や、あやまらん」みたいにするにしても、なんにしても、なんかオチがつきにくくなっているなぁということである。と同時に、カルトなファンがいる芸人が、ヘンなことで絵になっちゃったなぁと思ったりもした。