「鼻かんでいいですか」事件

 言うまでもなく、男子校というのは人にもよるし、また時代も違うのであまり同列に扱えないのだが、私の場合は男子校出身ということで、つい女性についてこういうししまいをめぐる話題とは無縁な存在として女性を考える、つまりあるときは観念的に、あるときは情欲的に抽象化して妄想するというところが、成人してからもあったと思う。しかし、教師になって、「トイレ行ってイイですか」みたいな発言にはしょっちゅう接してきたし、なかには「おしっこ行っていいですか」というぶっ飛ぶ質問も受けたりするうちに、なんつーか、こいつらも一生懸命生きているんだよなぁとか思うようになり、考え方も大分かわってきたよう思う。特に大学一年生くらいだと、子供っぽいことを言う人は多いし、ずいぶん大人びた奴らも、けっこうゼミコンパとか謝恩会とかで楽しそうにしているのを見ると、凝り固まった偏見が解毒され、リハビリを耐えずしているように感じる。しかしそれでもぶっとぶことはある。まえに掲示板に書いたことをここでも紹介したのですが、関連するネタとして再掲しておきます。

47 名前: い 投稿日: 2003/01/23(木) 11:09
 ・・・本日社会学概論の試験ございました。前期に徹底した点数主義をとったために、空気はピリピリしていて、これがワシの試験なんだろうか、シャレにならんなあと思いつつ、これこそがGPA導入後の大学教育かもねなどと、複雑な気分に浸っておりましたところ、前の方でシュタっと手を挙げるものが一名。学生「せんせー、鼻かんでもいいですかぁ〜〜??」。ワシ「(なにこの椰子、勝手にかめばイイジャンと思いつつ)ああ、そのくらいはいいですよ。出物腫れ物何とやらですし・・・」。学生「だから、鼻かみたいんですけどぉ〜〜!!」。ワシ「え?!?」。学生「だからぁ〜」。ワシ「あ、あのもしかして、紙持ってないの?」。学生「ウン!(とコックリうなずく)」。ワシ「(手鼻でもかんどけや、ごるぁああ、それがいやなら便所でも逝ってよし!!と思いつつ)トイレ逝けばトイペとかあるけどそれでもいい?」。学生「ウン!(顔がちょっと明るくなる)」。ワシ「(おいおいてめえで逝ってかんでこいYO!と思いつつ)はいじゃあわかりまスタ」。とその時、直前にいた上級生とおぼしき椰子が、「これでかんでおいたら?」とポケットティッシュを渡す。くだんの学生「ありがとぉ〜!!!!」。ワシ「(禿げしく逝ってよしと思いつつ、上級生に感謝を込めて)よかったね。それから君どうもありがとう」。ちょくご「チ〜ン」と快活に鼻をかむ音が試験場に響いたのでありマスタ。最近の学生さんは、権利意識が強く、勉学面での競争意識も禿げしく強いのですが、これをさらに鍛え上げるような教育をしていくことが健闘されているわけでありまして、それは勉強は身に付くだろうなぁ〜とは思いつつも、それこそ視野を広げたり、徳育をしたりと、いろんなことをしないと、お勉強好きのコマジメな学生量産することになるわけで、それでいいのかなぁと複雑な気分です。まあそんななかで、手鼻かむしかない状況の困った学生さんに、新設にティッシュを貸す人がいるというのは、悪いことではないでしょうねえ。ちなみに、鼻かんだほうの人は、どう考えても九州出身以外ではあり得ないような言葉遣いで、なんかなつかすぃものがありますた。以前あった「せんせ〜おしっこ逝っていいですかぁ〜事件」とか、「せんせぇ〜魚雷ってなんですかぁ〜、それは海のミサイルぢゃと答えたら、みんなノートとってた事件」などとはまた種類の違う複雑な事件だったように思います。