ベタペンス劇場

 くりぃむしちゅーのたりらリラ〜ンは、東京ベタストーリーに続く「ベタもの」。OL100人アンケートをとり、サスペンス劇場のベタパロディーみたいな映像をながし、展開をクイズにするというもの。西尾がアナウンサーなのに回答者になっていて、進行を上田が一人でやっているのが、なんとなく笑えた。まず最初にカマされたのが、ウンチクな一言。「ベタは笑いや感動の共有である」。たたみかけるベタがシュールというのか、はたまたベタのネタ化なのか。まあそんな理屈はどーでもよろしということで、さっそく始まる。
 まずは、出だし。長いタイトル。一人一人の紹介。ダイイングメッセージなどの象徴的な映像。「オープニングでだいたいわかるんすよね」。うううう。しらんかった。そうだったのか。金持ちは高飛車。あやしいぽいやつキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!! 、でも、っぽいやつはたいてい犯人じゃない。金持ちはバスロープ。そしてワイン。そこそこの芸達者が出ていても、演出も演技もベタ。そしてバスローブの背後に忍び寄る影。ここで問題1。この5の展開は。回答者一同凶器の相違はあるものの、ボコられて逝く。正解。ボカッ!→苦悶して振り返る断末魔のバスローブ「お、おまえは!」→近親者がハケーン。「あ、あなたぁ〜〜〜!!!」→やおらCM 。「お、おまえは!」にはワロタす。有田のフォロー「火サスはベタじゃなーい」。うそこけ。
 場面はかわり警察登場。黙々と作業する鑑識。そこであらわれる刑事は、がんこ刑事というのがお約束。あっとゆうまに目星をつける刑事。「待った!きめつけるの早すぎる!」と主人公。ここでは、花屋かなんかの菊池麻衣子ふかわりょうと同じ大学。w 刑事「また君か!」。ダイイングメッセージをめぐる推理。刑事でもない主人公、この場合花屋が呼びかけるとなぜか雁首そろえて集まる人々。あやしい。しかし・・・。主人公「これでふりだしね!」。あやしい椰子が自殺。これじゃない。そしてお約束のシャワーシーン。ふつう女性。背後から忍び寄る影。血しぶき。そしてCM。
 パターン化されたベタなどという生やさしいものではなく、映像すべてがベタといってもいいところがすげぇと思った。これシリーズ化するのかね。正直まだ何がやりたいかわからない。でもなんか面白い方向に行きそうな気がしないこともない。時代は洗練されたネタコミというンじゃないのだろうと思う。はれ物に触るようにして、意思疎通している臆病な若者がいる。親しい者たちの間のコミュニケーションの洗練などとくくる議論もあるけれども、これは洗練されたネタのコミュニケーションなんかではないと思う。自分を安全な場所においておきたい。かっこいいところからものを言う。そんな構えは、あまりにもベタで、必死だ。傷ついた人々は、ガチで破壊衝動や敵意やなにやらの鋭い切っ先を制御できないで垂れ流している。そんな時代だからこそベタなのか。などと話していると、ベタもネタもへったくれもなくなってくる。