SPY2/7 復活SP

 特番ファントムを最後に、終わってしまったSPY2/7は馬路面白い番組だった。7人のゲーム参加者のうち2人がスパイ。そしてあとの5人がプレイヤー。クイズが出題され、そのクイズの解答をめぐって合議が行われる。でもって、7人が交代でつとめるディレイター(DEL=消し屋)が代表でクイズに解答する。正解だと次のターンへ。不正解だと、そこで一人をディレイトすることになる。スパイはプレイヤーを消し、プレイヤーはスパイを消す。誰がスパイかはわからない仕掛け。スパイは知っている。スパイは協力して、プレイヤーを全部消すことが、そしてプレイヤーは見破ってスパイを消し去ることがゲームの「あがり」となる。合議のパフォーマンス、回答のパフォーマンス、そのパフォーマンスをめぐるスパイあての推理がゲームの妙味をなす。出演者はそれなりの人々で、妖しいやりとり、かけひきが行われ、インサイドワークや、会話によって織りなされる番組は抜群に緊迫感があって面白かった。
 最後の特番ファントムなんかは、スパイがファントムにかわっただけやんけ、と思っていたら、スタッフの気迫がカンジされるようなパフォーマンスが展開され、そして最後ファントムあてがわけわかめになり、え?なに?と思ったら、ファントムは出演者の誰かではなく、あなたの心の中にいるのだなんてオチになっていて、やられたZE!みたいなカンジで、ホントに面白かった。だから、終わっちゃったのは馬路残念だった。しかし、これだけ込み入った推理が展開される番組が、推理の場合分けなどが、わかりやすいテロップなどで示されることもなく、ナレーターの「説明しよう!」みたいな解説を入れることもなく、つまりはそんなことをしてテンポを愚図にすることはなくして、緊張感のある番組の進行がなされるとすれば、さほど多くの人は見ないのかなぁとも思い、仕方ねぇなあとか思っていた。それが、本日お台場明石城が一回休みみたいなカンジでSP単発で放映された。出演は森下千里谷原章介カンニング竹山勝俣州和叶美香ふかわりょう柴田理恵。司会はおなじみ長井秀和
 真っ先に消されたのは、森下「しょうがない。私が一番消しやすいから」にはワロタす。平生の鬼バカなパフォーマンスは不発に終わり、なんとなく外連味タップリで知性歌舞伎まくりの竹山がむかついたみたいで、「あいつぜってースパイだよ、ちょーむかつく」みたいにずっと控え室で騒いでいたのもワロタす。森下はプレイヤー。一問目のクイズは信号の人の絵とリカちゃんとどちらが大きいというもの。ディレイターはふかわ。スパイなら答を知っている。そして間違えた。わざとか、知らなかったのか。読み合戦が始まる。ふかわ、柴田のアホキャラだけど高学歴、勝俣、竹山みたいなアホキャラだけど知性派、クールな谷原と叶美香というような役回りで、かつ全員がよい人キャラと邪悪キャラが混在している。
 二問目くらいまでは、クイズをめぐるリアクションも面白い。街で男性ヤングドキュソ100人に聞きました。「柴田理恵と女装の谷原章介どっちをだく?さあどっちと答えた人が多いでしょう??」。ふかわがさわぎまくるが、柴田「私に決まっている。いちおー女だし」。ふかわ「ボクなら谷原さんの方が(・∀・)イイ!!」。そしたら、谷原と答えた人が多かった。わはははは。谷原派の声「母より年上はきついッス」「まちゃみなら迷った」。柴田「ごるぁあああ」とキレまくり。わははは。柴田派のニート青年「むしゃくしゃして選んだ反省している」。つくり臭いが笑いますた」。ここで竹山ロジカルな分析を展開し、パフォーマンスの動向を知的に整理する。この切り口がなかなか鮮やかで、おおおおと思う。森下「竹山スパイじゃねぇの。きまりだよ、あやし杉。ごるぁあああ」とキレまくっている。ディレイトは、なんと谷原章介。メガネをとったりはずしたりするのが妖しい。谷原クールに退室。谷原「竹山さんがあやしい。まだおわらない」とかっこいい捨てぜりふを残して去る。谷原もプレイヤー。
 次のクイズで、柴田とふかわが罵りあう。どっちかがスパイなのではないか?ちょっとした一言がスパイ同士かばい合っているようにも見える。竹山、ふかわと柴田の罵倒合戦について、「スパイ同士の猿芝居かも」などと、斬新な切り口から推理を展開。そんなこんなで、ふかわがディレイトされることに。ふかわ「意味のある殉職だ」とわけわかめな捨てぜりふ。そしてふかわはプレイヤーだった。「竹山と柴田があやしい」と騒ぎまくるふかわ。次のクイズはディレイターが叶美香。沈黙を保ち、微笑するだけだった。妖艶な笑みは、邪悪に輝く。しかし、美香は正解する。え?これって何?素なの、それとも高等戦術なの?わけわかめ。で、ディレイターは勝俣へ。勝俣は、間違え、そして当然のようにあやしいあやしい竹山を消した。竹山「トンでもねぇことになるぞ。人間不信になるぞ」とキレまくり退場。竹山もプレイヤー。竹山について「これまではスパイじゃなかった」とゆっていたなどと証言を交え、あやしいと騒ぎまくる森下千里
 そして最後のディレイターは柴田理恵。不正解して、美香を選ぶ。そして、勝つ俣と二人がスパイであることをカムアウト。叶美香「悲しい」と大ショック。勝俣会心の笑みを浮かべる。美しい邪悪にアホ森下「かっこいい!」。柴田「ふかわを泳がせているようで、実は竹山を泳がせていたのよ。あいつ論理的に説明するし、いい切り口でものを言うでしょ」とどんな問題の勝利宣言。たしかに泳がせ、知性派っぽく歌舞伎まくらせ、ちょーしにのらせたけっか、勝俣は自然に竹山をディレイトし、勝負を決定づけたといってもよいだろう。
 土曜の三時ころぐだぐだこの番組をやっていたのは非常に面白かったし、印象深いものがある。ファントムはさらに深夜で、しかもなんの番宣もなく、見られなくてごるぁごるぁ2ちゃんで騒いでいる椰子も多かった。またときどき見られるといいなぁと思う。