村松恒平『秘伝』

 ミルズ本だが、ほぼ土台はできあがったのであとは一つ一つ章を書いて行けばよい。書けるかどうかわからないが、書けたら書けたで今度は売る努力をしなくてはならない。『下流社会』は4日で5万部だと私信にあった。すげぇ。『サブカルチャー社会学』が600部あまって青息吐息。私に売れるものが書けるとも思わないが、600がなかなか減らないのは悲しいものがある。wまあしかし、少し気がゆるんで、泳いだあと阿佐ヶ谷にぶらつきにいった。まあ歩けばまた思考がはたらくという期待もある。少しぶらついて、南口の本屋へ。改訂版の出た『日本語の作文技術』を買おうかと思ったがやめた。骨子は同じだと思ったから。そのかわりに『秘伝』という本を買った。著者村松恒平。「プロ編集者による文章上達秘伝スクール」シリーズの壱。『文章のバイブル』と呼ばれてきたものらしい。

秘伝 〈プロ編集者による〉文章上達スクール (1)

秘伝 〈プロ編集者による〉文章上達スクール (1)

 Q&A方式で、文章を書き、発表するコツについて、「実用性と深み」のある秘伝がならべられている。こういう本はあっという間に読んでしまう。学問の本は日本語でも一ヶ月くらい読むのにかかるのに。遅読などと諧謔のつもりだったが、学問的な情熱のぶれ揺らぎを再確認してちょっと悲しかった。一番印象に残ったところ。「欠点の探し方」。書いたものの欠点をどう探すか?文章は、発表してはじめて完結する。そういう意味でネットは革命的なツールである。つまりネットに書くと、相対化されて読者の眼でそれを見出す。そして欠点もたちどころに見えるようになる。手書き→ワープロ→ネットという進化において、書き手の頭をクールダウンして、読み手の頭をアップする時間が革命的に短縮されたと私も思う。
 ブログにいろいろアップする。更新してエントリを読むと、冷酷なまなざしで自分の文章を見ることができるようになる。毎日、消してしまいたくなる。それを抑制して、書き散らすそばから、シビアに書いたものをチェックできる。たまにはコメントももらえるわけで、まことに面白いかぎりだ。そういう意味で何かを探すためにブログを書き始めたのは、それなりに正解だったとは思う。受講者の人に「文体がキモイ」などとかかれていはするが、それはまあ確信犯みたいなもんだし、この場合自虐もまた一興ということになるかと思う。他にも卓抜な回答がいろいろあり、どこからでも読め、今までこの本を知らなかったことを、少し恥ずかしく思った。 
帰って「北野タレント名鑑」を見る。萩原流行が「もうでねーよ」などと言ったのに、二回目も出て、さらに三回目も出ることになったのが、かなり笑った。しかもだまされて。アイマスクつけられて、撮影スタジオに連れて行かれる流行。アイマスクをとったら撮影開始!「俺帰るぞ!」とわめき散らす萩原。しかし、結局出ることになったみたい。羽柴まゆみという女性格闘家が出た。今はデビューしたころのミミ萩原状態で弱いらしい。「弱くて喰えないから、パチスロで喰っている」には大笑い。写真集とかも出していて喰えないというのはネタじゃないとすればちょっとビックリだ。類家明日香とかもパチスロでくっているんだろうか、などと思って笑いが止まらなかった。「ヘンなファンもいるでしょう」というタカの質問に、「しめて落としてくれというのがいます。だからスリーパーでオトしてやります」。まぢかよ。やばすぎるな。林家ライス、カレー子の娘、林家まる子というのが出ていて、これは三味線漫談みたいな椰子。正解アップダウンモーションの時、小粋に三味を弾く。「一家4人イロモノです☆」には大笑い。顔だしになったが、ライスにそっくしで大笑いだった。