猫ひろし@にらめっ魂

 で、あっちゃこっちゃまわして、あざーっす!にザッピングすると今宵もにらめっ魂であり、なんと猫ひろしが出るということで、本日はSakuSakuはおあずけに。猫ひろしは竹山との一回戦。竹山もそんなでかいほうじゃないけど、猫ひろしは半端じゃなくちいせぇ。しかも、落ち着かないことこの上なく、ポーツマスポーツマスなどと騒ぎながら、対戦相手に話しかけたり、にじり寄ったりめちゃくちゃ。「間」もへったくれもないから、相手もなかなか笑わないんだけど、ともかく防御がすごすぎる。モハメド・アリがフォアマンのパンチ殺しまくった時みたいな感じ。板尾と柴田「猫さんは攻撃吸収しまくっている」。だいたいにおいてひねったこと言ってもわからないみたいなの。「猫ひろし秋分の日わかってない」というのはあれにしても、ピンと来ないみたいだし、自意識がぜんぜん普通の人と違うし、攻め入りようがない。
 オフェンスはめちゃくちゃ。最初から、やばい系のシモネタらしきものを出し、ピーが入っちゃった。柴田「のっけから、最終兵器つかってくるからなぁ」。しかし、猫はすごいことをやってみせた。回答ボタンを押すと跳ね上がるプレートみたいなものの上にガムをおいてやがんの。竹山に向かって放物線を描くガム。そして竹山はふきだした。このあと勝負がつかず、ノーコンテスト。猫が一本とっているのに判定勝ちにならず、じゃんけんで勝負。そして猫の勝ち。「ちょっとやばかった」。一同「何が?」。猫「ハチミツ二郎は師匠だからでてきたとき笑いそうになった」。まったく、わけわかめな椰子だ。
このあとはチョップリン小林とガリットチュウ熊谷の対戦。熊谷工夫を凝らしたネタを炸裂させるもすべる。この企画はすべると痛すぎる。一同「村上ショージなみ」。わはははは。しかし、熊谷は勝って決勝へ。猫ひろしは熊谷に近寄ったりしつつも、得意のびーちくちろちろ弄り系ネタをかましたあと「What is this?」で一本をとる。しかし、ボタンを押さずに、クソ長いネタかましたり暴走したので、柴田が「ノーコンテスト」を宣言。ふたたびじゃんけんへ。そして勝ってしまう猫ひろし。じゃんけんだけで優勝した猫ひろし。って、これじゃあムシキングじゃんかよ。あったく。
 しかし、この番組は非常に奥が深い気がしてきた。アドリブでネタをかますっていうこともあるけど、相手は相棒じゃないし、しかも虚を突いて笑わせなくてはならない。「間」のとりかたの困難は半端じゃない。竹山や山崎など、芸人の芸みたいなものが丸裸にされるような面白みがある。こっちもクイズの答をいっしょに考えていて、とっさに思いつくのはきゃんたまくらいしかなかったりするのを、芸人の人はそれぞれの型でちゃんと切り口というか、ポイントをつくってくる。もろベタで答えたり、相手の答をひろったり、突然馬鹿なパフォーマンスしてみせたり。シュールあり、わけわかんないニュアンスネタあり。一発芸めかしたネタあり。つらいことさせたり、ひどいもの喰わせたりという定型的なネタもまあ面白いことは面白いが、さすがにイヤになるときもある。それより笑いのいろんなあり方を膨らませて、作家も、ディレクターも、プロデューサーもクソ食らえみたいなところをもっと見てみたい気がしている。
 板尾の面白さは、他の芸人とは異質なものがある。最初はフラなのかと思っていたんだけど、そうとばかりは言えないところがある。この板尾と、もう一人司会の柴田は絶対出てこないのね。この二人は悪魔のように面白そうなんだけど。しかし、この二人は番組のヘソみたいな存在として、あってリアリティをつくりだしているからよいのかも知れない。りちゃほでは、笑いのいろいろなかたちを実験的に試行錯誤しているようなところがあり、興味深かった。コントが金がかかるということであるとするならば、そのエッセンスをこういった経済的なかたちでパフォーマンスできるような企画で楽しませてもらい対なぁと思う。それにしても、あざーっす!の世紀の瞬間はどうなったのだろうか。そんなものはどーでもいいけどね。