ひょっとしたらと思い大学に出てきた。前にコンピューターの更新があったときも予定より早くLANが開通していた。予定では金曜からなのであるけれども、今日使えるかもと思った次第。はたして開通していた。高速LANを使うことができるようになったが、どのくらい違うかは私程度の仕事ではわからないが、新鮮な気分で仕事をこなし、ネットでニュースなどをみる。総選挙がらみでは、小泉政権&自民党の支持率が7〜8割になり、今度かぎりは、ぜってー選挙に行くというのが7割以上もいるらしい。敗戦の焦土に立ち復活を誓った人々に、バブル崩壊後の自らを重ねようとするムードがあるとすれば、ぬるい妥協的な議論では勝つのは困難だろうとは思う。2ちゃん的に対抗しようって言ったって、だめだろう。ネガティブキャンペーンを祭でやるとかしても、たとえばジークコイズミ、ハイルコイズミ祭とかして盛り上がりまくったとしても、かえってポジティブキャンペーンになってしまうかもしれない。新自由主義と国家主義、マドンナと反共同参画などなどの亀裂がなぜか見えにくくなっているのはなぜなのかなぁ・・・などとろくに選挙にも行かないような私としては、柄にもなく政治の記事などを読んだあと、今度は里谷多英選手起訴猶予の記事をみる。モーグルで勝ったときの実況は「前畑頑張れ」に匹敵するぜということは何度話しても笑える。解説のドキュソなあんちゃんの「タエすんげぇ〜」連発には、馬路ワロタス。その後びっくりしたのが、武蔵野市の小学校で西原理恵子の『毎日かあさん』が問題になっているということだ。
漫画「毎日かあさん」を巡り、漫画家西原理恵子さん(40)と東京・武蔵野市の間で論争が起きている。西原さんの長男(8)が通う同市立小学校が、西原さんに「学校を作品の舞台にしないでほしい」と申し入れたためだ。
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「毎日かあさん」は、武蔵野市やその周辺を連想させる街を舞台に、西原さんの長男や同年代の子ども、母親を思わせる登場人物の日常をコミカルに描いており毎日新聞で連載中。昨年、文化庁メディア芸術祭賞、今年は手塚治虫文化賞を受けた。問題となったのは、授業参観の場面。主人公の母親が、落ち着きのないわが子を含む児童5人を「クラスの五大バカ」と表現し、ユーモアを交えつつ子どもの成長を見守る内容だ。
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050831i106.htm
議論の争点が、「表現の自由か教育的配慮か」となっている。新聞社のチェックを経て作品になっているわけであり、その枠内で描いている以上、そちらとのやりとりを経ずに親を呼び出すのは何事かみたいなことがあるんだろうし、こういう議論になるのはわからないではない。ただ、そんなきれい事のつまらない理屈の応酬で終わらせないで、議論しただけのことはあったみたいななにかが出てこないかと、期待している。期待というと誤解を招くかもしれないが、期待しているのである。自身不登校で教育評論家のバックアップなども受けながら、問題を解決し、その後美術大学に進学した経緯もある西原理恵子であり、また逝く道逝きますみたいなガチな制作姿勢を貫いてきて、そこに浮かび上がる洞察はうわべの正しさを超えた説得力のあるリアリティをつくりだしてきたわけだし、あえて描いていることの意味あいと、今日の学校の閉塞状況を照らしあわせ、なにを言い出すか楽しみである。倉田真由美なら、絶対このような問題は起こさないだろうし、起こっても上手く妥協して調整するのではないかと思う。しかし、サイバラはとことんやる人だと思う。「本町小学校の三大バカ」と言われた私としては、教育でなにが大切だというようなことをめぐる意義のある議論、論争に育っていかないかなぁと思う。個人情報にしてもなににしても、理屈は立派なのだが、なんかしっくりとこないものがあって、なんか違うんじゃないかとおもっているところがある。サイバラの作品はその辺をかゆいところに手が届くように描いていて、とてもあたたかな作品である。そのあたたかさを、表現の自由と教育的配慮というような強暴なことばのゲームに抽象化するのではなく、あたたかな内実が教育現場に実現していくようだとよいのだがなどと思う。
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2005/03/31
- メディア: 単行本
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