チャン・ドンゴンの叫び

 韓国ドラマがブームと言われて久しい。私は、『イエローヘアー』のジャケツとラストにまずぶっ飛んで以来、『シュリ』『カル』、『殺人の追憶』、『箪笥』、『猟奇的な彼女』など映画のほうはかなりみてきた。原色からセピアまで独特の色彩感覚だとか、柳済斗のボクシングファイトを彷彿とさせるような激しくひたむきなアクションシーンなどをみると、焼肉喰ってるよなぁ!などと思ってしまうし、実際いいものが多いんじゃないかと思っている。ところがドラマのほうは、ヨンサマくらいしか知らないし、兵役で鍛え上げたであろうところの強靭な肉体と、さわやかな笑顔、とくに口元、っつーか歯、−−デビ夫人はヨンサマの歯がせくすぃだとTVでゆっていたけど−−かつらまでつくられた髪形、マフラーなんかと、あと妙に不自然な吹き替えと、コブシころころころがしまくり、歌舞伎まくりの台詞回し、そしてどこか懐かしいセットなどはまあ慣れれば味わいであるものの、あまりに展開が遅く、描写が丁寧なので、テレビ中継見ているのに「早送り」のボタンを押してしまったことも一度ならずで、メッタに見ない。
 ただ妙にインパクトのある台詞があって、耳に残ることもあった。たとえば、天国のなんちゃらとかゆうやつの「おにいちゃん」のリフレインとか。で、OZIO(オージオ)ビタナリッシュクリームのCFにおける「あなたが好きです」というチャン・ドンゴンの叫びをみて、人気の秘密を垣間見たような気がした。一応オージオのサイトから、このCFに関する記事を引用しておく。このサイトから、CFをみることもできたりする。

 株式会社オージオ(東京都中央区)は、韓国四天王の一人でもあり世界に通用する実力派韓国俳優「チャン・ドンゴン」を起用した“OZIO(オージオ)ビタナリッシュクリーム新TV-CFを、2005年6月10日(金)よりOAいたします。今回のTV-CF「告白篇」は、韓国・仁川(インチョン)からほど近い「信島」の海辺で撮影されました。水平線が広がる海をバックに、チャン・ドンゴンが日本の女性に向かって「あなたが好きです。あなたの肌が大好きです」と日本語で叫ぶという構成です。普段のスクリーン上で見せる男性的なイメージとはまったく違う、優しい彼の一面を垣間見ることができる注目のCFです。通販化粧品の販売企業として、「女性を美しくしたい、キレイにしたい、美の喜びや楽しさをより理解し豊かになるようにしたい」との経営理念をベースに活動を続けるオージオ。このメッセージをチャン・ドンゴンに日本語で語ってもらい、オージオの想いを皆様に伝えていきます。これからもオージオは「女性の美に関する総合サービス」を提供し続け、お客様に満足していただくために邁進してまいります。
http://www.ozio.jp/jang-donggun/050610press.html

 サイトにあるこぼれ話もなかなか面白い。たとえば、ドンゴンさんが、そんなスタッフにも、やさしい気遣いを見せていたとか、 リハーサルで「あなたが好きです!」とドンゴンさんが叫ぶと、「女性スタッフからは黄色い悲鳴が・・・。スタッフがドンゴンさんの上手な日本語に拍手を贈ると、恥ずかしそうに照れ笑いをしていました」など。ファンたちの「母性本能」くすぐりまくりでつか?と、ツッコミいれたくなるような、あまりにベタモロな描写であるものの、まあそこがよいのではないでしょうか。ドンゴンさんからのメッセージ「女性の外見というのは持って生まれたものだと思いますが、肌は自分の努力によって作ることができると思います。私も肌が綺麗な女性が大好きです。皆さんが、肌のお手入れに気を遣ってこれからもずっと健康で過ごされるように願っています」。また思い出してしまった。トリンプ川柳。「冬ソナを勝負下着で見てる母」。勝負下着の次はお肌の手入れということで・・・。
 このCFをみて、韓国ドラマの人気がわかった気がした。気がしたが上手く言えない。上手く言えないが、思い出したのは韓国の男性と交際していた教え子の話。あくまで「韓国の男性」というカテゴライズはしたくはないのだけれどもと前置きをした上での話だけれども、今まで会ってきた(日本の)男性たちがもにょもにょしていたのが、かざらず、素朴に、ズバッと真っ向から言うところにひかれたと言ってた。