「電車男みたいな恋してみたい」(お題拝借)

 まあそんなわけで、朝からネット。なにやってるんだろうねぇと思いつつ、なかなか勉強がはじまらない。途中、某独立法人から課題レポートが届く。ひとつ手にとって表紙をみたら、「担当教員」と書いてあった。「教官」は官尊民卑の伝統もあるし、イクナイということで、肩書きに「教員」を使う人も多い。他方、ここに常勤のいやらしさをみる小谷野敦氏のような見方もある。官尊民卑とも言えないか。出身大学も勤務大学も「民」なのに、「指導教官」ということばをつかう知り合いがいる。なんツーことを考えて、ネットをみている。で、id:june_t さんちのみくしみていていたら、けっさくなスパムメールが紹介されていた。出会い系の紹介サイトのこんな人いますよみたいなコーナーから。

 ネットの純粋な出会いに憧れてます。オタクの人とかも、一生懸命なところが母性本能をくすぐるんですよね…。私はエルメスみたいに端正な人じゃないかもだけど… よければ、私達もネットから恋愛始めてみませんか? 連絡先の交換とか、したいです。

コメントとして「電車男はネットからはじまってないし」みたいなのがあり爆笑。ボクにはこのスパムは来ていないので、オタクと思われていないのかも・・・などと思い、ちょっと幸福な気持ちになる。w ドラマも映画も電車男は好調と聞くが、映画なんかは実はアニヲタ垂涎系マニアックアニ試写会状態、つまりはアキバ系の熱気ムンムン状態なのかなぁとか、アホなことを考えていた。まあしかし、それでは初回18%ごえという視聴率にはならないだろうと思っていた。集中で岡山に行ったときに書いたかどうか忘れたけど、9時過ぎに岡山駅に着き、宿にむかう途中、チェックインをすませてメシを喰いに出かけた道々において、前期テストの打ち上げに来ていた大学生や、暑気払い花火前夜祭に来ていた社会人たちに多数であったが、「急がんと電車男まにあわんがぁ」だとか、「もうみられんかなぁ」とか、電車男トークが街角で花咲いていた。真剣な表情で、家路を急ぐチャリ軍団を複数目撃した。もしかすると、平成版「君の名は」になっちゃったりしてなどと思い、ワロタ。
 なんかさぁ、みんな純愛とか好きなんだったらさぁ、国策としてそんなドラマ、アニメやりまくりで、さらに「がんばっていきまっしょい」みたいなのも、スポコン路線でガンガンやったら、ニート少子化も解決じゃない。そーすりゃ、自虐教科書云々も逝きすぎ参画教育云々もへったくれもなく、もっと効果的にこづくりがんば、おしごとがんば状態にならなくない?勇ましくウヨ言説言いまくるのは、サービストークとしてはともかく、実効性としてはなんだし、見せしめの刑罰より規律訓練だってゆっている思想家もいるわけだしぃ・・・。みたいなことを、集中で言ったら、「ちげーよ」とゆわれてしまった。ブラックぶったくだらないギャグは、完璧スルー。「ずれている」と一言言われた。
 私が話したのはこういうカチンコチン国策礼讃ギャグだけではなく、シンデレラコンプレックスの男バージョンねたっつーか、要するに電車男コンプレックス、電車男脳みたいな言説が出てくるんじゃないか、っつーかもう出てるのかなみたいなことも話した。「ホントはあなたは素敵なのよ」みたいなことだったっけ。あれ聞いて。キター、萌えーと脳内でAA炸裂しまくり、ディスプレイみるような目つきで、自然に指がキーボードタッチな動作をはじめる。だから、子どもできないとか言いだす椰子とかいねぇかな。そんな話をした。だとすれば、出会い系のキャッチ文としては、的はずれなのかしらね。萌えないじゃない。電車男脳なら。それとも、チャレンジアリーナと癒し励ましアリーナとかわかれているのかしらね。なんか請求来るとヤダから、パソコンに疎い私はURLクリックしてないけど。
 しかし、こういう広告は劣情のデパートのようですね。ドキュソ週刊誌の、通販とか、エロと暴力の吹きだまり。この眼鏡をかけると透視できるとか言われ、バッタモン買ってしまう人がいるんだろうね。高級淑女と交際してアルバイトなんていうのは、社会問題にもなりましたね。萌え萌えで応募して、お試し登録で一回は萌え萌え。やるぞ、おれは、目指せ大金持ちとかいうことで、何十万も入会金はらって登録したら、二回目に客からクレームが付き、入会金没収強制退会ならまだしも、ケイゾクならさらに金。辞めるなら賠償金てめーで払えみたいな。最近はワンクリック、ワンコールで請求なんてこともあるだろうから、大変な話だ。ついでに言うと、バッタモンばかりではなく、実用的なものもあるわけだ。昔はアイアンナックルとかあった。ナックルつければ、君にもブロックが割れちゃうとか。今は、妙な広告がたくさんある。一番笑ったのは、防弾チョッキ、防刀チョッキ。買う人いるんでしょうね。コンビニで立ち読みすると、いつも乗ってるし。
 それはともかく、集中の受講者が言っていたのは、電車男コンプレックスはずれているということだ。性経験がある人自体が少なかった時代に比べ、最近は大学入学前にフツーにある。できないということがない。こづくり年齢くらいになると、しらけちゃってるんじゃないか。統計的な根拠はないけど、まわりを見てきた範囲ではそう思った。そんな話をしてくれた。女性の受講者もいたが、わりと同意みたいなカンジ。若い人ならではの背伸びをした誇張もあるとは思うが、話としては印象に残った。どうでもいいことだが、受講者はみんな学区で一番偏差値の高い県立高校の出身者である。特に驚いたと言うほどの事例ではないけれども、電車男現象を通してみると、もっともらしい言説のもっともらしさというものを、慎重にみていかなければならないと思った。