華光軒再訪と表町文化論

 今日は岡山時代の同僚と待ち合わせて、華光軒に行った。この店のことは何度もぶろぐに書いている。この元同僚たちとは、何度も食事に来た店である。夕刻過ぎると、すぐカーテンが閉まる。休んでいることも多い。店は超目立たない、狭い路地奥にある。しかしおいしい。もう少し高めの店に行こうという話しだったが、やはりよく行った店に行きたい気持ちがあった。大学運営のためにいろいろな研修が増えたとか、予算の傾斜配分がよりきつくなったというような話をいろいろうかがった。詳しくはいえないが、額には正直驚いた。かけられているいろいろな縛りから、求められている研究・教育の輪郭のようなものが見えてくる。
 マスターはそういう話には、絶対に入ってこない。また、ほかの人がしていたそういう話を噂話としてすることはない。つまりは、信用できる人ということである。そのかわり、たわいのない元同僚や顔見知りの近況だとか、街の情報などについては、いろいろ教えてくれる。ここにこんなビルが建つとか、ここはどこどこが買っただとか、あそこはなくなったみたいな話。そういう話は、フィールドとしての岡山市を完全には切り捨ててはいないので、非常に興味深く思った。
 今回の帰岡で最大の収穫とも言ってよい情報を、元同僚から得た。朝日新聞にでかでかと、うちの大学の卒業論文の話が出たというのである。主題は、岡山の表町商店街の文化を考察したものらしい。なにかの用事で訪問して、興味を持って通いつめ、卒論をまとめたのだという。現代文化学部卒業論文だという。私の勤める学部とは違う学部であるが、ちょっとうれしかった。しかも、それは岡山の出身者ではないらしい。卒業後は住みたいとまで言っているなどと記事に書いてあったということである。帰ったら、早速調べてみようと思った。こうした卒論を書く人は少なくないと思うが、記事にまでなる人は少ないだろう。面白い論文なのではないかと期待がふくらむ。比べて、うちの卒論はアレかなあとも思ったが、それぞれに落とし前をつけて書けばいいわけだし、何も比べてどうのこうの言うこともねぇかなぁと思った。一定水準をクリアしていれば、あとはその人なりの按配でやればよいのだと、私は思っている。