ローカル番組

 明日から集中だというのに昨日は夜更かしをしてしまった。なぜかというと、教材にするビデオの準備とノートづくりをしていたのである。モーニングKSBやSakuSakuといった基本のものは、すでに準備できていた。前者は自分が出ているものも見つかった。昔のものだし、見せてもいいんじゃないかなぁと思っている。後者は増田ジゴロウバージョンと白井ヴィンセントバージョンの双方を準備した。後者にはパフィーが出てきたものの録画も含まれている。と思ったら、パフィーがやっていたころのものもどこかにあったことを今思い出した。大失敗だ。
 そんなもので何をやろうというのかということだが、講義はライフスタイル論。メディア消費ということで、いまどきの消費スタイルなんかをローカルという観点から論じる。〆は「私は東京が大嫌い」ということにする。東京にはカッコをつけたほうがいいかもしれないんだが。ともかく序論だけは決めた。お台場明石城に愛媛の放送局スタッフが出てきたときのやつ。自分プロモに、なぜか放送局の社長がこの椰子をよろしこなどと言いつつ、ちゃっかりでてくるわ、さんまちゃんを愛媛に呼んで嫁をとらせましょうという、地方都市の凶暴さをむき出しにしたような企画に、原夏美Pがぶちきれたのか、温情のかけらもない酷薄なコメントを浴びせかけ、ぼこぼこにしたのも記憶に新しい。これが録画してあったのだ。もっともぼくには、このスタッフは技術と年季と、あとギョーカイぶっているだけの人葉足元にも及ばないようなセンスのよさだとかそういうものもあって、しかしいろんな人の顔が浮かび、にゃんともにんともがんじがらめに顔をたてまくり、わかっちゃいるけどあんなふうにしか田舎のポップパンクを表現するしかなく、でもってカチンコチンローカルでありつつも、なんか中央のフジテレビに出てしまいますたニャハみたいなしたり顔もあって、それなりにブルースなのかもと思わないこともないのであった。もちろんそれは流線型に話が突き抜けていかない自分の投影にすぎないのかもしれない。
 あとは実はそんなに決めていない。っつーか、私はあんまし制御的にというか、独白的にというか、ひとつの主題を精密に分節化して、丁寧に論じることは好きでないというか、むいていないところがある。まあ、適当にボールを投げてみて、投げ返され、また考え、みたいにしないと、話が前に進まない。それは、それなりの理論的な裏づけがあって、いわゆるgeneric というか、ブルーマーの方法論にまなんでいることはいる。その前提には、ケネス・バークやミードやミルズがいるのである。それはともかくとして、シラバスだって形式的なものになりがちだし、講義評価とかでも、シラバスの有効性の評定は低い。でも同じような人はきっと多いと思う。とある先生は、「話してみなければわからない」というシラバスを出して、物議をかもしたという伝説もある。これはどっちがいいという問題ではないと思う。音楽の人で、ライブ即興が好きな人と、作りこむのが好きな人がいるのに似ているんじゃないか。頼りになるプログラムを提示してくれないとだめな学生にはつらいだろうなぁと思う。そういうプログラムが幅を利かせている。
 それはともかく、さくさくとモーニングKSBは決めたんだから、あとは補助的なものを選ぶ。まじめな岡山県の紹介のビデオなどはもちろん用意した。『サブカルチャー社会学』が一応テキストだから、そのなかのものを説明することは非常に重要な課題となる。ただ、反応をみて、行く方向に行けばいい。教材は岡山で補充できる。実は、エンケン&レオナのワイルドクッキングを持ってきてしまった。はっきり言って、ちょーしこいているだけ。理屈はローソン限定。怒られるかしら。あと浜田真理子のライブ映像少々。全部はさすがにまずいから。本当は、『情熱大陸』の浜田真理子のやつをヤフオクで買いたいくらいだが、どのくらいの値段になるかわからないし、いいことじゃないと思うからしてない。TBSが情熱大陸のビデオを出してくれることを切望する。ぼくは正直言って、プロジェクトXよりずっと面白いと思っているんだけど。