上野洋子『自然現象』

 社会学史非常勤の帰り、まだお昼には早いので、吉祥寺の新星堂によった。上野洋子の『自然現象』を今日こそ買うぞと思ったからだ。みくしのこみゅででるなり話題になっていたが、上野洋子@メジャーにもマイナーにも、ザバダックにも、もといまーしめろうにも、ヒーリングにも、ニューエイジにもなく、まさかとおもってあにそんげーそんもみたけどなく、とりあえずしばらく待ってみようと思っていた。それが、みくしで、「野苺」を1日中聴いているとか、次点は満点星だとか書いてあって、やっぱかうっきゃねーよなぁってことで、今日は店員に質問してでもかおうとおもっていたわけです。が、ザバダックのところにあっさりあって購入しますた。
 『自然現象』ってうんこしっこ系かなどと思ったのはアテクシくらいのものでございましょう。「まぶたを閉じれば、とっておきの景色が浮かんでくる・・・」「森羅万象をオノマトペで綴った いまだかってない歌の風景描写」。歌われているものは、雨、波、太陽、星、日、雷、鳥、苺、桜、雪、そして水彩画。それで自然現象なんだね。「*」なんかもそうなわけだけど、もちーふや歌詞が単純化され抽象芸術のようなおもむきである。だけど、たとえばシェーンベルクの月になんちゃらのピエロに似ているみたいなことを言うのは、ちょっとアレだと思う。音はヘンな言い方だけど、ガッツがあると思う。森羅万象を、音と歌声で絶妙に表現していると思う。どうだすげーだろ、ってなかんじでもなく、あくまでもまーしめろうのメンツなんかと楽しげにやっていて、じつに(・∀・)イイ!!。主なデーターと紹介文@アマゾン。

自然現象

自然現象

収録曲

1.雨が降っている 2.波 3.太陽が照ってる 4.満天星 5.月が出ている 6.雷 7.風が吹いてる 8.鳥が啼いてる 9.野苺 10.サクラ11.雪が降ってる 12.Annoさんの水彩画

内容(「CDジャーナル」データベースより)

ZABADAKのヴォーカルによる日本クラウン移籍後第2弾となるソロ・アルバム。前作のアイリッシュサウンドからより“癒し”に徹した仕上がり。透明感・清涼感あふれる彼女の美声はヒーリング効果抜群。

ピアニッシモさん@東京のレビュー

上野さん名義の日本語詞のアルバムとして、十分に彼女しかなし得ない音楽を表現している。言葉遊びを使っている、というのは「ナーサリー・チャイムス」でもありましたが、
さらに音楽が深みを増していて、ことばが上野さん、marsh-mallowメンバーによって生き生きとしてくる。marsh-mallowを生で観たことがある方も、無い方も新鮮に楽しめる。とにかく音場の展開が凄いので、1度目はヘッドホンやPCのスピーカではなく、CDプレーヤーとスピーカーで、歌詞カードを見ないで聴いた方がいいと思います。何とも心地いいです。

 満点星と、野苺と、Annoさんが、旧来の上野っぽいかんじであり、あとはメロディーラインこそなんだけど、pun やオノマトペが駆使されているってかんじでしょうか。それがだんだんすげくなってきていて、効果音っちょくなったり、舞台仕様にセリフになったり、最後のほうはますます単純化され、オノマトペっつーか、なんかダダイストの詩のように、数種類のことばがひたすらくり返される。雪なんかさ、「しん×n、こん×n、さらさら×n、雪が降る」だけだもんね。みくしのふぁんは、それでも野苺と満点星がいいという。それじゃあ上野洋子の趣向性もへったくれもねぇぢゃん。べたにもともとの上野洋子ぢゃん。とか思いつつも、やっぱりボクも同じように思いました。
 こういう趣向系って、スゲー疲れるのがふつうだけど、それが心地よいのが不思議。実は、今日がんばって論文9割方完成してしまったんだけど、疲れてボーっとしながらきていて、馬路なごむ。実に(・∀・)イイ!!。